非常にナイーブなことを扱ったこの作品。親になる資格っていったい何なのだろうと深く考えさせられる。一番必要なのは知能なのか、愛なのか、ここにその答えがあるように思う。

　７歳程度の知能しかないサム。関係を持った女性との間に子供が出来たが、彼女は退院後すぐに失踪してしまった。だが、サムは近くに住むアニーの手を借りながら、仕事を持ち、娘のルーシーを育ててきた。
　しかし、ルーシーは成長し、父親の知能を越えようとしている。児童福祉局は育児能力がないとして引き離す。サムは娘を取り返すよう凄腕弁護士のリタに依頼するが……

　話しがあまり暗くなりすぎず、メリハリがあっていい。サムの友人たちもまた知的障害者なのだが、彼らの言動も温かくて、ルーシーの靴を買うときには思わずほろりとさせられる。
　女性弁護士のリタは、一見ステレオタイプなヒステリック女なのだが、これが、行き過ぎてて笑える。車を運転するときはその人の人格が出るというが、本当にそんなふうに描写されてて、キャラが立っててよかった。
　やっぱり、何と言っても子役の女の子がかわいらしい。父親に甘えたいさかりのかわいい少女でありながら、父が知的障害者であるという事実を認識し始めた微妙な心の揺れとか、すごくいいかんじ。うーん、やっぱり子役はかわいいだけじゃ駄目なのね。

涙度　
満点パパ度