別れの日の事


僕達は、毎日楽しく生き生きと暮らしていた。
それはもう、ずうっと続くと思っていた。
でも、その日はあまりにも突然やって来た。

 
「ワンワン達、皆、ならんで。
上手にならんで、座ってごらん。」


その朝、ご主人様が「チーズ!」と言う
カメラを持って来た。

「記念写真をとりましょうネ。」

「ハイ、チーズ!」

そして、僕はお母さんから聞いたんだ。

妹と、弟が、もらわれて行くことを。

「犬の大好きなご家族で、とても
いい方達なのよ。きっと、あの仔達、
かわいがってもらえるわよね・・・。
良かったでしょ。」

「ネエ、ネエ、もらわれて行っちゃうって、ホント?」

「ゆり」ちゃんに話すと、あわてて
母さんに聞きに行ったよ。

「そうなの。寂しくなるけど、これから
兄妹ふたり、仲良くしようネ。」