THE LEGEND OF ZELDA

ゼルダの伝説とは?

 ゼルダの伝説シリーズは11作ほど発売されているが、その中には外伝的な物も含まれる。その分け方は人によって違うだろう。リンクが主人公なら全部ゼルダの伝説なのか、ゼルダ姫が登場する作品が正式なシリーズか、ガノンがラストボスで登場することか、それともハイラル王国が舞台となっていることか……。

 ここではハイラル王国が舞台となっている作品について考察してみようと思う。各シリーズの時系列はどうなっているのか、繋がりはあるのか、ハイラル王国の歴史的な時代考証なんかをしていきます。
 ストーリー的なネタバレが含みますので、まだプレイしていない方はご注意願います。
 ただし、今までにプレイしたのは初代ゼルダ、神々のトライフォース、時のオカリナ、風のタクト、トワイライトプリンセスです。その他についてはまたプレイ後、記述・訂正します。


初代ゼルダの伝説

主人公は?
ハイラル地方の小王国を訪れた旅人リンク。ゼルダ姫の乳母インパの依頼でガノンを倒す。
マスターソード
初期装備は「ソード」で、マスターソードはない。マスターソードが扱えない年齢と思われる。
・ホワイトソード:滝の裏の洞窟にある。ハートが5個以上で扱える。
・マジカルソード:墓地にある。ハートが12個以上で扱える。
聖地とトライフォース
聖地については出てこない。
トライフォースは神秘の力を持つ黄金の三角形で、ゼルダ姫がいる小王国に代々伝えられていた。大魔王ガノンに力のトライフォースを奪われ、ゼルダはそれ以上奪われてはならぬと、知恵のトライフォースを8つの小片に分けて各地に隠した。
リンクはその8つを見つけ出し、ガノンの待ち受けるデスマウンテンへと挑む。
ゼルダ姫
ガノンに捕らわれている。
ガノン
魔の軍団率いる大魔王。どの剣でもダメージを与えられるが、とどめは銀の矢で射抜かねばならない。
デスマウンテン
岩がゴロゴロと降ってくる危険地帯。以降のシリーズでもデスマウンテンに登っていくと、岩が落ちてくる。
妖精の泉
妖精がいる泉では体力を満タンにしてくれる

リンクの冒険

主人公は?
ガノンを倒した後も小王国はなかなか邪気は消えず復興しなかった。小王国にとどまったリンクは、16歳を迎えて手の甲にトライフォースの紋章が現れた。代々王家に仕える血族の末裔であるインパがその秘密を明かす。
マスターソード
魔王を倒すのが目的ではなく、勇気のトライフォースを手にするための自分との戦いなので必要ないと思われる。
聖地とトライフォース
聖地については出てこない。
ハイラルがまだ1つの国であった頃、国王は適任の後継者がいないために勇気のトライフォースを隠した。トライフォースは3つあって最大の力を発揮する。国王は適任者には手の甲に紋章が浮かび上がってくるよう、国に魔法をかけた。長い時が経ってようやく適任者が現れたというわけだ。
ゼルダ姫
王が息を引き取った後、勇気のトライフォースのありかを知っているのはゼルダ姫だけとなったが、魔法使いによって眠りにつかされた。その嘆かわしい出来事から、代々生まれてきた姫君には「ゼルダ」という名をつけるようになった。
まさにこれが、「ゼルダの伝説」というこのゲームの名称を決定づけたエピソードにも思える。前作でリンクが助けたゼルダ姫が何代目なのかはわからない。ただ、リンクが勇気のトライフォースを手にした時、初代ゼルダ姫も眠りから覚めるので、2人のゼルダが存在することになる。
シリーズで「ゼルダ」と名の付く姫がいるということは、どこかで初代ゼルダ姫が眠っていることになるだろうか。それとも習わしとして、それ以降も姫にはゼルダと名付けられたのか。勇気のトライフォースを隠したエピソードはこれ以外に出てこないのでいつの話なのかわからない。
デス・バレー
ハイラル地方で一番大きい島にある死の谷の大神殿に、勇気のトライフォースが守護神によって守られている。大神殿の結界を解くには6つの神殿にある像にクリスタルを埋め込む。

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ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス


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ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし


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ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣


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ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章


