印象的だったのは、エンジ色のベルベットで出来たソファー。この長椅子の上で官能的な世界が繰り広げられる。野外で、室内で、壮大な庭と屋敷で、大人の遊びをする彼らがうらやましくなってしまった。

　屋敷に集まり、フランシスが書く脚本の通りに役を演じる男と女。どこまで演技で、どこまで本気で、どこまでが物語なのか、主人公のアランは翻弄される。
　たとえば、役の中でこっそりと密会して情事にふけるということがあったとしても、本当に肌を重ねるとは思っていなかった。恋人のジュリエットにこっそり覗きにいかせて、実際にセックスをしていると知るのだが、ジュリエットの方はすっかりそのゲームにはまってしまう・・・。

　バラエティ番組の企画で、『未来日記』というのがあったことを知っているだろうか。映画みたいな恋をしたいというが、脚本の通りに行動したらまったく見知らぬ人同士でも恋に落ちるか、というものだった。
　それの、アダルトバージョンといったところか。ただ普通にナンパしたり、メールで知り合って一夜限りの恋を愉しむより、ずっとスリリングで楽しそうじゃないの。
　これは脚本に書かれていることなんだから、と、大胆になってしまいそう。

　しかし、主人公はこの遊びに乗れなかった。フランシスが書く脚本が実際に起こった事件をベースにしているからだ。何か良くないことが起こりそうだと嗅ぎまわるが・・・。

　マンネリ気味のカップルにはいい刺激になりますよ。

Ｈシーン　
大人のお遊び度