1997年・日本 【R−15】
出演: 川島なお美/大沢樹生/辻香緒里/柄本明
監督: 池田敏春
原作: 谷崎潤一郎
 
 

 谷崎潤一郎原作の、これもまた風変わりな内容である。彼の作品はテーマが深くて、初心者カップルで見るには不向きだろう。
 ジャケットの川島なお美が、木で出来たお風呂でトロンとしている写真が印象的だが、作品を見れば絶対に忘れないシーンになる。

 安西は日記に妻との性生活をつづり、それを妻に盗み読みされることを期待していた。淑徳な妻であるのはいいが、もう少し乱れたところも見たい。妻は日記を盗み読み夫の気持ちをさとった。
 妻は安西が連れてきた若い男の前で泥酔し、そのまま風呂に入り、気を失う。もうろうとした中で安西とセックスをすると、若い男の名を叫んだ。安西は嫉妬しながらも淫らな妻の姿に興奮していく……

 交換日記ではないのだが、お互いが日記をつづり、お互いが盗み見をしていることに気づいている。表向きでは言えない本音がそこにあって、それが真実だと思いこむ。映画を見ている人たちは次第に妻のとしこが、日記を利用して夫を騙しているのでは……と思いはじめるだろう。
 彼女が本当に愛した男は誰だったのか。結末は意外性があっておもしろい。

 物静かな女性を演じた川島なお美。彼女は和服がよく似合う。ちょっと役を作りすぎているようにも思うが、脱げる女優というのは貴重だ。メジャーな女優さんも映画やドラマの中では変に隠したりしないで、いさぎよく脱いでほしいものですよね。

Hシーン 
後ろめたい度 


amazon.co.jp  →原作本:谷崎潤一郎『鍵』新潮文庫刊

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