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ゼルダの伝説 風のタクト


神々のトライフォース

主人公は?
ハイラルがまだ1つの時代であった頃。ハイラル城付近に主人公はおじさん(血縁者かどうかは不明)と一緒に暮らしていた。おじさんはハイラルを警護する騎士のようで、真夜中に異変を感じ城へ向かうが、主人公がゼルダのSOSをテレパシーで感じ取り、あとを追った時には息絶えていた。
どうやら主人公は封印戦争で七賢者と共に戦った騎士団の血を引く勇者であるらしい。
マスターソード
迷いの森の奥地の台座に収まっている。「3つの紋章を集めた者 剣を抜くであろう その者 ナイト一族の血を引く者なり」と書かれているとおり、知恵、力、勇気の紋章を手に入れた勇者のみ扱える。
紋章は東の神殿(闇の世界では闇の神殿にあたる)、あやしの砂漠の神殿、へブラ山の頂にあるヘラの塔にそれぞれある。
伝説では、過去の封印戦争の時、神の命を受け、ハイラル人たちによって作られた物であるが、その時には扱える勇者が登場しなかったとある。
聖地とトライフォース
ハイラルに降臨した三神は世界を創造後、力、知恵、勇気のトライフォースを残し、この世界を去った。神が降り立ったところを聖地といい、ハイラルのどこかにその入り口があるという。
その入り口が盗賊団によって見つけられ、黄昏の中に輝く黄金のトライフォースを手にしたのは盗賊団首領のガノンドロフだった。彼が願ったために聖地は闇の世界と変わってしまった。七人の賢者たちと騎士団によってガノンドロフを闇の世界に封じ込めることに成功した。これが封印戦争を呼ばれるものである。
しかし、時は経って復活の兆しが現れ、主人公はトライフォースを奪い返すべくガノンドロフのいる闇の世界へと挑む。
トライフォース自身は善悪を判断せず、触れた者の願いを叶えるが、その者が死んだ時その願いから解き放たれ、次の願いを待つ。
主人公がガノンを倒すと祭壇のような間でトライフォースの精に話しかけられる。主人公はマスターソードを台座に戻し、もう2度と剣が抜かれることのない平和を願った。
このときトライフォースはすべて回収されたと思われ、ゼルダ史上最もハッピーエンドであったといえるんじゃないだろうか。
ゼルダ姫
ハイラル王国の王女であり、封印戦争でガノンを闇の世界に封じた七賢者の血を引く者。ガノンが光の世界で復活するにはその七人の賢者の血を引く娘が必要であった。一度は救出されるが、司祭アグニムによって闇の世界のデスマウンテンにあるカメイワに幽閉された。
主人公によって救出された七賢者の末裔と共にガノンの塔の結界を解く。
ハイラル国王はアグニムによってすでに暗殺されたと見られる。
ガノン
盗賊一団の首領でガノンドロフ、通り名を魔盗族ガノンという。聖地を闇の世界へと変え、時空を超えてハイラルをも脅かした。時代は移り、光世界にいるアグニムを操り、七賢者の末裔を闇の世界へと送り込ませていた。
光の世界ではへブラ山のヘラの塔と呼ばれている場所が、闇の世界ではデスマウンテンのガノンの塔と呼ばれ、結界を張っていた。ここで力を蓄え、ハイラル城に大きな抜け穴を作って光の世界への復活をもくろんでいた。
7人の賢者の末裔によって結界は破られ、自ら作り出す光りの玉の攻撃を跳ね返されてダメージを受け、最後は銀の矢で射止められる。
七賢者の末裔
前記の通り1人はゼルダ姫である。
そしてカカリコ村の長老サハスラーラも賢者の血を引く者で、様々な助言をくれ、賢者一族に伝わるペガサスの靴を託す。孫娘がさらわれている。
もう1人はへブラ山の中腹に住んでいる老人で、やはり孫娘がさらわれているのでたぶん彼も賢者の末裔だろう。闇の世界からこちらの世界へと戻ってこられるマジカルミラーをくれる。
さらわれた娘たちはハイラルの伝承をいくつか教えてくれる。聖地へは限られた者だけが行けるはずだったのに、それがどこかで途切れてしまったようだという。そして、神に最も近いハイリアの民は不思議な力を持っていたが、時代が経つにつれ、その力も薄れていった。しかし、勇気を司るナイトの力があれば、知恵を司る賢者の力もより大きくなるはずという。
光と闇
光の世界とはこちら側の通常世界で、闇の世界はもとは聖地で、ガノンがトライフォースに触れたことによって暗黒の世界となった。
光から闇の世界へと通じる入り口魔法陣は賢者によって封じられたが、なぜか通れるようになってしまった。闇の世界では動物か魔物に姿を変えてしまい、光の世界へとは戻れない。
唯一マジカルミラーが扱える賢者のみが光の世界と闇の世界を行き来できる。主人公も闇の世界では無力なウサギになってしまうが、その魔力を振り払うムーンパールを持っていることで姿が変わることを防げる。
幸せの泉
何カ所か妖精がいる泉があって、大妖精がいるところでは泉にアイテムを投げ込むとアイテム強化をしてくれたり、ルピーを投げ込むと消費アイテムの最大所持数を増やしてくれたりする。

