ハリー・ポッターと賢者の石   2001年・アメリカ
出演: ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/アラン・リックマン
監督: クリス・ コロンバス
原作: J・K・ローリング
 
 

 原作者は貧乏な生活をしていたシングルマザーというのは有名な話だが、子供に読ませるために書いたハリー・ポッターが世界的に大ヒット。現在まで4巻が出版されているが、全世界で1億部を売り上げたというのだから、孫の世代までの財を得たんじゃないだろうか。
 ハリー・ポッターが使っているという教科書だとか、映画で使われた制服やマントも販売され、関連グッズのロイヤリティも、ものすごいことになっているに違いない。
 日本でもDVDソフトの売り上げが初のミリオンを記録した。CGもセットも美しいし、さぞかし制作費もかかっただろうが、何でこんなに安く売れるのか、まぁ、わたしたちにとってはうれしいことですけど。CDと違って値段がまちまちなのが気にかかる。

 著者はこの映画を見るのが怖かったという。だが、見終わってから安心したそうだ。原作を変えられていたらどうしようと思っていたようである。
 でも、映画は驚くほど原作に忠実だった。子供向けの映画にしては登場人物が多いが、原作から削ったり付け加えたりなんてことはほとんどない。原作の魅力がそのまま映像になった感じだ。

 ハリー・ポッターの両親は魔法の力を悪用したヴォルデモートに殺されてしまい、親戚の家で育つ。そのとき額に残ったのがN型の切り傷(原作を読むと稲妻の形だということがわかる)その傷にハリーは守られているのだ。
 さて、やっかいもの扱いをされていたハリーだが、魔法学校からの入学案内が届いて汽車で全寮制のその学校へ行く。
 その汽車があるホームへ行くには特別な方法があるのだが、独創的でおもしろい。また、魔法学校は4つの寮があるのだけど、その組分けも子供たちをわくわくさせる。
 最後は一年で一番優秀な寮はどこであったかの発表がある。(ちなみに、原作者はこの物語を7巻で完結させると明言している。ハリーが卒業するまでの7年間を書くようだ)
 当然のように逆転劇があるわけだが、ヒーローはハリーだけではなかったという結末が、何とも遊び心があってよかった。

 ハリー・ポッターを知らない人でも、魔法を使ったファンタジーだということは知っているかと思うが、学校の地下に隠された『なにか』を魔法学校の先生が狙っているらしい、という話を中心に、謎と冒険に満ちた物語という、児童文学の定義もふまえた作品になっている。

映像美度 
原作持ち味度 


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