Wiiウェア王だぁ!!

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(2009年6月2日発売 ポイソフト)

★王様采配シミュレーション

■□王様になって魔王を倒す!□■
 ゲームの目的は一国の王となって世界を荒らす魔王を倒すこと。しかし、王様自身は玉座に座ったまま直接出向かず、部下や勇者に命じて目的を達成させる。

 シナリオは4つ。伝説の武器を勇者に持たせて魔王を倒す。ほとんど魔王の国となってしまった状態からのスタート。勇者が8人しかいない世界。そして何をするのも自由なシナリオがある。が、勇者に魔王を倒させなくても自分の軍で魔王を倒してもクリアとなる。
 平和になるのはいいことなのだけど、自分が指示していない勇者が勝手に魔王を倒してしまってはゲームの目的達成とはならない。自分の本拠地を固めつつ、とにかく魔王を倒す。

 王様はキャラメイクできる。種族を人間、エルフ、ドワーフから選ぶ。種族によって王宮の見た目も変わる。
 マップにはいくつかの国があるので、その中から自分の本拠地となる場所を選ぶ(シナリオによっては選べない)。国の規模や支配エリアの数の違いがあるし、場所によって他のエリアへ攻めやすい場所もある。それぞれの国が支配しているエリアは色分けされており、色のないところはどこにも属していないので誰か部下を出向させるだけで自分の国のものとなる。

 国が大きくなると収入が増え、城を大きくしたり、勇者にいろんな頼み事をしたりできるので、魔王を倒す時を見計らう。

■□指揮をとる□■
 王宮画面にて部下に細かく指示を与える。そうしたあと「次の週へ」を選ぶと進行フェーズとなって、王様が指示したことを部下が行動し、その結果がどうなったか1週間の出来事を自動で進行していく。そのあいだに勇者が町で活躍していたり、魔王がどこかへ攻め込んでいたりと、自分の部下以外の人々も動いているのでそれぞれ合わせて1週間の出来事を報告するような形となる。

 部下は一番小さな城の規模で10人おり、内務省、外務省、諜報部、軍部、直属の部下の5セクションに自由に振り分けできる。城の規模が大きくなれば登用できる人材枠も増え、自国のエリアから人材をスカウトできる。
 部下にはボーナスやアイテムなどをあげて忠誠心をあげることができる。持っている武器などを取り上げることもできて、不満が募れば自らやめていく部下も出てくる。月末になると給料を支払わなければならないので、役に立たないヤツなら解雇すればいい。

 王様直属以外の部署にはそれぞれパラメーターで特に注力して欲しいことを指定しておくことができて、特に何も指示をしなくても部署の大臣がそれなりに命令を出して動いてくれる。
 たとえば、諜報部ではスパイ行為や暗殺などをするので、他国に対してマイナスなことをやって欲しくないときは、謀略活動を軽視するように設定しておく。暗殺に失敗するとその国の捕虜となり、最悪処刑されてしまうので部下を失うことになるのだ。

 パラメーターの他にも優先的にやって欲しいことをそれぞれの部署に指定しておける。でもそれらは各部署の大臣が指揮をとるので大臣の能力によっても結果に違いが出てくるらしい。……らしいってのは、実感としてよくわからないから。

■□部署の機能□■
 内務省ではエリア内の発展を手がける。商業や農業を発展させると税収が増える。学問や魔法の研究所を建てると優秀な人材が生まれてくる。道具屋や教会を建てると勇者がよく立ち寄るようになり、カジノやダンスホールはエリアの魅力をアップさせて人口を増やす。
 王様が内務省に直接指示はしないが、人材のスカウトもやっている。

 外務省は他国との外交を担当する。同盟を結んだり、援助金を送ったり、はたまた宣戦布告をしたり。
 諜報部では国内外の情報収集や、懐柔、扇動、破壊工作など他国を陥れるための工作をする。情報収集ではアイテムを見つけてくることがあって、国の倉庫に収められる。倉庫にあるものは王様が自由に売ったり、褒美としてあげたりできる。
 軍部は兵士を集めて他国へ攻め入ったり、自国を防衛したりする。兵士は自国から集められるので、人口の多いエリアで招集をかけた方がいいのかな? ちょっとまだ調査不足です。

 直属の部下にはこれらのことがなんでも1人1人に指示できるので、慣れてきたらこちらの方が思い通りに動いてくれるのでよい。
 施設の建設も指定したものを立ててくれるし、他国へ使者をやったときも他国の王にどんな要求をするか、援助金はいくらあげるか細かく指定できる。また、魔王のところへも使者を送れて、他国を攻撃して欲しいなどの要求もいえる。

■□勇者を呼びつける□■
 勇者といっても、この世界にはかなりの数がいて、国が把握している勇者のリストを見ることができる。今、勇者はどこにいて何をやっているのか、レベルはどのくらいで、何を所持しているのか、詳細な情報をキャッチしていないこともあるが、だいたいレベルが高いものから順番にリストアップされている。
 勇者を呼んだらダンジョンを探索させたり、エリアを調査してもらったり、エリア内の問題を解決してもらったりできる。それにはアイテムかお金の前払いが必要。
 ときには勇者が勝手に問題を解決させて王の元へ報告に来ることもある。

 国の倉庫に盗みに入ってくるのは勇者なので、場合によっては部下にとらえてくるよう指示もできる。所持品を全部奪い、あとは解放するなり処刑するなり、王様の自由に。

■□感想□■
 簡単そうなインターフェイスだが、実は本格的なシミュレーションゲーム。部下や勇者にはそれぞれに詳しいパラメーターやスキルがあって、適所に配置した方が能率は良くなる。
 だけど、結果を数値として報告するわけではないので、どうなのかがよくわからない。たとえば、農業を発展させたら完了時にどれだけアップしたか報告してくれると、農業に長けた人材にやらせてよかったなとわかりやすくていいと思う。
 勇者にダンジョン探索をお願いしたときもそう。何を手に入れて経験値はどれだけ稼いだかとか、意味があったことなのか結果がよくわからない。ただ、シミュレーションは面倒で難しいイメージなのでこういう感じがちょうどいいのかもしれない。

 4つのシナリオがあるけれども、初期状態が違うだけで進行はほぼ自由な感じ。エリアを広げるために自軍を送り込んでもいいし、勇者に頼んで魔王の領地を開放させるのもよし。魔王と協力関係にありながら裏切ってもいい。
 クリアまでがさほど長いものではないので、いろんなパターンで初めらかプレイし直せるのがいいところだとおもう。
 RPGでも6人の主人公がいて、それぞれ違うストーリーが……なんてのもあるけれど、エンディングまでが長いと1人やってもう充分ということもあるし、シナリオもさほど変わるわけではないというのもあるが、こういうパズルタイプでもなく、ストーリーらしいストーリーがないシミュレーションゲームなら繰り返し遊べてよい。

 あとはなんといっても懐かしのRPGを模倣しているようなパロディ感。パロディというか、そのものだね。勇者がタンスをあさっていたり、希少なアイテムを持っているモンスターを勇者が狩り荒らしていたり、ダンジョンに魔物が復活しました!とか、魔王の呪いで勇者が犬になってたり。
 町でもアイテムを開発していたり、船舶完成で商業活性化とか、古代文字の解読で学問レベルアップとか、起こるイベントも細かい。

 自分はシミュレーションゲームをやらないので、はじめはなにをどうしていいのかわからなかったけど、やっているうちになんとかなるものだ。取っ付きやすさはあると思う。



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