時のオカリナ

主人公は?
コキリの森で暮らす少年だが、他のコキリ族の子供たちと違って妖精を従えていない。というのも、リンクはハイラルから命からがら戦火から逃げてきた母親が森のデクの樹に幼いリンクを預けており、コキリ族ではなくハイラル人だったからだ。ということは、そのころにもハイラルのどこかで争いごとが起こっていたということになる。
マスターソード
ハイラル城下町に隣接する「時の神殿」の台座に刺さっている。森、炎、水の精霊石を台座にはめ、王家が守る時のオカリナで時の歌を吹き、勇者によってマスターソードが抜かれた時のみ聖地へと行ける。
ただ、年齢が足りてないリンクはマスターソードによって魂が聖地に封印され、7年間眠ることになってしまう。勇者は貴重な存在だから、真の力が発揮できるときまで守られたのだろう。
精霊石はデクの樹、ゾーラ族の王女、ゴロン族の首領が持っている。
子供時代のマスターソードの台座には「三つの精霊石を持つ者 ここに立ち 時のオカリナをもって 時の歌を奏でよ」とあり、大人時代になると「時のオカリナ扉を開き マスターソードを手にした時の勇者 ここに降臨す」と書かれている。
聖地とトライフォース
「神々のトライフォース」と同様の伝説が伝わっている。力の女神ディン、知恵の女神ネール、勇気の女神フロルは地上に降り立ち世界を創造、トライフォースを残していき、その地を聖地と呼んだ。
時の神殿が地上から聖地への入り口になっている。その鍵となっているのが、時のオカリナと、3つの精霊石、そしてマスターソードを抜くことが出来る時の勇者。
トライフォースは己の心を映す鏡であり、力、知恵、勇気の3つの心を測る天秤でもある。その力がなければ3つに割れ、その人が持つ最も強いものだけが残り、あとの2つは神に選ばれし者の手の甲に宿る。
ゼルダ姫
神に選ばれし姫。ガノンドロフの襲撃から逃れ、シーク族としてなりを潜め、リンクの目覚めを待ち、6人の賢者たちが復活する手助けをする。
自身も賢者の長となり、光の矢をリンクに手渡すがガノンドロフに見つかり、ハイラル城跡地にあるガノン城に捕らわれる。
ガノンドロフ
盗賊団ゲルド族の首領。黒い砂漠の民とも呼ばれるゲルド族は深い谷を越えたところに住んでおり、幻影の砂漠の入り口に砦を構えている。民族は女ばかりであり、100年に一度男が生まれ、その者は長となる掟がある。
聖地への入り口が開かれた隙に侵入。光の神殿でトライフォースを手にし魔王となったが、より完全なる支配のために知恵と勇気のトライフォースを持つ者を探す。
六賢者たちが開いた封印にガノンは引き込まれ、こちら側の世界からゼルダによって封印は閉ざされた。力のトライフォースも彼が持ったままのようである。
大妖精の泉
体力を回復してくれる小さな妖精もいるが、大妖精のところへ行けば三大神の名が付く魔法を教えてくれたり、守備を強化してくれる。力、知恵、勇気を司る妖精がいる。
時の神殿
聖地への入り口となっている場所。光の賢者ラウルによれば、マスターソードは「時の勇者の資格を持つ者だけが抜ける」ということなので、リンクが眠りにつき時代を行き来したから「時の勇者」と呼ばれるのではなく、それ以前から剣を抜ける者は「時の勇者」と呼ばれていたということになる。
それは「時の神殿」も「時のオカリナ」も「時の歌」も、この一件の前からある名称だ。ゼルダ姫によれば、マスターソードは時を旅する船、時の神殿はその港となるという。
六賢者
リンクによって賢者として目覚める者たちのこと。各神殿から賢者の間へと集められ、自身を象徴する賢者のメダルをリンクに託し、力を与える。
コキリ族のサリア、ゾーラ族のルト姫、ゴロン族のダルニア、ハイラル王家に仕えるシーカー族の生き残りインパ、ガノンドロフの勢力に反旗を翻すゲルド族のナポールで、それぞれ森、水、炎、闇、魂を司る賢者。
一番始めに賢者の間でリンクに話しかけるのは光の賢者ラウルである。光の賢者は時の神殿を造り、聖地との道を繋ぐ者である。
ゴシップストーンの噂によれば、子供時代、リンクにヒントを与えていたフクロウのような怪鳥はいにしえの賢者の生まれ変わりらしい。それが光の賢者なのかはわからないが、「ふたつの時代を行き来する少年のことを、このワシですら伝説と思っとったよ」といっている。
「伝説」というからにはたった7年やそこいらの年月ではないだろう。そもそも時間を旅できるのは時の勇者だけだと思うので、7年後からやってきたラウルではなく、通常の時の流れにいるラウルだろう。時の神殿でマスターソードが抜かれた時、もしくはリンクが目を覚ました時にラウルも賢者の間に光の賢者として復活したのかもしれない。
だとするなら、やはり大昔にも時を旅する勇者がいたのではないだろうか。「神々のトライフォース」でいうところの封印戦争が「時のオカリナ」であると思うが、実際には封印戦争の時にマスターソードが作られたのではなく、時の神殿にすでに存在している。封印戦争は「時のオカリナ」より以前にあったのか……とはいえ、その程度の誤差はつきものである。
ちなみに、ハイラルの盾には、トライフォースの紋章と鳥をかたどった模様が描かれている。ゲームボーイの「夢を見る島」でもヒントをくれるフクロウがおり、Wiiの「トワイライトプリンセス」にも最も神に近いハイラル人が残したフクロウの像が点在している。
シーカー族
フクロウはシーカー族のことを「ハイリア人の影」といっている。これはいったいどういうことだろう。 インパはカカリコ村出身で、カカリコ村墓地にある闇の神殿を守る者である。井戸の中から闇の魔物が復活してしまい、インパは神殿へ様子を見に行っている。
墓地の石碑に「ここに眠る魂 王家に仕えるシーカー族 ここに村を築き 眠れる魂を守るもの」と書いてある。インパも「闇の神殿はハイラルの血塗られた闇の歴史。欲望と怨念の集まりしところ」と言っている。トライフォースを巡って聖地の入り口があるハイラルは争いごとが耐えなかったのだろう。
「ハイラルの血塗られた闇の歴史」とは何だろう。王家に仕えるシーカー族も元は反政府軍であったのか。それとも王家の血筋の者もトライフォースを巡る欲望に過ちを犯してしまったのか。それとも闇の神殿に眠っているのは初代ゼルダなのか……。
魂の神殿
大人時代、ゲルドの谷を越え、幻影の砂漠を渡り、たどり着いたところは「巨大邪神像」と呼ばれる場所だった。ゲルド族から話を聞くと、そこはもとは魂の神殿と呼ばれる場所で女神がいる。だが、今では洗脳実験の場になっており、ナポールもそこへ行ったきり帰ってこないという。
子供時代に訪れてみると、ナポールは神殿へと入れずに、小さな穴から入れそうなリンクに神殿内に潜入してくるようにお願いする。しかし、ナポールはガノンドロフの手下である双子の魔女に捕らわれ、大人時代に助け出されるまで洗脳されてしまっていたのだった。
神殿はコブラが巻き付いたような女神像があり、スフィンクスを彷彿させる。ナビィも誰がなんの目的で造ったんだろうねと言っている。
エンディングで六賢者たちの魂がこの神殿へと送られてきたように思う。サリアも「リンクと一緒の世界にいることが出来ない」といってるように、どうやら6人の賢者は異次元の空間へと旅だったようだ。 ちなみに、Wiiの「砂漠の処刑場」内部にはスフィンクスのような像がある。名残だろうか。
パラドックス
ゲーム本編中ではマスターソードを抜くと大人時代に移り、マスターソードを置くと子供時代に戻るが、どうやら戻るのはマスターソードを抜いてしまったあとでガノンが聖地に侵入してしまった後のようだ。
それは、リンクが子供時代に起こした出来事が未来に反映されているからだ。もし、リンクが子供時代に戻った時、ガノンが聖地へと踏み込む前であるなら、リンクが剣を抜かなければガノンがトライフォースに触れることもなく、必然的に未来は変わり、ゲームはそこで終わってしまう。聖地へ踏み込んだあとなので、リンクは未来でガノンドロフを倒さねばならなかった。
ガノンを封印した後、ゼルダもこういっている。「私はそのあやまちを正さねばなりません。マスターソードを眠りにつかせ、時の扉を閉ざすのです。今の私ならもとの時代に帰してあげられます」と、リンクから時のオカリナを受け取り、子供時代へ帰してあげる。
戻ってきたのはマスターソードを抜くよりももっと前、リンクとゼルダが始めて顔を合わせる時だ。そこでENDとなって語られていないが、リンクは「今、マスターソードを抜くのは危険だ」と教えたことだろう。
おそらくそれで未来も変わったんじゃないかと思わせる終わり方だった。なぜなら、これまでの法則で言うなら、リンクがマスターソードを抜くよりも前に戻ってきたのなら、ガノンが聖地に踏み込むという未来が消滅されるからだ。そのあと「神々のトライフォース」へと続いていくためには、マスターソードが扱える勇者が現れてはならない。続編の「ムジュラの仮面」ではハイラルから旅立っている。聖地への扉も開かれないことになるが、ガノンはどうやって聖地へ踏み込むことができたのだろう……。

