「りんや、どうしたのかえ?」「おっかぁ、おなか減ったよ」






まるで、おっかあと幼子な殺りんです。画面右下は「ヤマトナデシコ」というお花です。花言葉は「純粋な愛、無邪気、貞節、大胆」。撫子はグリム童話にも出てくるそうで、なんでも、人を何にでも変えられる力をもった王子が、命をかけて自分を救ってくれた少女を撫子に変えてポケットに入れて城に連れ帰り、元の姿に戻して結婚した、とかいうオイシイお話らしいです。(笑) 頼んますよ、殺生丸王子!

以下、おまけ短文。







<りん>
お昼寝から目をさましたあたしは、ぼんやりしてて、思わず殺生丸さまの髪を掴んでしまった。あれ…っ?
「せっしょうまるさま、微笑ってた……?」
「……微笑ってなどいない。」


<殺生丸>
幼子は、今度はこの己の頬にそっと手を伸ばしてきた。子供というものは、時として思いもよらぬ事をする。何の畏れもしらぬ眼差しで、真っ直ぐにこの己を見る。変わった人間だ、この童、りん。


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あの時、その頬に触れてみたくなったけれど、それをしちゃいけない気がして、手が止まった。あたしとは違う、綺麗な目、綺麗な髪。空に浮かぶ月のようにあたしには手が届かないけれど、いつもそこにあった、金の瞳。

そう、側には撫子の花が笑うように咲いていたっけ。今でも想い出す、紅葉が燃えるように赤く色づいた秋の日の事……。





2004.12.09



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