建築用下地とその素地調整方法 (関西ペイント株式会社、資料より) |
素材 |
素地調整方法の内容 |
打放しコンクリート
モルタル
プレキャストコンクリート
(PC) |
1. |
ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。 |
2. |
十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。 |
3. |
下地面の鉄サビ・セパレーター・木片・油脂など吹付仕上げに有害なものは取り除いてください。また、鉄サビの膨張による欠陥が生じないよう処理してください。 |
4. |
下地のヒビ割れ、コンクリートの打継ぎなどで漏水の原因となるおそれのある箇所は、あらかじめUカットのうえコーキング材でシールし、セメント系フィラーでシール面を被覆するか、あるいは樹脂注入など有効な防水処理を行ってください。 |
5. |
コンクリート面の硬化不良、レイタンスなどで著しく強度の小さい箇所は皮すき・ワイヤブラシなどで取り除き、また素地に巣穴・段差などがある場合には、合成樹脂エマルション入りセメントモルタルや合成樹脂エマルション入りセメント系下地調整材(アレスセメントフィラーなど)で処理します。 |
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石綿セメント
押出成形セメント板
ガラス繊維強化コンクリート
(GRC) |
1. |
ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。 |
2. |
十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。 |
3. |
素地の不陸、欠損などはエポキシ樹脂系シーラーを塗布し、エポキシ樹脂系パテで処理し、エポキシ樹脂系プライマーを塗布します。 |
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軽量気泡コンクリート
(ALC) |
1. |
ゴミ・レイタンス・エフロレッセンス・砂じん・油脂分などの付着物をワイヤブラシ・サンドペーパーなど手工具で除去し、乾燥した洗浄な面とします。 |
2. |
十分に乾燥させpH10以下、含水率8%以下に管理します。 |
3. |
素地の不陸・欠損は、合成樹脂エマルション入りセメント系下地調整材(アレスセメントフィラーなど)やアクリル樹脂系下地調整材で充填します。 |
4. |
素材の強度が強くないのでエポキシ樹脂系パテなどは使用しないでください。 |
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鉄(普通鋼) |
素地調整工程 |
作業方法 |
清浄度1種
(1種ケレン) |
黒皮・さび・旧塗膜を十分に除去し、清浄な金属面とする |
ブラスト法 |
清浄度2種
(2種ケレン) |
さび・旧塗膜を十分に除去し、鋼面を露出させる。ただしくぼみ部分や狭隘部分には、さびや旧塗膜が残存する |
ディスクサンダーワイヤホイルなどの動力工具と手工具の併用 |
清浄度3種
(3種ケレン) |
さび・旧塗膜を十分に除去し、鋼面を露出させる。ただし、劣化していない塗膜(活膜)は残す。 |
ディスクサンダーワイヤホイルなどの動力工具と手工具の併用 |
清浄度4種
(4種ケレン) |
粉化物および付着物得お落とし、活膜を残す。 |
手工具の使用 |
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アルミニウム |
1. |
一般的に、溶剤脱脂処理、化学処理(クロメート処理など)、電解処理(アルマイト処理)などが行われます。 |
2. |
アルマイトは、陽極酸化被膜で、封孔処理をするものとしないものがあり、種類によっては塗料の付着性が劣る場合があります。 |
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ステンレス |
1. |
溶剤脱脂処理や手工具・電動工具などにより付着物の除去を行い清浄な面とします。 |
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亜鉛めっき |
1. |
溶剤脱脂処理や手工具・電動工具などにより白錆、付着物の除去を行い清浄な面とします。 |
2. |
エッチングプライマー一種(メラタクト5)を塗布する方法もあります。 |
3. |
化学処理(リン酸亜鉛処理またはクロム酸処理)、特にクロム酸処理で剥がれを起こす場合があるので注意が必要です。 |
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木材 |
1. |
塗装木材は、水分が平衡状態に達したものでなければ問題を起こしやすく、塗装前に下記の測定器を用いて含水率を測定しておく必要があります。
(イ)電気抵抗 (ロ)高周波抵抗 (ハ)誘電率 |
2. |
下処理として水分の他に、ヤニの処理を考えておく必要があります。
軽いヤニの場合は、通常セラックニスを塗って押さえます。ヤニのひどい材質の場合は、その部分をやきゴテまたはトーチランプで焼くか、小刀で切り取ります。 |
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