風のタクト

主人公は?
プロロ島に住む少年。男の子が大きくなると緑の衣を着せて祝う風習がある。ハイラル王国を救ったという時の勇者と同じ格好だ。しかし、ハイラル王国がどうなったか知るものはない。いまはただ、広い海に島々が浮かんでいるだけだ。
赤獅子
1回目に魔獣島へ乗り込んだリンクを救ったしゃべる船。実はかつてのハイラル王の化身である。時の勇者によって封じられたはずのガノンが復活した時、王は勇者が現れるのを待つばかりだった。神は大洪水よってガノンとハイラル王国もろとも海へと沈めて封印した。
以来、ハイラル王はガノンの復活を警戒し、勇気を持つ勇者を探している。神はすべての人々を海へと沈めたのではなかった。島々の者たちは神によって選ばれたハイラルの者たちの末裔である。 ハイラル王は「この地、ハイラルにとらわれすぎていた」と語っているが、スタッフを代弁しているような言葉だと思った。
ゼルダ姫
6人の子分を従える海賊の長、テトラ。ゼルダの血を引く者だった。海の底にあるハイラル城にはゼルダと6人の男たちの肖像画が掛かっていた。これが7人の賢者なのか、それとも海賊たちの祖先なのか不明だ。
ガノンドロフ
彼の国は砂漠の中にあったという。神によって封じられたガノンは魔獣島に抜け穴を作り、復活を果たした。そこからガノン城へと通じている。そこは沈められたハイラル王国であり、リンクは初め、ハイラル城の結界を破ってカノン城へと続く洞窟へやってくる。
テトラの放つ光の矢を受け、リンクにとどめを刺され、石と化す。「我、種子を放てり……」という言葉はおそらく、ガノンの言葉であろう。
マスターソード
神によって海に沈められたハイラル城の地下に台座がある。地下への入り口は時の勇者の石像の下にある。マスターソードは魔物を封じていたので、リンクが抜いたことによって止まっていた時間が動き出したかのように魔物が復活した。
すでにガノンは剣に神の力を注ぎ込んでいた賢者2人を殺害しており、マスターソードは真の力を持っていなかった。殺されたのはゾーラ族の賢者とコキリ族の賢者で、それぞれ大地の賢者と風の賢者になっている。後継者は翼の生えたリト族のメドリと、大地の精霊デクの樹のもとにいるコログ族のマコレ。2人が賢者として目覚めるとマスターソードに力が宿る。
聖地とトライフォース
力のトライフォースはガノンの手にある。知恵のトライフォースのかけらはテトラが代々伝わるものとして持っていて、ハイラル王がもう一つのかけらを持っていて完成し、テトラに宿る。勇気のトライフォースは時の勇者がハイラルを去る時、8つの小片になってハイラルにちりぢりになったという。リンクはそれらを集めた。血を引く者と言うよりは、試練を果たした者であり、ハイラル王からは「風の勇者」だと言われた。
最後はその3つが1つとなった。ガノンの手に落ちる前にハイラル王がトライフォースに触れ、願いをかける。再びハイラルを海に沈め、テトラとリンクの未来に希望があるよう願った。テトラはハイラルになる大地がどこかにあるというが、王はだがそこはお前たちの国だといっている。ラストはテトラは海賊船に乗って、リンクは赤獅子に乗って同時にプロロ島を旅立っており、消息については不明だ。
神の塔
ディンの神珠、フロルの神珠、ネールの神珠を手に入れ、島の台座にそれぞれ置くと神の塔が出現する。太古の神によって創られた試練の塔で、乗り越えられた者は神に勇者として認められ、悪を滅ぼす力を持つことが許される。リト族に翼を授ける竜のヴァルー、テグの樹、水の精霊ジャブーが持っている。ちなみにジャブーが統治する島はすでにガノンによって廃墟と化している。
ゾーラ族の賢者も殺されているし、海に沈められただけあって、水への恨みは強いのか?

