リップスティック   1976年・米
出演: マーゴ・ヘミングウェイ/アン・バンクロフト/ペリー・キング
監督: ラモント・ジョンソン
 
 

 レイプ裁判映画は今となっては使い古されたネタである。しかし、これだけ主人公にとって不利な状況というのは、あまりない。

 口紅の広告塔であるモデルのクリスはセミヌードで撮影をしていた。妹キャシーは先生のスチュアートを呼んでいた。クリスの部屋にスチュアートがやってきて、自作の音楽テープを聴かせた。
 裁判になると当然このあたりを弁護側はついてくるわけだ。彼女は誘っていたとか、挑発したとか、レイプした動機としてあたかも正当な理由になってしまうところが、映画を見ている女性の反発が共感を呼ぶと思う。
 ところが──

 そのとき、スチーブから電話がかかってきてクリスは席を外す。頭に来たスチュアートは縛り付けてクリスを犯す。それを妹に目撃されるが、普通にセックスしているのだと思いこみ、すぐに助けを呼ばなかったことから、事態はこじれ……。
 見ている方をもう少しヤキモキさせてくれたらよかったのにと思う。レイプシーンに迫力があったらクリスを助けてやりたくなるのだが、そうすると妹だって警察を呼んだだろうし……難しい展開ですね。

同情度 
裁判白熱度 


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(C) Sachiyo Kawana