直木賞受賞作品を映画化。脚本は宮藤官九郎。主演は窪塚洋介と話題ずくめのこの作品。
　作中、再三「これはぼくの恋愛に関する話だ」といっているが、それは３分の２ほど間違っている（笑）。原作にそのような文章があるので、使ったのでしょう。わたしも原作を読んだとき、頭に残ってました。

　それじゃあ、どんな内容かといったら、在日韓国人の杉原が日本という国で生きてきて、理不尽に思ったこと、父親との確執、ちょっと変わった民俗学校の友人たち、そして最後に恋することすら国籍を頭に思い浮かべることだ。
　朝鮮籍から韓国籍になった杉原は日本の学校へ通うようになる。杉原をぶっ倒そうと数々のチャレンジャーがやってくるが負け知らず。一番目に殴り倒した加藤のオヤジはやくざだった。知らなかったとはいえ、肝をつぶす。でも、加藤とは仲良くなってパーティに呼ばれた。そこで桜井という女の子とで会う……。

　きっと脚本の宮藤さん若いのだと思うが、十代の子たちが口にするセリフが浮世離れしてなくて、安心して見ていられる。大人がハッとするセリフもあって、ただの青春映画じゃ終わらない。
　そして、桜井を演じた柴咲コウさん。原作より大人っぽいイメージなのだけど、可愛らしい人だ。ミュールを手に持って、道路に書いてある白いラインをたどっていく姿が印象に残った。子供じみてるでしょ。そこが面白い。
　大竹しのぶさんはさすがベテラン。杉原の母役で、肝っ玉ぶりを見せてくれるが、それがとてもユニークなのですよ。

　それにしても、まさか漫画化までされているとは……。

青春度　
杉原の威勢度