1972年のマディソン群。１１歳のベータという女の子の物語。
　実家は葬儀屋で、近所の男の子たちからお金を取って死体を見せてあげる一方では、死というものをひどく恐れて頻繁に病院へ行って診察してもらっている。
　ビクスター先生にあこがれて、創作教室に通う。幼なじみのトーマスとは仲がいいが、どこか頼りない。でも、彼はベータの大切にしてた指輪をなくしてしまったというので、探しにひとり森の中へと行く……。

　世の中、懐古趣味になったというか、テレビ番組でも「懐かしの×××」など、多く放送されているが、少女時代をちょっと思い返すような、切ないかんじがする。
　あこがれの先生を思う気持ちと、友達として思うトーマスへの気持ち。いろんなことを乗り越えて、大人になっていくんだなぁというのが、当たり前だが、再認識する。
　今どきの子ときたら……という前に、あのころの自分に戻ってみるのもいいかもしれない。
　自分を思い起こしても泣けなかったが、ベータのトーマスを思う気持ちはすごく泣けた。

あのころに戻りたい度　
おしゃま度　

　ベータも１３歳になった。
　夏休みの宿題の課題をこなすために、単身、母親の生い立ちを探りにロスへ出発した。フィル叔父さんが待っているはずだったが、来たのはニックという少年だった。
　彼とともに母親のことを調べ始める。
　トーマスとの思い出の指輪を巡ってニックともめて……。

　今回は自分が産まれてからまもなくなくして亡くなったという、母親についてを探偵のように探り、いろんな人たちと出会う。夢を壊すような人もいれば、親身になって手伝ってくれる人もいる。
　記憶にない母を見いだすことで、彼女自身もなにかをつかんだようだった。
　恋愛より青春物語といった方がいいのかもしれない。

自分探し度　
恋の予感度