月夜。 以下、設定の短文があります 月を見上げると、なぜかあたしは殺生丸さまを思い浮かべる。 お月様の光って野原や川を、いつも静かに照らしてるでしょ。 そうしてふと見上げると、夜空のどこかに「なんでもない」みたいな顔をして、綺麗な月の姿が必ずあるんだ。 気付かないけれど、いつもそばにいて見守ってくれる。 なんだかちょっぴり殺生丸さまに似てる気がするんだ。 だから、お留守番で寂しかった時にはよく月を見てたの。 ………………… 野に一陣の風が吹いたかと思うと、静かな声音が響いた。 「りん、こんな所で何をしている」 振り返れば、心に描いた彼のひとの姿。 「もうすぐお帰りになると思って待ってたの」 「こんな夜更けに待つには及ばん」 いつものぶっきらぼう。 ほらやっぱりね、無口だけど優しいお月様みたい。 2007.08.31 |