『フランケンシュタイン』が書かれたいきさつ。
スイスのジュネーヴ湖畔のバイロンの別荘にいた、詩人のバイロンとシェリー、シェリー婦人が集まり、怪奇小説を書いてみようということになった。シェリーは何も書けず、バイロンは途中で投げ出し(この構想を借りてポリドリが「ヴァンパイア(Vampyre)」を書き上げて出版している)、シェリー婦人だけが「フランケンシュタイン」を書き上げた。
副題に「あるいは現代のプロメテウス」と付けられているが、ギリシア神話に登場するプロメテウスは人間を造ったことで知られている。作品を読めばわかるのだが、フランケンシュタインは人造人間を作った科学者であり、怪物の名前ではない。
ストーリー。
赤ん坊を生んで死んでしまった母親を生き返らせようと、ヴィクター・フランケンシュタインは勉学に励み、非合法な実験をするウォルドマン教授のもとで研究を続けた。
ウォルドマンが患者に殺されてしまい、ヴィクターは脳を保存しておく。死体をかき集めて、ついに人造人間が生き返った。だが次第に神の意志に背いた科学を罪深く思い後悔する。
ヴィクターによって造られた怪物は自分の醜さを知り、ひっそりと暮らすが、優しい心は持ち合わせていた。しかし、どんな行動をとってもその容姿から恐れられてしまう。そんなときヴィクターの日記を読み、自分は「誤作動であった」という事実を知り、怒り狂いヴィクターを不幸におとしめていく……。
「死」と「甦生」のジレンマ。
スティーヴン・キングの『ペット・セメタリー』も面白い。
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