「毛100%」









化け犬兄上とりんちゃん。
以下、昔話的な小話があります。 宜しければどうぞ。


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 昔々。じい様の、そのまたじい様の話じゃ。
 それは、夜の山道を歩いておった時の事。小さな娘がひとりでとぼとぼと歩いておったんだと。きっと、親と茸でも取りに来てはぐれたに違いねぇ。かわいそうに思ったじい様は、「おおーい、おーい」と呼ばわった。すると、その娘は驚いたような顔をして振り返ったが、とたんに大きな大きな白犬が空から降りてきた。化け犬じゃ。目は爛々と血のように赤く、口は大きく裂けておったそうじゃ。おっかないのう。じい様は腰を抜かしたが、娘が食われると思うて鉈やら背負い籠やら、化け犬に投げつけた。けども、化け犬の奴め、びくともせん。
 もう終いじゃ!
 じい様は観念した。
 ところがじゃ。なんと娘は化け犬に近づいたかと思うと、じい様に向かって何か言って、にっこり笑ったそうじゃよ。おそろしい事じゃ、きっとその娘も「妖(あやかし)」じゃったのじゃ。人間の姿をしておったから、じい様も娘が妖だとは気付かなんだ。
 そうしてじい様が見ているとな、娘の妖と化け犬は一緒に空へと飛んでいったそうじゃ。空には、大きな月が出ていたそうな。今でも、月夜の晩には大きな白犬と、娘の姿をした妖が現れると言うぞ。月夜の晩に山を歩いてはならんとは、こういうわけなのじゃ。

<終>


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化け犬兄上と一緒にいたら、りんちゃんも妖怪だと思われちゃったりして!?なんていう妄想でした。兄上はそう簡単に化け犬姿にならないだろうとか、りんちゃんはまだ化け犬姿の兄上は見ていないだろうとか、その辺も民話的変容(!?)という事で大目に見て下さりませー。そして化け犬の小ささもぜひスルーの方向で(笑)



2005.10.25



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