名は「もどき」


それは「さくら」母さん3歳の、誕生プレゼントの、ぬいぐるみの名前である。

そもそも、「もどき」を作ろうと思ったのは、「さくら」が生まれて初めての冬にさかのぼる。
ここ十勝は言うまでもなく寒い。
市販のセーターは、大概おなかが開いている。
そこで、おなかを包むセーターを編もうと決めた。
足も4本とも入って・・・しかし、どこにも型紙が無いのだ。
それで、編んでは棒針がついたまま「さくら」に着せて、編んでは着せて、ほどいては着せ・・・チクチク痛いのに、何度も着脱させたもので、セーターができた頃はすっかり嫌いになってしまった。

「そうだ!等身大のボディーがあればいいんだ!」発想はグー!
運よく(?)バンビのぬいぐるみの型紙があった。
しかし生地が無い。
それでもなんとか入手した毛足の長短2種のボアは、白。
「茶に染めよう!」 我が信念は、無敵に思えた。
が、染めあがると、化繊のためか黄色とグレー。
それでも、遂行。

しかも、できてみると、どこで計算間違いしたのか、とんでもないおデブに。
それに頭がデカいし、自力で立たない。
「ま、とりあえずは、かわいいからイイか!」
既に、当初の目的は、すっかり飛んで行ってしまった。
でもいずれ、「もどき」から「クローン」になるように、縫い直す予定では、ある。