バトル・ロワイアル   2000年・日本 【R−15】
出演: 藤原竜也/前田亜季/山本太郎/柴咲コウ/安藤政信/栗山千明
    ビートたけし
監督: 深作欣ニ
原作: 高見広春
 
 

 映画公開時にR指定になったことで、ちょっとした話題になっていたが、それよりも以前、原作が刊行される前からすでに "問題作" といわれていた。
 と、いうのも、原作『バトル・ロワイアル』は角川書店が主催する日本ホラー小説大賞(パラサイト・イブなどが受賞している)に最終選考まで残りながら、中学生同士が殺し合うという残忍さ、読後感の悪さ、「プログラム」(映画でいうところのBR法)が制定されたいきさつが書き込まれていない、などの理由で選外となってしまった。
 角川書店からの出版にはならなかったが、太田書店が出版し、たちまちにしてベストセラーとなった。書店ではヤングアダルトのコーナーにおいてあるし、青少年向けだと思うのだが、映画はR指定である。

 BR法によって中学生のひとクラスが抽選される。彼らは島に閉じこめられ、互いに殺し合いを強要させられる。最後に残ったひとりは生きる権利を与えられるが、時間内に決着がつかなければ全員死亡することになる。
 あらましをビデオのお姉さんが丁寧に教えてくれるのだが、ミスマッチで面白い。元教師のビートたけしも、どこか壊れている感じがハマっている。

 誰かが友情映画だといっていたが、わたしはそうは思わない。これはサスペンスだ。ゲームで人を殺している彼らだって、実際の人殺しは怖い。殺されるかもしれないと考えることはもっと怖い。
 殺すか殺されるか、自ら命を絶つか、クラスメイトは信用できるのか、そのあたりの緊迫感が醍醐味である。キャストで誰が長く生き残れるかわかってしまうのが残念だが、ただの殺し合いをする映画ではないことをいっておこう。

 それにしても、監督のタフなこと。こんな映画を作れるのは若くて頭が柔らかい人だと思っていたのに、結構お年なのである。

サスペンス度 
ショッキング度 


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