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塗   装
更新日 2018/ 5/ 9     http://www9.plala.or.jp/penkiya/  太陽塗装       
塗装の目的  被塗装物の保護美装機能配色(危険・注意などの表示、能率アップ等)付与の為に行われます。


保護
 鉄・コンクリート・モルタル・プラスチック・木材などの素材は、そのままの状態では、水・熱・光・塩分・汚染物などの環境因子により、錆びたり・脆くなったり・分解して素材損傷につながります。
 鉄  水・酸素で、錆びて消耗します。
 コンクリートモルタル コンクリートが中性化して、埋め込みの鉄骨や鉄筋が腐食してコンクリートの破壊や劣化が起こります。
 プラスチック  紫外線や熱などにより脆くなり、強度が低下します。
 木材  水・酸素での劣化や、微生物やバクテリアにより分解・腐食します。


美装 (物体の美観)
 快適な生活環境は、誰しも願うところであります。周囲の環境にマッチし、色・ツヤ・模様など多彩・多様な仕上がり感を付与することで、建物の存在感を示し、美しくいつまでも綺麗な状態を保つのが塗装のなせる技であります。


機能配色
(特殊機能)
 快適性・安全性・環境保全対策などの機能を塗料に付与し、より安全・快適な生活環境を創造します。
機能分類   塗料種類
環境対策機能 VOC対策塗料・低臭塗料・消臭塗料
物理的機能 結露防止塗料・貼り紙防止塗料・着氷固着塗料
科学的機能 低汚染塗料・ガス選択吸収塗料
工学的機能 蛍光塗料・発光塗料・断熱塗料・紫外線吸収塗料
電機・磁気的機能 帯電防止塗料・電磁波シールド塗料・プリント回路塗料
熱学的機能 遮熱塗料・断熱塗料・耐熱塗料・耐火塗料・示音塗料
生物学的機能 防かび塗料・防藻塗料・抗菌塗料・船底防汚塗料


塗装法の種類
(建築塗装)
1. ハケ塗り
2. ローラー塗り
3. ヘラ塗り
4. たんぽづり
5. エアースプレー塗り
6. エアーレス塗り
 私が見習いとして、塗装現場に出た頃はローラーなどは見かけず、2年ほどしてから校舎などの塗り面積の大きな内装工事が出た時のみ使用する程度でした。それももっぱら大きな9インチローラーでの塗装です。 
町場での修行でしたので、野丁場(鉄骨・橋梁などの大形建造物の塗装現場)に応援に行くとなぜか気後れしたものです。
見習いは、来る日も来る日もペーパー当て、イヤー 手の皮がヤスリで薄くなってしまうほどです。そして当時は仕事のできる人がローラー塗りを担当し、まだ3年ほどしか年季の入っていない若い人たちが刷毛塗りを担当していたことを覚えています。
ローラー塗り・吹き付け塗装は技術の習得が早く、誰でも1年ほどでそこそこ身に付く塗装技術です、仕事のできる人がローラー塗りを担当するなど今では考えられません。 

刷毛  ハケの材料には主として動物の(馬・羊・豚・山羊など)毛が使われます。
刷毛に求められる性質
ペイント刷毛 粘りの強い油性塗料や錆止め塗料を塗装するタフで、腰の強い刷毛。
水性刷毛 粘性の低いサラッとした水性塗料を美しく仕上げるために、腰のしっかりした柔らかい含みの多い刷毛。
ニス・ラック刷毛 下地を溶かさないよう速乾性の塗料を軽く、手早く塗装するのに適した毛先の柔らかい腰の弱い刷毛。
合成樹脂塗料用刷毛 速乾性塗料の美装仕上げに適した腰が強くバネのしっかりした含みの多い刷毛。

刷毛の種類  平刷毛・寸筒刷毛(ズンドウ)・筋違い刷毛(スジカイ)の三種類あり、塗料・塗装の種類により適応した刷毛を選びます。 
合成樹脂塗料や水性塗料が多く使用されるようになり、白毛の馬毛や山羊の毛を使った刷毛が多く出てきました。昔は刷毛をかなり使用しなくては、使いやすくなりませんでしたが、今では新品の刷毛でもすごく使いやすく、便利になりました。 

ローラー  ローラー塗装は屋根・外壁・天井・床などの広い面の塗装に威力を発揮します、また鉄骨濡りや破風板など多少複雑なものでも慣れると、刷毛より簡単に早く塗れるようになります。
住宅塗装に使用されるローラーの多くは4インチから9インチの大きさで、短毛・中毛・長毛根戸毛の長さも色々揃っています。ローラー塗装には、ローラーネット・バケットなどを使用しますが、屋根・塀・床などを塗装する場合は長柄(継棒)を使用すると楽にしかも早く塗装できます。最近、住宅の塗り替えでは9割ぐらいはローラーでの塗装です。 


