いったいどのあたりが１８禁だったのかな……と、首を傾げたくなったが、話題作に出演しまくっているアンジェリーナ・ジョリーの悪女っぷりは見事にハマッている。あったその日に結婚をした夫をのめり込ませるほどの激しさを、もう少し映像で見たかった。
　原作はウィリアム・アイリッシュ『暗闇へのワルツ』で、『暗くなるまでこの恋を』というタイトルで一度映画化されているそうだ。二転三転する愛憎と騙し合いはクライマックスまで続いて、原作もそうなのかわからないが、ラストもなかなかおもしろい仕掛けが待っている。

　ルイスとジュリアは写真だけでしかお互いを知らなかったが、結婚することになっていた。ふたりとも一つだけ嘘をついていたが、それは両者にとっては願ってもいない嘘だった。ジュリアは自分の美貌を隠し別人の写真を送っており、ルイスは金持ちの経営者だということを黙っていた。
　あったその日から心も体も惹かれあっているかに見えたが、ジュリアのついていた嘘はすべてだった……。

　騙された男の愛と憎しみはどちらが勝つのか。ジュリアの動向にも目が離せないが、ルイスの動きも真意が見えず、展開が読めなくていい。
　エロスが中心かと思っていたら大間違い。これぞサスペンスの王道。ストーリーの古くささはキャストでカバーしている。今時愛が勝つ、とは思えないけど、ジュリアは最後の最後まで「悪女」であったのがこの物語を象徴している。
　やっぱり、勝のは女でしょ。

Ｈシーン　
妖艶度