プラトニック・セックス(劇場版)   2001年・日本【R−15】
出演: 加賀美早紀/オダギリジョー/阿部寛/加勢大周
監督: 松浦雅子
原作: 飯島愛
 
 

 タレント本はそこそこ売れる。ところが、この「プラトニック・セックス」はそこそこどころではなかった。前々からひそひそとささやかれていたのだが、彼女はAVに出演していたことをこの本で暴露した。
 オバサンたちの言葉を借りるとしたら、この本はセンセーショナルな内容だった。活字離れといわれて久しい若者たちの心をつかみ、たちまちにしてベストセラー、そして熱気が冷めないうちに映画化された。
 主演の加賀美早紀ちゃんはオーディションで選ばれた全くの新人。

 公開当初、女子高生は1000円で鑑賞できるというのも話題を呼んだ。
 R−15指定であるから、どんな風に脚色されたのかと思ったが、審査に引っかかったのは、ほんの1分かそこら程度のAV収録現場であるようだ。まったく、基準がわからない。
 わたしはこの作品を中学生の女の子にも見てもらいたいと思うのに。わたしが監督だったらそのシーンはカットするぞと大口叩いたり・・・でも、案外話題づくりだったのかも。

 原作者の飯島さんが高校生だったころ、当然携帯電話なんか持っていなかったであろうが(わたしの時代でさえポケベルだった!)、映画は現代が舞台なので、携帯が小道具で使われている。もう、携帯なしでは映画やドラマは作れない状況だ。

 友達と思っていた男にレイプされ、自殺をしようとしていたあおい。人を刺そうとナイフを握りしめていたトシ。だが、携帯が鳴り響き、出鼻をくじかれる。それがふたりのであいだった。
 メル友から恋人になったふたりは一緒に暮らし始めるが、あおいは借金返済のためにAVに出演。すれ違いがあって、お互いが信じられなくなるが、あおいの妊娠をきっかけに仲をより戻したかに見えたが・・・

 原作、脚本、監督、すべて女性。それはセックス描写からしてロマンチックだ。個人的にオダギリジョーくんは好きなので、彼の仕草には目がハートマークになってしまった。
 とにかく、こういう若いコたちを描いた作品で、監督がえらい勘違いして作品を作ってしまうことがあるのだが、登場人物たちが自然だった。デフォルメするわけでもなく、妙に熱すぎることもなく、等身大の女の子で、きっと、1000円で見た女の子たちは満足したに違いない。
 思った以上にラブストーリーが濃厚な作品だった。
「センセーショナル?わたしもこんなふうに自由奔放に恋愛したいわ」と、今時の女子高生ならいうのかもしれない。

Hシーン 
ラブストーリー度 


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