トワイライトプリンセス

主人公は?
ハイラル王国の隅にあるトアル村に住む青年。影の領域でも魂だけとならず、獣の姿になることから、勇者であったことがわかり、緑の衣をまとう勇者となる。光の精霊からは「身にまといし緑の衣はかつて神に選ばれしいにしえの勇者のもの」といわれ、勇者の亡霊からは「気高き獣の精神をそなえる。それは勇者の血族に受け継がれるもの」といわれている。
マスターソード
迷いの森の奥地にある朽ち果てた「時の神殿」の跡地にある台座に刺さっている。ゼルダ姫によれば、神が使わした勇者ならその剣を抜くことができ、リンクにかけられた邪悪な魔法を解くことができる。
剣を抜くにあたって集める物は何もない。
聖地とトライフォース
ガノンドロフ、ゼルダ姫、リンクの3人は神に選ばれし者で、手の甲にトライフォースの紋章があるが、詳しくは語られていない。ガノンドロフは聖地を探してハイラルにやってきたようだが、聖地が具体的にどこにあるのか、聖地に踏み込んだのか、それもよくわからない。 「時のオカリナ」の数百年後のハイラルといわれているので、ネタバレにならないようにあえて詳しいことを述べていないのかもしれないし、つじつまの合わないことが出てくるのを避けたのかもしれない。
ゼルダ姫
神に選ばれしハイラルの姫。影の世界の支配者ザントに攻め込まれ、最終的に「死か降伏か」を迫られ、後者を選ぶ。その結果ハイラル城付近は黄昏の黒雲が立ちこめ影の領域となり、生物は生きているのか死んでいるのか魂だけの存在となってしまった。
ザントはゼルダに交渉していることから、例によってハイラル王は暗殺されたのであろう。
ミドナ
影の結晶石に秘められた魔力を使った者たちは聖地ハイラルを追われ、神によって影の世界へと送られてしまった。ミドナはその一族の末裔。ミドナこそがトワイライトプリンセスであり、その世界はある程度の秩序は保たれていた。ミドナはザントによって影の世界から追い出され、リンクと共に旅をする。
もはや影の世界に行くにはザントの力がなければ行けない。だが、光と影を繋ぐのが陰りの鏡というのがあり、ハイラルを守る賢者に託された。ザントを倒すため影の世界へ行ってくれとリンクにお願いするが、鏡はザントによって4つに砕かれていた。
ガノンが倒れた後、ミドナの呪いは解け、元の姿に戻る。陰りの鏡はミドナによって粉々に砕かれ、光と影の道は完全に絶たれた。
ガノンドロフ
盗賊の首領。聖地求めてハイラルへとやってきたが、何をしでかしたのか6人の賢者たちによって砂漠の処刑場のてっぺんにある鏡の間で貼り付けにされる。水の紋章を持つ賢者が剣を突き刺すが、ガノンドロフもまた神に選ばれし者で、手の甲にトライフォースの紋章があった。ガノンは水の賢者を殺し、剣を抜き取る。しかし、その後残された5人の賢者によって剣もろとも陰りの鏡によってどこかへと封じ込まれた。影の世界を征服していないことから、ガノンは影の世界とは別の場所に封じ込まれたと思われる。
一緒に封じられた剣もどんな剣なのかはわからない。台座にマスターソードが存在するからそれとは別の剣であろう。それとももう一度作られたのか? そして、殺された賢者も後継者が未だいない状況。「風のタクト」ではマスターソードに祈りを捧げた賢者が殺され、真の力が発揮できないとあるが、ここではリンクが持つマスターソードには影響がないようだ。
封じされたガノンの憎悪や怨念が邪悪な魔力となって影の世界の住人ザントに移り、自分自身はいつの間にか光の世界へと復活を果たし、ゼルダを捉えてハイラル城に結界を張って閉じこもった。リンクに倒された時、「これが光と闇の歴史の始まりだと思え」と意味深な発言をしている。
最終的にトライフォースがどうなったかはわからない。
光の四精霊
ラトアーヌ、フィローネ、オルディン、ラネールという獣のような姿をした精霊が神の命を受けハイラルを守っている。かつて、黒き力、影の結晶の魔力を使って世界を治めようとする者がいた。精霊はその禁断の力を3つの場所に封じた。
時の神殿
時の神殿は森の聖域の奥地にあり、朽ち果てている。マスターソードはそこにある。再び訪れた時、剣を台座に差し込むと時空を旅し、朽ちる前の時の神殿へと行くことが出来る。その台座にもう一度剣を差し込むと階段が現れ、「時のオカリナ」ではなかった内部へ入ることが出来る。
そのほかのダンジョンと違って、扉を開いた時に埃が落ちてこないので、作られて間もない時代へとやってきたのか、もしくは人の出入りがあるということだ。
最上階にはコピーロッドを守る剣士がいて、最下部では陰りの鏡によってモンスター化した蜘蛛がいる。現在に戻ってくると、あまりに古い時代のコピーロッドなので、その力は失われてしまっていた。
天空人
ハイラル人よりもっと神に近い存在の天空人がいた。時の神殿には天空人の技術が詰まっており、コピーロッドも天空人が造ったものである。忘れられた里にはかつてハイラル王家に仕えていた一族の血を引く者がいる。天空の杖、すなわちコピーロッドを持った使者が現れるのを待っており、天空の古文書を渡す使命があった。どうやらシーカー族のインパの血を引く者らしいが、カカリコ村を離れてへんぴな場所にいる。
リンクはフクロウの形をした石像を動かして欠けた部分を入手し、古文書を解読。カカリコ村の教会地下で天空の都へと行ける大砲を見つける。
「時のオカリナ」では光の賢者ラウルのみがどこの一族の者なのかが明かされていなかったが、天空人の末裔かもしれない。
6人の賢者
神の命により陰りの鏡を守る者。「時のオカリナ」で使われていた賢者のメダルの模様と同じ模様が使われている。姿はみんな同じ仮面を付けた独特の風貌をしている。水の賢者がガノンのよって殺されたためか、ゾーラ一族は悲惨な状況だ。キングゾーラもすでに死んでおり、女王はザントによって殺され、後継者の王子は初めショックから立ち直れずに王になれなかった。