塗装の耐久力
 塗装したばかりの状態は長く続くことはなく、時が経つにつれて劣化が進行します。塗膜自体の劣化もありますが塩害・紫外線・風雨・などの外部要因によっても強度が低下し、剥がれ・ひび割れなどの症状につながります。
塗装の老化現象は、完全に乾燥(硬化)した直後から始まると言われております。最近の塗料の多くは、塗装してから半硬化(作業上、使用しても支障が出ない乾燥状態)までの時間は短く、半硬化から完全硬化までの時間を長くして、より耐久性能の優れた塗料に変えつつあります。老化に耐え、健全な塗膜の状態を少しでも長く維持できることが塗料に求められる性能とも言えます。
塗装の硬化が進むと言うことは、高分子化し、収縮したり柔軟性が少しずつ減少していく現象で、塗料が塗装され、乾燥した時点から始まり素地と塗膜との間に応力差が生まれ、圧縮や引張りのストレスに耐えられなくなり塗膜の割れや剥がれなどが起こります。このとき塗装の付着力が強ければ、現象がでにくくなります。
素材が木材などのような場合は、木材自体の温度・水分・乾燥などによる著しい膨張収縮が二重の応力差となって加わり、塗膜の寿命を縮めることになります。このことが外部に使用されている木材の塗装が、長持ちしない原因になっています。

塗装の付着
塗装は素地に強く付着して強固な耐久力を持ち、目的である被塗装物の保護と美装と機能配色を維持しなければいけません。塗装を強固に付着させるには付着力の強い塗料を選択し、素地の表面が塗料に及ぼす因子も十分に考慮し、適切な表面処理を必要とします。塗装の耐久力・付着力は表面処理の良し悪しで大きな影響を与え、表面処理が不完全であればせっかく高価な良い塗料でもその性能を十分に発揮する事が困難になります。
塗装の付着力を十分に発揮させるには汚れ・水分・油を良く取り除き、サンドペーパーなどで磨き綺麗な活面にしてから塗装します。金属においては、鉄に比べて、銅・ステンレス・アルミニウム・亜鉛・銅化合物などは、塗装の付着力がかなり悪く、薬品処理を行うなど、適切な表面処理が必要です。
塗装は塗膜の厚みが増すにしたがって、耐久力が向上すると言われております。(限度がありますが)塗装に耐久力を持たせるには、一度の厚塗りでなく下塗り・中塗り・上塗りと塗料の機能を生かしながら塗装する塗料の仕様にあった厚膜確保が大切です。

戸建て住宅の問題点・注意点
下地・旧塗膜の種類及び劣化状態確認します。  
 下地に保温性(断熱性)が有りすぎる場合。(サイディング壁等)
太陽熱により塗膜が異常に高温になり、塗膜のふくれの原因になります。保温性が有りすぎる為に異常高温になる外壁の塗替には、シリコンなどの高耐候性の平滑仕上げを選択したほうが良いようです。
 旧塗膜が熱に弱い場合。
塗替により塗膜内部に熱がこもり、旧塗膜にふくれが起きる可能性があります。旧塗膜をケレン等をして剥離するか、熱を塗膜内部に蓄積しない硬質の塗材、セメント系フィラー・プラサフの塗装を行い、次に下地に適合した上塗り塗料を選択し塗装します。 
 旧塗膜の劣化状態。
旧塗膜が剥離・浮き・ふくれ等の現象がある場合はケレン後塗装を行います。
旧塗膜がチョーキング・退色している場合は、高圧洗浄後十分乾燥したのち塗装を行います。
 
旧塗膜が剥離・浮き・ふくれ等の現象がある場合はケレン後塗装を行います。
旧塗膜がチョーキング・退色している場合は、高圧洗浄後十分乾燥したのち塗装を行います。
 旧塗膜の耐溶剤性
旧塗膜にラッカーシンナーを用い耐溶剤性の確認をします。検査結果に基づき上塗り塗料を選択します。

