■□推理ゲーム□■
カセットに「本格サスペンスアドベンチャーゲーム」と書いてあるように、本作はアドベンチャーゲームの元祖的存在。基本的にはコマンド選択方式の謎解きゲームをアドベンチャーをいうが、最近ではアクション要素の強い謎解きゲームや、サウンドノベルなどがある。
シナリオを書いた堀井雄二氏はパソコンゲームで地盤を築いていたものの、ファミコンでどう再現するかに頭を悩ませたそうだ。
パソコンではキーボード入力するところを、ファミコンではコマンドを選択するという方式をとったわけだ。場所移動、聞く、見せろ、調べろなど、14の項目があり、さらに1つの項目が細分化して、たとえば「人調べろ」だったら、職業、経歴、アリバイの項目を選ぶ。
■□どんなゲーム?□■
サウンドはほとんどないが、電源を入れるとまずパトカーのサイレンの音が鳴るのが特徴的。プレイヤーは刑事となって情報を入手し、誰が犯人なのかを推理し、逮捕するゲーム。
相棒は「まのやすひこ」通称ヤスで、プレイヤーのことをボスと呼ぶ。神戸を中心に、京都や淡路島などにも足を伸ばす。
殺しはローン会社社長宅で起こった。社長は首をナイフで刺され、部屋のドアノブには内側から鍵が差し込まれたままの密室であった。捜査本部に参考人を呼び、話を聞いていく。
調べるコマンドでは虫眼鏡で画面の好きなところを詳しく調べられる。叩くでは、カーソールを人にあてると、口を割らない参考人を脅すこともできる。
何かとるでは、写真を撮ったり、服を取ってなにかを隠し持ってないか調べる。
電話をかけることもできて、店の所在地を訪ねたり、短縮番号へかけたり、番号によってはいろんな人につながったりと、なかなか細かい。グラフィックは笑っちゃうくらいにしょぼいが、この完成度はさすが。
ただ、パスワードもないので、クリアするのは骨が折れたもんだ。答えを知っている今となってはスムーズに進んでいくのだけどね。
■□犯人は……おまえだ!□■
「すいりする」「たいほする」というコマンドがあるように、プレイヤーは犯人がわかったところで追いつめることができる。そしてもうひとつ、あるコマンドも犯人を追いつめることとなるが、いやー、よくできてます。おそらくは終盤ではすっかり忘れられているコマンドです。
真犯人は意外な人物であるが、ポートピアという言葉を知っている人なら、やったことがなくてもなぜか犯人を知っていたりする、それくらいに有名。今更伏せ字にすることもないと思うが、携帯電話でダウンロードをやっているようなので、口はつぐんでおきます。
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