まとめ

制作者の話によれば、「風のタクト」と「トワイライトプリンセス」はパラレルワールドになっているという。
「時のオカリナ」でリンクがマスターソードを抜き、時の勇者となってガノンを封じたあとの話が「風のタクト」。リンクが幼少時代へ戻ってきてハイラルから旅立ち、おそらくはマスターソードを抜いていない続きの話が「トワイライトプリンセス」ということである。

 時のオカリナ< 風のタクト
トワイライトプリンセス → 神々のトライフォース → 初代ゼルダ → リンクの冒険

 とはいえ、「風のタクト」と「トワイライトプリンセス」は他の場所へ無理矢理挿入させることもできそうだ。


◇仮説1.

「トワプリ」では時の神殿が朽ち果てているので、時の神殿が現存している「時オカ」以降、ハイラルが小王国になってしまっている「初代」以前ということになる。
「時オカ」ではハイラル城下町に時の神殿があり、マスターソードの台座もそこにあるというわかりやすさだったが、聖地への扉を重く見たのか、「トワプリ」も「神トラ」も森の中にひっそりとあるので、時の流れとしてもつじつまが合う。

「時オカ」以降、ガノンは聖地への入り口を他の方法で見つけ、トライフォースを手にした。手にしないことにはガノンにトライフォースが宿ることもないし、聖地が闇の世界になることもないからだ。そしてガノンは賢者によって封じられる。
「トワプリ」と「神トラ」が入れ替わっても時代考証的には問題ないような気もする。「神トラ」の発生を考えると、封印戦争でガノンを封じたことにある。マスターソードを持った勇者は現れていないのだ。

いったんは平和がもたらされたが、今度は影の結晶石の魔力を使う者たちが現れ、再びガノンはトライフォースに触れることに成功したのではないか。そして6人の賢者によって陰りの鏡で封じられた……。それが「トワプリ」。
「神トラ」と「時オカ」では聖地に降り立った三神についての伝説があるが、「トワプリ」では三神の名の名残がある神獣が登場するだけ。それまでのシリーズで姿を見せていた大妖精もいない。だんだん伝説が薄れていっているようにも思える。
ただ、天空人の存在の発見は、まだ文明が発達していない古い時代のことのようでもある。


◇仮説2.

