リトルマーメイド   1989年・アメリカ
監督: ジョン・マスカー/ロン・クレメンツ
制作: ディズニー
声の出演: ジョディ・ベンソン/ケネス・マース/サム・ライト/ジェイソン・マリン
日本語吹き替え: 鈴木真弓/井上和彦/森公美子/上條恒彦
 
 

 アンデルセンの長編童話を元に作られたアニメ。原作はひたすらに切なくて悲しいが、楽しい脇役がもり立て、ディズニー得意のミュージカル風アニメーションで明るい作品になっている。
 この作品でディズニーアニメは再び活気を取り戻し、『ディズニー・ニュー・クラシックス』と呼ばれ、美女と野獣、アラジン、ライオンキングなどが含まれている。

 原作では人魚姫に名前が付けられていないのだが、ディズニーアニメではこうなっている──。
 海の上の世界に興味を持つアリエルは世話役のセバスチャンを困らせる毎日。
 嵐の時、アリエルは沈没した船に乗っていた王子エリックを助け、岸まで運ぶ。エリックが意識を取り戻したときには隠れてしまい、エリックは助けてくれた声の美しい娘に思いを寄せる。
 アリエルは魔女のアースラに出し抜かれ、自分の声と引き替えに人間の姿を手に入れるが、三日目の日没までにエリックとキスできなければ、元の姿に戻れないどころか海のもずくになってしまう……。

 ちなみに、結末は原作とは正反対。
 原作では一歩一歩歩くたびに鋭い痛みがして、そこまでして王子に会いに行っているというのに、王子はよその国の王女にうつつを抜かす。どうも恋が実りそうにない。人魚姫の姉たちが王子を刺し殺せば元の姿に戻れるというが、そんなことはできず、結局人魚姫は海の泡となり、空気の精に誘われて天国に昇っていくという、悲恋の物語なのだ。

 結末が原作と違うのは残念だが、アンデルセンの童話を原案にして物語を再構築したメルヘンと考えれば、この作品はこの作品として楽しめる。
 特に魔女の存在が原作よりも際立っていていいし、吹き替え版ではオペラ歌手の森公美子さんが歌っているので迫力があって文句なし!

キャラクター度 
メルヘン度 


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