チャタレイ夫人の恋人   1995年・英
出演: ジョエリー・リチャードソン/ショーン・ビーン/ジェームス・ウェルビー
監督: ケン・ラッセル
原作: D・H・ロレンス
 
 

 1982年にも映画化されたことがあって、主演は『エマニエル夫人』で有名なシルビア・クリステル。今作はエロスよりも物語の本質をついた上で「美しさ」を強調する作品となっている。日本で1950年にこの小説が翻訳されたとき、「猥褻」か「芸術」かで裁判になったのは有名であるらしい。
 リメイクバージョンは216分の4章仕立てもあるが、今回は劇場公開版を見た。

 イングランド北西部。時代は1922年の終戦記念日。戦死した兄のあとを受け継いだクリフォードもまた、戦争で半身が不随であった。子孫を残すためなら妻が他の男と寝て子供を造ることも厭わない。
 夫人のコニーは森番の野蛮人、メラーズと恋に落ちる。森の中にいるときは俺のものだと、森の中でセックスしたり、裸で駆け回ったりする。
 だが、コニーは身分を捨てられず――。

 夫人が隙を見て会いに来るドキドキ感もたまらないが、メラーズの態度にはヤキモキさせれる。身分違いの恋が等身大ではない現代では表現できない世界だ。
 夫は暴君的で介護に疲れている夫人の肩をもってしまうのも、うまい運び。「不倫なんていけませんわ」というのは野暮ですわよ。

 不倫にハッピーエンドは似合わない――そういったのは『失楽園』を書いた渡辺淳一氏だっただろうか。「死」を選択しろとはいわないが、不倫映画の結末、あたなは何を期待する?

Hシーン 
禁断度 


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