これが1955年の作品だったとは驚きだ。幼少時代に見た絵本の印象をまだ覚えているが、アニメーションで見てもまたよかった。

　ダーリングは夫から幼犬をプレゼントしてもらった。レディと名付けてかわいがるが、寝るときは一階の物置に閉じこめておく。気に入らないレディはほえ立ててご主人様のベッドで寝ることを許されるようになった。ペットを飼ったことがある人でなくても情景が目に浮かぶでしょ。犬の気持ちがよくわかるアニメーションなんです。
　ときはたち、立派なレディとなったレディ。友達に飼い犬のトラスティとジョックがいる。モデルはヨークシャテリアとブラッドハウンドか。老犬なのにレディを狙っているところがまた愛嬌あるじゃないの。
　ダーリングは妊娠して子守がやってきた。黒猫２匹を連れてくるのだが、レディとの格闘が楽しい。
　 　子守に誤解されて口輪をつけられてしまったレディ。そこから逃げ出すと今度は野良犬に追われるハメに。助けてくれたのは野犬のトランプだった。特別なときだけ行くのだと連れて行かされたのがレストランの裏。そこであの有名なスパゲティを食べるシーンがある。

　飼い犬として生きること、野良犬として生きること。レディとトランプが選んだのはどちらか――。
　ディズニー初期の作品はあまり狙い過ぎてなくていい。

キャラクター度　
犬好きにはたまらん度　

　レディとトランプのあいだには４匹の子供が産まれた。男の子のスキャンプはいたずらっ子で、垣根に囲われた生活に嫌気が差していた。家から逃げ出して野良犬のエンジェルたちと知り合う。
　彼らのボスはバスターという強い犬だった。スキャンプは仲間に入れてもらおうと試練を乗り越える。父のトランプがかつては野良犬で、バスターの相棒だったと知り――。

　自由な生活を望むスキャンプと、家族愛を教えるトランプ。飼い犬になることが家族愛というわけでもないだろうに、トランプがそれを強要するのは何とも苦しい展開。
　ディズニーは近頃、映画にしないビデオのみのパート２作品をたくさん作っているが、ファンだけしか喜べないようなものはダメじゃないのかな……。

キャラクター度　
続編度　

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