  環境について
塗装、塗料・塗材における環境対応。
VOC・シックハウス症候群・地球温暖化・CO
削減・ダイオキシン対策・環境ホルモン・産業廃棄物。
環境ホルモン… 内分泌攪乱物質のことです。女性ホルモン疑似化合汚物で、体内に取り込まれると女性ホルモン同様に作用し、男性ホルモンや甲状腺ホルモンの作用を阻害します。
VOCとは、『 Volatile  Organic  Conpound 』 の総称です。
         揮発性    有機     化合物
  抗菌・殺菌・滅菌・消毒
抗菌 抗菌とは、抗生物質や合成化学療法剤、消毒剤などで、微生物を死滅あるいは発育や増殖を防止することです。
殺菌 殺菌とは、細菌を死滅させることです。
滅菌 滅菌とは、対象物に付着している、または対象物の中に存在するすべての微生物を殺し、無菌にすることです。
病原菌を殺して、感染力を無くす消毒とは異なります。
消毒 消毒とは、対象物内部または表面に存在するすべての病原微生物を殺し、感染の危険を取り除くことで、無害な微生物の存在には関わりがありません。したがって、消毒は滅菌ではありません。
  安全色彩
色彩調節の中で特に災害を防止し、安全を図るために塗られる色。
日本工業規格の安全色彩通則では、赤は防火・停止・禁止、黄赤は危険な個所・危険性のあるものを、黄は注意、緑は安全・救護、青は用心(修理中・運転休止箇所)、赤紫は放射能、白は通路整頓を表すと定めている。

  建築用下地とその素地調整方法 (関西ペイント株式会社、資料より)
素材 素地調整方法の内容
打放しコンクリート
モルタル
プレキャストコンクリート
(PC)
1. ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。
2. 十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。
3. 下地面の鉄サビ・セパレーター・木片・油脂など吹付仕上げに有害なものは取り除いてください。また、鉄サビの膨張による欠陥が生じないよう処理してください。
4. 下地のヒビ割れ、コンクリートの打継ぎなどで漏水の原因となるおそれのある箇所は、あらかじめUカットのうえコーキング材でシールし、セメント系フィラーでシール面を被覆するか、あるいは樹脂注入など有効な防水処理を行ってください。
5. コンクリート面の硬化不良、レイタンスなどで著しく強度の小さい箇所は皮すき・ワイヤブラシなどで取り除き、また素地に巣穴・段差などがある場合には、合成樹脂エマルション入りセメントモルタルや合成樹脂エマルション入りセメント系下地調整材(アレスセメントフィラーなど)で処理します。
石綿セメント
押出成形セメント板
ガラス繊維強化コンクリート
(GRC)
1. ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。
2. 十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。
3. 素地の不陸、欠損などはエポキシ樹脂系シーラーを塗布し、エポキシ樹脂系パテで処理し、エポキシ樹脂系プライマーを塗布します。
軽量気泡コンクリート
(ALC)
1. ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。
2. 十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。
3. 素地の不陸・欠損は、合成樹脂エマルション入りセメント系下地調整材(アレスセメントフィラーなど)やアクリル樹脂系下地調整材で充填します。
4. 素材の強度が強くないのでエポキシ樹脂系パテなどは使用しないでください。
鉄(普通鋼)
素地調整工程 作業方法
清浄度1種
(1種ケレン)
黒皮・さび・旧塗膜を十分に除去し、清浄な金属面とする ブラスト法
清浄度2種
(2種ケレン)
さび・旧塗膜を十分に除去し、鋼面を露出させる。ただしくぼみ部分や狭隘部分には、さびや旧塗膜が残存する ディスクサンダーワイヤホイルなどの動力工具と手工具の併用
清浄度3種
(3種ケレン)
さび・旧塗膜を十分に除去し、鋼面を露出させる。ただし、劣化していない塗膜(活膜)は残す。 ディスクサンダーワイヤホイルなどの動力工具と手工具の併用
清浄度4種
(4種ケレン)
粉化物および付着物得お落とし、活膜を残す。 手工具の使用
アルミニウム
1. 一般的に、溶剤脱脂処理、化学処理(クロメート処理など)、電解処理(アルマイト処理)などが行われます。
2. アルマイトは、陽極酸化被膜で、封孔処理をするものとしないものがあり、種類によっては塗料の付着性が劣る場合があります。
ステンレス
1. 溶剤脱脂処理や手工具・電動工具などにより付着物の除去を行い清浄な面とします。
亜鉛めっき
1. 溶剤脱脂処理や手工具・電動工具などにより白錆、付着物の除去を行い清浄な面とします。
2. エッチングプライマー一種(メラタクト5)を塗布する方法もあります。
3. 化学処理(リン酸亜鉛処理またはクロム酸処理)、特にクロム酸処理で剥がれを起こす場合があるので注意が必要です。
木材
1. 塗装木材は、水分が平衡状態に達したものでなければ問題を起こしやすく、塗装前に下記の測定器を用いて含水率を測定しておく必要があります。
  (イ)電気抵抗  (ロ)高周波抵抗  (ハ)誘電率
2. 下処理として水分の他に、ヤニの処理を考えておく必要があります。
軽いヤニの場合は、通常セラックニスを塗って押さえます。ヤニのひどい材質の場合は、その部分をやきゴテまたはトーチランプで焼くか、小刀で切り取ります。

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