「風のタクト」がすべての始まりだとしたら。
「時のオカリナ」のところでも述べているが、時の勇者というのは、どのような方法でかはわからないが、「時オカ」以前にも現れていた可能性があるという点である。緑衣を身にまとった時の勇者が「時オカ」のリンクではないとしたら、「風のタクト」のあと、やっぱりハイラル王国は復興したのではないかということ。
トライフォースはハイラル王が触れたので、彼の意のままだ。その後、王自身、もしくは後継者によってハイラル王国を元に戻したか、別の場所に立国したことも考えられる。

そして時は経ち、女ばかりのゲルド民族の中から輪廻したガノンドロフが誕生し、世界征服のため、聖地を探し始める。
実はこの聖地というのは「立国」のことを伝説化したものではないか。
三神が降りたって世界を創造した――。
ハイラル王は3つのトライフォースを持っている。これを誰の手にも渡ることのないよう、厳重に管理した。それが時の神殿であり、カギとなるのが時のオカリナと3つの精霊石、そしてマスターソードを扱える勇者。
そうなれば、パラレルワールドは存在しなくなる。


◇仮説3.

最大の謎は初代ゼルダ姫が魔術師によって眠りにつかされたのはいつかということである。
シリーズのハイラル王女の名はすべてゼルダである。「リンクの冒険」において、ハイラル王国の姫がなぜみなゼルダと名付けられるのかが語られている。そうすると、初代ゼルダはシリーズ進行中、ずっとどこかで眠っていることになる。
しかし、封印されているはずの勇気のトライフォースは、通常リンクに宿っていることになっている。
ゼルダという名前を付けるのも慣習になっているのかもしれない。


結論はこうだ!!

1.「リンクの冒険」の設定より
ハイラル王国には神秘の力を持つ黄金の三角形トライフォースが代々伝えられていた。しかし、ある代のハイラル王は、その3つのトライフォースを継承する心正しき者を存命中に見つけることが出来なかった。
力と知恵のトライフォースは王国に残したが、勇気のトライフォースはそれを受け継ぐにふさわしい者が現れるまで封印することにした。どこに隠されているか知っているのはゼルダ姫のみとなった。
しかし、魔法使いが口を割らぬゼルダ姫に呪いをかけ、永遠の眠りにつかされてしまったのである。それ以降、王国の姫君にはゼルダという名を付けるようになった。

2.「初代ゼルダの伝説」の始まり
ハイラル王国はどんどん勢力を失い、地方の国家が独立していった。
トライフォースを受け継ぐハイラル地方の小王国がガノンに襲われた。力のトライフォースがガノンに奪われ、ゼルダ姫は知恵のトライフォースを8つの小片にして隠した。乳母インパは旅人リンクに助けを求める。リンクは知恵のトライフォースを集め、ガノンは倒された。

3.「リンクの冒険」の始まり
リンクの手の甲にトライフォースの紋章が浮かび上がり、勇気のトライフォースの継承者に選ばれた。己との戦いに打ち勝ち、それを手にし、永い眠りにつかされていた初代ゼルダ姫を目覚めさせる。これ以降もその小王国の王女にはゼルダと名付けることはやめなかった。

4.「風のタクト」のプロローグより
3つ集まったトライフォースであったが、時が流れ、悪しき者の手に渡って世界は荒れた。しかし、どこからともなく時の勇者が現れ、退魔の剣でもって悪しき者を倒す。勇者がその地を去る時、持っていた勇気のトライフォースは8つのかけらとなり、ハイラルの大地の方々へ散った。

(もしかしたらこれは「初代ゼルダ」「リンクの冒険」を指しているかもしれない。「初代ゼルダに登場するリンクはどこからともなくやってきた旅人であり、緑の服を身にまとっていた。
その時使っていた剣は王国に保管され、賢者によって鍛え上げられ、マスターソードになったのかもしれない。マスターソードは封印戦争の時に神のお告げによって賢者が造ったとされるが、実際には「時のオカリナ」ではすでに存在しているから、つじつまの合わない部分がどうしても存在する。
そして「風のタクト」でこのエピソードが語られる時、初代ゼルダの音楽が使われている)

5.引き続き「風のタクト」の設定より
再び悪しき者が復活するが、ハイラル王はただ祈るばかり。神はハイラルを沈め、選ばれし者だけを島々に残した。
ハイラル城の地下にあるマスターソードは時を封じたかのように魔物も封じた。しかし、ガノンはマスターソードに力を注入していた2人の賢者を殺してしまっていた。

6.「風のタクト」の始まり
神によって封じられたはずのガノンがまた復活する。赤獅子の姿になったハイラル王は勇気を持った若者を見つけ、正しい道へ導く。リンクはマスターソードを抜き、殺された2人の賢者の後継者は賢者として目覚め、勇気のトライフォースも完成させた。ガノンはリンクとゼルダ姫の生まれ変わりであるテトラによって倒された。しかし、「我、種子を放てり」という意味深な言葉を残した。
力、知恵、勇気のトライフォースは共鳴し、1つとなって完全な形になった。それにはハイラル王が触れ、再びハイラルを海に沈め、リンクとテトラの未来を願った。

