■□ネタバレ注意!□■
まずはファイナルファンタジー1のラストについて触れておく必要があるでしょう。真の支配者は誰なのか。まだ未プレイで知りたくない人はこのページは閲覧しないよう、お願いします。
そして、FFと比較するゲーム「ウルティマ」のネタバレもありますので、そちらも詳細を知りたくない人は読まないでください。
■□タイムパラドックス□■
さて、ラストボスについての話をしましょう。
プレイヤーが倒すべく悪の支配者は何と過去にいた。彼の名はガーランド。そう、一番最初に光の四戦士たち(プレイヤー)が倒した男だ。彼は死んでいなかった。クリスタルの力によって2000年過去へとタイムワープしていたのだ。
彼は過去へと飛ばされたとき、2000年後の自分がまたタイムワープできるように、4体のカオスを現代に送り込んだ。4つのクリスタルの力をカオス神殿に集めるよう2000年過去から4体のカオスを操っていたので、クリスタルに輝きがなくなり、この世界の平和が失われてしまっていたのだった。
と、そこで、タイムトラベルにはつきもののタイムパラドックスが発生する。
一番初めに彼を過去へとワープさせたのは誰かということだ。クリスタルの力を集結させている4体のカオスは2000年過去にいるガーランドによって操られているのだから、彼はまず過去へとワープしないことには、光の四戦士に打ち負かされたときに、クリスタルの力によって過去へ行くことが出来ない。
2000年過去へワープしたガーランドが先か、2000年過去から4体のカオスを現代に送り込んだガーランドが先か……これは謎である。
■□カオス神殿の秘密□■
光の四戦士たちがゲームの最初で現在のガーランドを倒した場所がカオス神殿だ。現在のカオス神殿は朽ち果てて、1階部分しか入ることができない。その中央には4つのクリスタルの力を集め、ガーランドを過去へワープさせたと思われる黒水晶が置かれているだけだ。
そもそもこのカオス神殿は誰が何の目的で作ったのか。そして、どうして神殿は滅んでしまったのか。
わかっているのは2000年前にはガーランドがすでに棲みついていたということ。彼は過去から4体のカオスを操り、クリスタルの力を得ていた。己が命を落とす寸前、その力で過去へとワープさせる。そしてまた未来の自分が殺される前に自分の体を過去へとワープさせる。この2000年のサイクルはずっと断ち切れることなく続いていたという。
おや、ここでまたパラドックスだ。
カオス神殿にて誰かがガーランドを倒さないことには、ガーランドは2000年過去へワープすることはないはずだ。何しろ、現代のガーランドには記憶がなく、自分が真の支配者であることを知らず、ただ、王女のセーラに恋をして彼女を誘拐してカオス神殿に立てこもったに過ぎないから、光の戦士が現れなければきっとこのままセーラと共に暮らして死ぬことはなかっただろう。
光の四戦士が現れ、ガーランドを倒すからこそ、ガーランドは2000年過去へワープし、4体のカオスを現代に送り込むのだ。光の四戦士が現れてこそ、この2000年のサイクルが生じるのだ。
つまり、今までに現れた光の四戦士は現代のガーランドは倒せたが、過去のガーランドを倒すことは出来なかったことになる。少なくとも、今まではそうだった。
まぁ、都合よく考えれば、光の四戦士ではなく、他の誰かが現代のガーランドを倒すことまでは出来たということなのだろう。
■□家宝のリュート□■
コーネリアの王女に代々伝わってきたというリュート。
リュートはコーネリアの王女セーラが光の四戦士に託した笛で、はじめは何に使うのかまったくわからない。
あとになって明かされるが、これを吹くと過去のカオス神殿の封印された地下へと侵入でき、その奥にいるガーランドの元へ行くことができるのだ。
なぜこのようなものを王女が?
例によって勝手に推測しよう。
繰り返しになるが、2000年前にはガーランドがすでに棲みついていた。カオス神殿はコーネリア城の目と鼻の先。魔物が棲みついているという噂がたち、王の勅令でカオス神殿がリュートによって封印されたのだとしたら。
その後、2000年もの間、王女に代々伝えられ、現物こそ残ったが、それにまつわる逸話が忘れ去られてしまったとすれば、現代の王女セーラがその笛を持っていたとしてもおかしくはない。
もしかしたらリュートについては、攻略本やリメイク作品で述べられているのかもしれない。まぁ、いつか手に入れて探ってみたい。
■□光の四戦士って?□■
光の戦士はどこからともなくコーネリアの地を訪れている。
終盤になって明らかにされるのは「そなたたちは記憶を失っているが、そなたたちのいた世界が真の姿」ということ。
「そなたたちのいた世界」とはパラレルワールドのことだろうか。並行して存在するもうひとつの世界。全く同じ地形で、同じ人物がいるが、そちらは平和な世界で、光の戦士はそこから送られてきたのだろうか。
いやいや、それは違うだろう。こちらの世界にも光の四戦士がいなくてはいけなくなる。
うーむ、謎だ。
■□ウルティマ□■
前置きが長くなってしまったが、未プレイでもだいたいのことはわかってもらえたと思う。
そこで「ウルティマ」というゲームを紹介したい。
元はパソコンだったこのシリーズはファミコンにも移植されているが、もちろんファイナルファンタジーやドラゴンクエスト以前の作品である。
悪に染まってしまった魔法使いが、ルビーの宝玉を用いて世界を封じ込め、暗黒の世へと変えた。彼は誰にも邪魔されぬよう1000年過去からこの世界を支配していた。
国王はその魔法使いを倒したいと思い、ペンダントを握りしめると地球から一人の男が現れた。のちに伝説となる男だ。彼は悪の支配者を倒すべく、冒険を続け、タイムマシンを手に入れて討伐に向かう。
突然現れた救世主。過去から支配するラストボス。過去へと向かうプレイヤー。使い方次第で悪にもなるルビーの宝玉とクリスタル。
似ているといったら似ているし、そうでないといったらそうでない。
ただ、過去から現在の世界を支配するという発想が、私にとっては斬新だったからそうかんじたのかもしれない。SFの世界ではよくある話しなのだろうか……?
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