ふしぎの国のアリス   1951年・ウォルト・ディズニー
監督: クライド・ジェロニモ/ハミルトン・ラスク/ウィルフレッド・ジャクソン
原作: ルイス・キャロル
声の出演: キャサリン・ボーモント/エド・ウイン/リチャード・ヘイドン
 
 

 これが半世紀も前の作品だなんてとても思えない。映像がとてもきれいだとか、すごい技術が集結しているというわけではないのだけど、アニメミュージカルの楽しさが前面に押し出された作品。
 原作があるのは周知の通りだけど、まるでディズニーのために書き下ろされたかのような物語。
 とはいっても、原作の小説を読むと結構難解で、言葉遊びがあったりとか、夢と魔法の物語にはほど遠いのだが、その世界観を失わないままよくアレンジされている。

 帽子屋とうさぎのティーパーティとか、トランプの女王の登場シーンとか、音楽とアニメーションが非常にマッチして、不思議な世界をかもし出す。
 ストーリーはほとんどないようなものだから、シーンとシーンをつなぎ合わせたような印象を受けるかもしれないが、これも原作の持ち味で、本当に次から次へととんでもない登場人物が出てくるのだ。
 まぁ、それもそのはずで、ネタを明かすとこれらは全部アリスの幻想の世界だから、荒唐無稽なのは当然のことで、ちょっとシュールなんだけど、ディズニーの手に掛かればファンタジーになってしまう。
 植物や動物が擬人化されていて、そのキャラクターのアイディアも秀逸。まだこの作品を見たことがない人は、ディズニーらしいアニメだなと思うでしょうね。でも、これ、何度もいうけど50年も前の作品よ。
 この作品でディズニーアニメの方向性が確立したんじゃないかってほど。だから、ディズニーアニメが好きな人は見るべし!

ミュージカル度 
ファンタジー度 


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