(終盤テトラはガノンにつかまり、眠りにつかされていた。このときテトラが見ていた夢が「夢を見る島」だったのではないか。このゲームは魚が見ている夢という設定で、夢から覚めたら主人公が元の世界へ戻ることが出来るが、夢の世界の住人が消滅してしまうというものだった。
目を覚ませるために楽器を集めて演奏するのがゲームの目的だ。案内人としてフクロウが登場している。一方「風のタクト」で出てくる風のタクトと呼ばれる指揮棒は、本来ハイラル王が指揮をとり、賢者が楽器を演奏して神を呼び出すためのものであった。目覚めた2人の賢者も楽器を演奏してマスターソードに力を取り戻させている)

7.新たな伝説の始まり。(持論)
いったんは海に沈んだハイラルだったが、トライフォースの継承者により、ハイラルは復興した。しかし、トライフォースを巡っての争いが激しいものとなっていた。ハイラル王家の内部から、周りの各部族まで。
ハイラル王は事態を収拾するため、神に願った。時の神殿にトライフォースを封じたのだ。そこは時が錯綜する異次元の空間であり、交流のあった天空人の技術も借りた。その扉を開くカギとなるのが時のオカリナであり、3つの精霊石だ。それぞれをハイラル王家、ゾーラ族、ゴロン族、森の守り神デクの樹で守ることにした。誰もがトライフォースを手にして悪用されることがないようにだ。
そして、最後のカギはマスターソードを扱える勇者であった。
こうしてトライフォースは厳重に保管され、醜い争いによって失われた魂は、シーカー族によって鎮静された。ハイラル家を含め、これら6部族からはのちに賢者が誕生することになる。
いつしかそれは伝説として語られるようになっていく。三神ディン、フロル、ネールがハイラルに降り立ち、世界を創造し、力、知恵、勇気のトライフォースを聖地に残していったと。
ハイラル王家の者でさえ勇者がマスターソードを扱える年齢を忘れていった。

8.「時のオカリナ」の始まり。
「風のタクト」で倒されたガノンの生まれ変わりか、ゲルド族から100年に一度といわれる男子が誕生した。ガノンドロフだ。ガノンがトライフォースを手にする前に、勇者がトライフォースを手にしてガノンを倒そうと考えたゼルダ姫であったが、リンクは幼すぎた。マスターソードによってリンクの魂は封じられた。
その隙に、開いた扉からガノンが侵入し、先に手にしてしまう。トライフォースは力、知恵、勇気の3つのバランスが保たれてない者が触れると3つに分かれ、それぞれ神に選ばれし者に宿る。
マスターソードが扱える大人になるまで7年眠りにつかされたリンクだったが、7賢者の力を借り、ガノンを封じることが出来た。リンクは大人になったゼルダ姫によって元の時代へと帰される。
リンクはその後、マスターソードを手に取ることなくハイラルを旅立ち、未来は変えられた。

9.封印戦争
それからほどなくガノンドロフはハイラルに攻め入り、王を殺害。ゼルダ姫は命からがらインパと逃げる。ガノンは時の神殿のマスターソードを抜くことは出来ない。しかし、ガノンは聖地への入り口を他の場所に見つけた。もしかしたらこのときに影の結晶の魔力を使っていたのかもしれない。
ゼルダは6人の賢者を目覚めさせ、騎士団と共に戦い、どうにかガノンを封じることに成功した。 マスターソードを扱える勇者はとうとう現れなかった。それは、未来の出来事をリンクから聞かされた、ゼルダの決意であった。
6人の賢者たちは神に近い存在の魂となり、魂の神殿にてハイラルを見守った。

10.「神々のトライフォース」の始まり。
時は経ち、封じられたガノンは闇の世界から光の世界にいる司祭アグニムを操って復活をもくろんでいた。ゼルダを含む7人の賢者の末裔によってガノンの封印が解けてしまうのだ。
リンクはマスターソードを手にし、ガノンを倒してトライフォースの精と対面する。リンクはマスターソードを迷いの森の台座に戻し、この剣が二度と使われることがないよう願った。
だが、リンクは「勇気」の精神が強く、実はトライフォースは3つに分断され、それぞれ神に選ばれし者に宿ってしまったのかもしれない。

11.悪夢再び。
しぶとくもガノンドロフは復活した。いつしか魂の神殿は砂漠の処刑場と呼ばれるようになり、ガノンは6人の賢者によって鏡の間から陰りの鏡によって封じられるが、水の賢者が殺されてしまった。ガノンにトライフォースが宿っているとは知らず、油断したのだ。
そして、影の結晶の魔力を使って征服をもくろんでいた者たちを影の世界へと追いやった。影の結晶石は神が使わした光の精霊によって封じられた。

12.「トワイライトプリンセス」の始まり。
時は経ち、砂漠の処刑場への道も絶たれた頃、影の世界の住人ザントはガノンにそそのかされ、巨大な憎しみを持って悪の化身となった。影の世界の姫、ミドナを追いやる。
光の世界は影の領域に犯されていく。リンクは光を取り戻し、ザントを倒した。ガノンはハイラル城に結界を張ってゼルダを幽閉した。
リンクはガノンを倒して平和を取り戻す。ミドナは影の世界へと帰る際、唯一の通り道であった陰りの鏡を粉々にしてしまった。彼女はハイラルの影として生きていくことを決断したのだった。
かつての勇者がそうであったように、リンクはハイラルから旅立った。勇気のトライフォースを持つ者は、2つのトライフォースから遠ざかるようにして去っていった。そうすることが使命であるかのように……。


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