渡りきったら、川上の右に、小さな池がある。


「今日も、突然行って、カモの夫婦を驚かせてやろう!」

そっと! だけど、早く!
あせる気持ちで、地に足がつかない!


その池の真ん中には、すごく小さな島がある。
それは、蓬莱島みたなものサ。




「アハハッ、ほらっ、その島の向こうを、あわてて、カモが飛び立ったゾ!」

「冬だったら・・・池の氷の上を走って行って、飛び立つ前に、驚かせられたのにナ〜。」

今度は、白樺の回廊を横切り、人間達がバーベキューをする所に大急ぎで行く。

「ドル」
「ドル」
「ゆり」  


ここは、人間だけでなく、キタキツネや野ウサギやトンビやセキレイや・・・、
何かしら小動物のにおいがする。


「昨夜の訪問者は?フンフン・・・!」
僕達の鼻は、過去の事だってわかるんだ。


「ドル」