富江   1998年・日本
出演: 中村麻美/菅野美穂/洞口依子/草野康太/田口トモロヲ
監督: 及川中
原作: 伊藤潤二
 
 

 実のところ、マンガの『富江』を見る前に映画を見たので、すごく良くできたマンガだなぁと思っていた。だから原作が気になって仕方なくて、古本屋さんで探しまくって手に入れた。(といっても古い作品じゃないから書店でも見つかるかと思う)
 原作はバリバリ、ホラーです。それもグロテスクな。こっちを先に見ていたら、どれだけえぐい映像が出るのか覚悟していただろうけど、卒倒しちゃいそうなシーンはない。映画『富江』はホラーではあるが、ミステリー的な要素が強くて、本編にはないエピソードが中心になって話が展開している。

 まず、出だしで驚く。男の持っている紙袋の中身はいったい何なのか。穴から目が見えるが、見間違えでもなんでもなく、その中には富江の生首が入っている。
 富江は体をバラバラにされても再生する能力を持っているので、殺されても殺されても生き返るのだ!

 原作を読んでいても、富江って何者?と思ってしまうのだが、この作品で少し謎が明かされたかもしれない。原作者が意図していないかもしれないほど、大胆な脚色になってます。

 魔性の女、富江を菅野美穂が演じている。男をたぶらかす妖艶さ、凶暴性、狂気。彼女は見事にはまった。だけど、終盤までわざと顔を見せないような段取りになっていたが、あんまり意味がなかったと思う。もっと早くに彼女の持ち味を出してあげれば良かったのに。

脚色度 
スプラッター度 


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  富江 replay   2000年・日本
出演: 山口紗弥加/宝生舞/窪塚洋介/松尾政寿/遠藤憲一
監督: 光石冨士朗
原作: 伊藤潤二
 
 

 『富江』シリーズの第2弾。たちまちスターになってしまった窪塚洋介がごく普通の青年を演じる。宝生舞の富江は、原作の通り美しく冷淡。男たちに切り刻まれる自分の運命を、悲劇的に語っているのがちょっとらしくないが、人間味があって、いいのかも。

 肝臓移植をした少女が病院に運び込まれた。提供したのは富江だった。富江は肝臓から命を吹き返し、事件を巻き起こす。院長の娘の由美は失踪した父の行方を追ううち、富江という人物にゆきつく。
 一方で、入院していた文仁を見舞った武史は富江と出くわしてしまい、彼女にのめり込む。それを心配した文仁と由美は出会って、富江と戦う。

 前作と違って、今回は原作の雰囲気をそのままに、脚色していったようなかんじだ。武史の狂い方は異常だが、ホラー映画としてはそれほど怖くない部類に入るだろう。
 主役の山口紗弥加と窪塚洋介のキャラが弱くて残念。ラストの富江との戦いにももっと派手なものを期待した。

恐怖度 
スプラッター度 


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  富江 re-birth   2001年・日本
出演: 酒井美紀/妻夫木聡/遠藤久美子/黄川田将也/忍成修吾/邑野未亜
監督: 清水崇
原作: 伊藤潤二
 
 

 男たちに殺され、切り刻まれては再生する富江。まるで殺されるためにたぶらかしているようでもある。シリーズ第3弾の今回は、富江に酒井美紀が抜擢された。
 富江にもっともスポットが当たった作品と言えるのかもしれない。男たちを夢中にさせ、物を買わせ、飽きたときにはポイと捨てる。男が思わずカッとなって富江を殺してしまうのにも納得いくような展開になっている。

 ちょっとお違うのは、今回、富江はどうやら恋をしてしまったらしい?
 妻夫木聡演じる巧に異常なほど執着している。恋人のひとみはやきもきしながら、巧を信じた。ひとみは富江の口紅を使ってしまったことから、だんだんと体が富江になっていき……

 富江のキャラがめちゃめちゃ明るくて怖い。生首なのに天然系のしゃべりで、見るものをゾッとさせる。
 もはや、水戸黄門のようにパターン化している『富江』だが、まだまだ続編があるらしい……。

恐怖度 
スプラッター度 


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