Wiiウェアきみとぼくと立体。

 
(2009年3月26日発売 任天堂)

★アクションパズル

■□シンプル□■
 DSiウェアで展開中のパズルゲーム「Art Style」シリーズのようなシンプルな画面と操作。その流れから制作されたかと思いきや、「Dの食卓」「エネミー・ゼロ」などを手がけた飯野賢治氏が携わった作品で、家庭用ゲーム機では約9年ぶりの発売となったそうだ。

 浮遊している立体の上に「ニンゲ」というキャラクターを乗せていくゲームで、ニンゲの重みで立体が傾くのでバランスよく乗せるのがキモ。
 リモコンを2回振るとリモコンの中にニンゲが1組(2人)誕生するので、ポインターで2カ所ニンゲを投げ入れる場所を決める。リモコンを画面に向かって振るとニンゲがリモコンから飛び出して画面に投げ入れられる。
 決められた時間内に決められた数以上のニンゲが立体の上に残っていたらクリアとなる。

 ニンゲというのは単なる「駒」ではなく、立体の上に舞い降りると思い思いの行動を取る。せっかくバランスが保たれているのに歩き出すものだから立体が傾いてしまうのだ。

■□ルール□■
 ステージは立体1個、「CUBE1」から始まり、まずはその立体の上に規定時間内で規定のニンゲを乗せる。ノルマを達成するとそこへ立体が1つ重なり合うように増えていく。立体は6つまで増え、CUBE1〜CUBE6を達成すれば1ステージクリアとなる。
 また、ニンゲが1人落ちるたびに5秒タイムが減ってしまい、時間内に達成しなければアウトとなる。

 ニンゲを乗せることが出来るのは立体の上の面だけ。上の面が画面の向こう側に傾いているときにニンゲを投入してしまうと、ニンゲはうまく乗ることが出来ず、立体に体当たりしてそのまま落下してしまう。Bボタンを押すと立体の向きが変わるので、きちんとニンゲが上の面に乗っかるようにしないといけない。

 どんどん立体が増えていくが、すべての立体に1人以上ニンゲを乗せなくてはならない。乗っていない立体の面は赤く表示されるのでわかりやすくなっている。
 規定の数以上のニンゲを立体の上に立たせることが出来たらジャッジタイムとなる。そのあいだはニンゲを生み出せない。3秒ニンゲが立体から滑り落ちず耐えられたらクリア。

■□ニンゲを多く残す□■
 1ステージはCUBE1からCUBE6まであるが、最終的なスコアは残っていたニンゲの数で決まる。
 CUBE1をクリアして次のCUBEへ移行するとき、ニンゲが倒れていたりふらついていたりすると立体からふるい落とされてしまう。これはCUBEクリア後に起こることなのでクリア自体にはなんの影響もない。安定して立っているニンゲはその場に体育座りをする。
 CUBE6をクリアしたとき、体育座りのニンゲがカウントされてスコアとなる。CUBE6に関してはふらついていても乗っていれば全員がカウントされる。

 ニンゲを生み出す数は規制されていないので、1つの立体にニンゲを乗せずにわざとクリアせず、必要以上に他の立体にニンゲを乗せてスコアを伸ばすなんてことも可能。
 ただ、レベルが上がるにつれ時間的にも余裕がなくなってくるので、目標スコアまで到達するのは至難の業。

■□ニンゲの行動□■
 ニンゲはしばらくすると勝手に歩き出すのだが、立体から落ちていくのは不本意らしく、床にはいつくばったり立体にぶら下がってどうにか耐えようとする。
 それを見た他のニンゲが助けに行くとこもあったり、ニンゲが吹き出しでなにかをしゃべることもあるが、こっちはそれどころじゃないので、あまり観察できない。だけど「キャー」といいながら奈落の底へと落ちていく姿を見ているのはなんだか申し訳ない気持ちに。

 立体にニンゲを投げ入れたとき、バランスよく乗せると「ナイスプレイ!」となって「つよいニンゲ」となる。つよいニンゲは他の時よりその場に長く立ち続け、傾きにも強いという習性がある。
 連続でナイスプレイになると表面が緑色に光り、しばらくはどこへニンゲを投入しても立体のバランスが保たれたままとなる。

■□ギミックとおじゃまニンゲ□■
 たまにニンゲを生み出すとき、シロニンゲが生まれてしまうことがある。シロニンゲは普通のニンゲを突き飛ばしたりする悪さをしでかす。
 普段は透明だが悪さをしたあとは白く光るので、ニンゲをリモコンに生み出し、シロニンゲをポイントして投げ入れればやっつけることが出来、そのニンゲはつよいニンゲとなりタイムも10秒増える。
 シロニンゲは傾きにも強いので、CUBEをクリアしたあとも振り落とされずに次のCUBEでも邪魔をしに来る。ステージクリア時にはニンゲ1人としてスコアに加算されるので、放っておくのもあり。

 立体自体にも仕掛けがあって、上にニンゲが乗ると凍り付いてしまう立体や、上に乗ると跳ねとばされてしまう立体、数字の数しかニンゲを乗せられない立体などがあり、意外と多彩。そしてそれがやっかいで、ステージに変化をもたらしている。
 だけど、ミッションが1つのパターンしかないので、リモコンに複数のニンゲを生んで一気に投げ入れナイスプレイを目指すとか、いろんなパターンでの遊び方が出来たらもっとよかったかな。

■□感想□■
 全体として、そんなにパズル要素の強いものではないが、立体が不規則に重なっているのでどこに重心があるのか見極めは難しい。ゆえに難しい場面で「ナイスプレイ」になったときは気持ちがいい。
 レベルが上がるとギミックも増え、時間も短くなり、正直時間との勝負に追われてしまい、もう少し考える要素があってもよかった。
 いかにニンゲを落とさずタイムを減らせずに済むか。わりとシロニンゲをやっつけることで助かったりもしている。
 振る動作と投げる動作を挟んでいるので、連続でポンポン投げ入れることが出来ず、それがほどよく足かせになっているようだ。
 ロジカルなパズルゲームが苦手な人にもおすすめだが、素早い動作も求められる。

 最初からレベル6まで出来るようになっているが、全クリアしたらどうなるのだろうとやってみたらおまけの裏モードが用意されていた。
 まぁともかく、全部クリアして値段相応の価値があるとわかった。
 リモコンが2つあれば2人で同時プレイもできる。ひとりでやるよりもバランスが難しそうだが、ジェンガのような、実際のおもちゃで遊んでいるような楽しさがありそうだ。



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