ピーターパン   1953年・ウォルト・ディズニー
監督: クライド・ジェロニモ/ハミルトン・ラスク/ウィルフレッド・ジャクソン
原作: ジェームズ・バリー
声の出演: ボビー・ドリスコル/キャスリン・ビューモント
 
 

 やっぱり、ディズニーアニメがヒットして原作が注目されるというパターンが多いのだろうか。なにしろ古い作品なのでそこのところはよくわからないが、これもまた誰もが知ってる創作童話を原作としたお話しだ。
 冒頭、ピーターパンが現れるまでが少々もたついているように思うが、子守りをする愛犬ナナがとてもかわいくて、ナナがネバーランドへ行けなかったことがとても残念に思った。

 ウェンディはピーターパンに誘われて、空を飛んでネバーランドへと行く。妖精のティンカーベルはやきもちやきで、ピーターがウェンディに優しくするのが気に入らない。
 フック船長はピーターパンをやっつけたくて、ティンカーベルをそそのかしてウェンディーらをさらうが……。

 ネバーランドにいる迷子の少年たちはインディアンを捕まえたり、捕まえられたりと、ゲームを楽しんでいるのだが、インディアンがステレオタイプで、今だったらインディアンという言葉すら使うこともないだろうなと思った。
 それにしても、「インディアン嘘つかない」とか、口に手をあてて「あわわわ」と叫びながら踊るというイメージは、この作品によるものなんだろうか。ちょっと意外だった。

 総評としては、あまりディズニーらしさがない作品なのかもしれない。人間の言葉を話すことが出来ないティンカーベルや、横暴なフック船長と気弱な下部スミなど、魅力的なキャラクターがいて、わき役たちは楽しいのだけど、ウェンディの弟たちはインディアンやフック船長に捕らわれっぱなしで活躍の場がなかったこと、それに肝心のピーターパンの出番ももう少し増やしてもらいたかったところだ。
 それから、ウェンディーが大人になりたいといってネバーランドから現実の世界に帰ってくるところ、そこがこの物語の難しいところで、もうすこしうまく処理できれば子供たちも共感できたのにね〜。

冒険度 
脇キャラ度 


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(C) Sachiyo Kawana