バック・トゥ・ザ・フューチャー   1985年、89年、90年・アメリカ
出演: マイケル・J・フォックス/クリストファー・ロイド/リー・トンプソン
監督: ロバート・ゼメキス 総指揮:スティーブン・スピルバーグ
 
 

 タイムトラベルといえばこのシリーズ。H・G・ウェルズの「タイムマシン」も思い出すが少々難解だからね……。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は脚本はもちろんだが、ロバート・ゼメキス監督のセンスで満ちていて、コメディチックでおもしろい。随所に伏線が張り巡らせてあって、シリーズ通してみると格別に楽しめる。

 監督は日本フリークなのだろうか。マーティがあこがれている車はトヨタの四駆だし、未来でマーティの上司となる人も日本人。1955年でドクが興味を持つハンディカメラもソニー。そして、デロリアンが故障したとき、過去のドクは日本製の部品だと知って「そりゃイカれるはずだ」というが、未来から来たマーティは「いいものはみんな日本製」というのだ。

 それでは、マイケル・J・フォックスやトーマス・F・ウィルソンが息子や先祖など、何役も演じているので探しつつ観てみよう。

 物語の始まりは1985年。マーティが高校生の時。科学者のエメット・ブラウン(通称ドク)はデロリアンを改造してタイムマシンをつくった。しかし、エネルギー源にはプルトニウムが必要で、悪人たちから横取りしてしまった。追われるドクをおいて、とっさに車を走らせるうちに1955年へきてしまった。
 若き母のロレインに惚れられてしまい、マーティは父のジョージとくっつけようと必死になるが、ロレインはなかなかジョージに振り向かない。デロリアンも燃料がなくて帰れない……。

 パート2ではマーティの息子が事件に巻き込まれたと、ドクに連れられて2015年へ。マーティはスポーツ年鑑を買ったがドクに捨てろといわれた。
 それを拾った老人のビフが、隙をついてデロリアンに乗り込み、若きころの自分に手渡す。ビフはスポーツの勝敗の賭け事をして大金持ちになってしまっていた……。

 パート3ではなんと1885年が舞台。雷に打たれて1885年にタイムスリップしてしまったドク。マーティは現代でドクの墓を見つけてデロリアンでドクを探しに……。

 シリーズ終結まで5年。しかし、物語の中でマーティはほんの何日かの体験になっている。なので、シリーズを通して見ないとよくわからないかもしれない。
 シリーズ化する予定ではなかったのだが、ビデオのラストで「to be continued...」とテロップが書かれていたので、見ている人から「パート2はいつなんだ」という問い合わせが多くて、急遽シリーズにしたということだ。

 いやぁ。それにしてもよくできている。それぞれの年代の服装や街の様子、音楽までも当時をにおわせるし、コミカルなマーティのキャラクターもいい。
 2015年に来たときの、「ジョーズ」の立体看板。あれもおかしい。「ジョーズ」はシリーズ化されており、その時点でパート4まで制作されているが、スピルバーグがメガホンをとったのはパート1だけ。シリーズにはしたくないと監督を断った経緯がある。なのに、「ジョーズ」がパート19まで制作されたと皮肉るとは……。さすがですな。

シリーズ度 
タイムトラベラー度 


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