ベーゼ・モア   2000年・フランス【R−15】【R−18】
出演: ラファエラ・アンダーソン/カレン・バック/デルフィーヌ・マッカーティー
監督: ヴィルジニー・デパント、コラリー・トラン・ティ
 
 

 こういう話の場合、たいていは男が主人公なのだが、案外女の方がやるときゃやるものなのかもしれない。
 ぶったぎってる彼女たちを見て、反発を覚える男性諸君もいるだろう。でも、あんたたちは今までこんな風に傲慢だったんだよ、といっているようで、わたしはなかなかハマれた。

 ポルノにも出演しているマニュはレイプされるが、殺されなかっただけましだとあっけらかんとしていた。兄貴が執拗に相手の名前を聞き出すので面倒になって拳銃で殺してしまう。
 ナディーヌは口うるさい同居人にキレて殴り殺してしまう。
 そんなふたりは出会い、街を離れた。箍が外れてしまったふたりは盗みと殺人とセックスを気ままにやりたい放題やる。

 ふたりは次第に高揚していったのだろう。「セリフがダサイよ」なんて子供じみたことをいいながら、どんどん派手なことをやらかす。
 男を脅しながらセックスするのは女が見ていて爽快だ。しかし気に入らないことがあったらそく殺せばいいというのは、どこか狂っている。

 彼女たちに残された道はなにか?
 ふたりが思う「一番カッコ悪い結末」を監督は用意した。あれだけ派手だったのに寂しい終わり方だが、それは監督のたくらみなのかもしれない。

 この作品がR指定になったのは、おそらく、過激な性描写があるからというよりは、残忍きわまりない殺しが描かれているからという理由なのだろう。
 それにしたって、人を殺すのに、理由さえあれば許されるものなのだろうか・・・。

Hシーン 
ハードボイル度 


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(C) Sachiyo Kawana