愛と死の間で   1991年・アメリカ
出演: ケネス・ブラナー/エマ・トンプソン/アンディ・ガルシア/デレク・ジャコビ
    ハンナ・シグラ/ロビン・ウィリアムズ
監督: ケネス・ブラナー
 
 

 見終わった直後の感想としては、邦題が損しているように思った。91年というそれほど古い作品ではないのに、タイトルはまるで映画創世期。
 愛と死と身分の差と戦争と・・・なんて勝手に想像してしまったが、まるで違う話だった。
 過去の回想シーンはモノクロを使い、ヒッチ・コックを彷彿させるシーンがあったりと、手法としては古典的だが、とにかく、脚本がおもしろかった。

 1949年、妻マーガレットを殺害したとしてストラウスは死刑が確定された。その直前、記者のベーカーになにやら耳打ちをする。なんだか、意味ありげだ。果たして本当に彼が殺したのだろうか。
 そしてときは現代。探偵マイクの元に人捜しの依頼が来た。記憶をなくした女性の身元を調べるというもの。新聞広告を出すと、催眠術師のフランクリンが訪ねてきた。逆行催眠をすると彼女は前世を語りだした。そう、あの殺人事件のことだ。凶器に使われたハサミに過剰に反応する。

 ケネス・ブラナーがストラウスとマイクの二役、エマ・トンプソンがマーガレットと記憶喪失の女性二役を演じている。輪廻転生をテーマにした複雑なストーリーだ。
 事件から40年ほどしか経っていないというのがポイントだ。ストラウスと話をしたベーカーはまだ生きているかもしれない。彼がキーマンとなることは間違えないと、ドキドキしながら見ていく。
 そして、問題を起こしてやめさせられた精神科医にロビン・ウィリアムズ。マイクが催眠術や生まれ変わりについて相談をする相手。
 はたして事件の真相は?
 あのときの犯人がまたあの凶器を使って殺人を犯そうとしている・・・。

 使われた凶器のハサミは有名なブランドであるからなのか、日本人がオークションで競り落としたという設定になっている。犯人がそれをどこかで入手した。
 監督はご丁寧にもハサミが入った箱に『贈り物』と日本語で記した。なぜ犯人が手に入れることが出来たのかと、後から考えると、なるほどなぁと思ってしまうのだった。伏線も見事です。
 あと、ストラウスを演じているときのケネス・ブラナーはひげを生やしていて、別人かと思うほどカッコイイ。

思いがけない度 
幻影度 


amazon.co.jp
 →愛と死の間で【DVD】
 →ケネス・ブラナー映画出演作
 →エマ・トンプソン映画出演作

▲トップページ

(C) Sachiyo Kawana