ACT−4



おなもみをもっと読んで知る

おなもみのお仲間!

植物のことを調べるのに国語辞典を引くというのは、利用しないよりマシにせよ、まともじゃありません。
なぜなら世の中には、植物図鑑というものがあるのですから。
てなワケで、意を決してここにきて、とうとう図鑑や専門書などを覗いてみると、なんともすぐさま、発見してしまうのです。
オナモミだと思っていたものは、オナモミじゃないんじゃん?ってことを。

まずは、ご覧いただこう。国語辞典ではここまでは分からなかった、オナモミの真の分類を。

ほほう。なんじゃこりゃ。
真の分類とかいって、本当にこれでいいのか分からないっす。ムチャクチャ専門用語なんですもの。

ともかく、ここまで植物が細かく分けられるということは、あるのです。オナモミの仲間というものが。
嬉しいかな悲しいかな、オナモミにはいくつかお仲間がいらっしゃるという。

名称特徴
オナモミ 1年草。茎は高さ20〜100cm、毛がある。葉は互生、3.5〜10cmの長柄、卵状三角形、長さ6〜15cm、3〜5浅裂、不ぞろいな鋸歯、やや厚い、基部は心形、両面に剛毛、ざらつく。花は8〜10月、筒状花は白色。日本に古くからあるが、アジア大陸から帰化、近年殆ど見かけない
オオオナモミ 1年草。オナモミに比べ全体が大きい。茎は高さ50〜200cm、黒紫色のものが多い。果実はオナモミよりやや密につき刺も密にあるが、イガオナモミより毛は少ない。各地に広がって、オナモミより多い。メキシコ原産。(北米原産)
イガオナモミ 1年草。茎は高さ50〜150cm、淡緑色で黒紫色の線や斑点がある。葉は互生、長柄ある、オオオナモミより切れこみが浅い。果実は刺が密にあり、毛が多くある。原産不明。(北米原産)
トゲオナモミ 1年草。茎は高さ30〜50cm、葉裏は毛が密生して灰白色。ヨーロッパ原産

つまり今まで「オナモミ」だと思っていたものは「オナモミ」じゃなく、「オオオナモミ」や「イガオナモミ」や「トゲオナモミ」だったかもしれないというワケ。
ええー。それじゃまるで、国産牛肉食べてると思ったら、外国産牛肉だったってみたいじゃん。ちゃんと商品表示してよ。って、オナモミがパックで売られているワケでもなし、自分で判別するしかありません。

上記特徴を見ると、オナモミ自身も大昔アジア大陸から帰化したとはいえ、近年、オオオナモミ以下欧米からの帰化種によって、駆逐されている感がありまくり。アナタの近所のそのオナモミは「オナモミ以外」である、なんて可能性が非常に高い。

また、「オナモミ」と「オオオナモミ」の差が、「比べて大きい」とか、「〜のものが多い」とか、「やや密」とか、あやふやで限定されてなく、本ホームページが「おなもみ道場」を名乗ってるワリに、登場していたのは殆ど「オオオナモミ」だったなんてことになってたらヒジョーに虚しい!
いや実際、数的にそうであったとしても、知っているかいないかでは大違い。「元祖オナモミ」の名を、欧米から来たよそ者に語らせるのは、大いに不本意。それぞれをキッパリ見分け、言い分けることが急務なのです。

オナモミを見よ!

では、オナモミの仲間(オナモミ属)から「オナモミ」を見分けよう。
オナモミ属のそれぞれがどういうものなのか、実は上記記述に反して、葉やイガの様子によって詳しく分類されているらしく、

特徴名称
A 葉は心形で3〜5裂。葉腋に刺がなく、イガ(成熟した雌総苞)に2つの嘴(クチバシ)がある。
  B イガの面や嘴、カギ上の刺に毛がない。
   C 刺や嘴を含めて長さ9〜18mm、幅6〜12mm。オナモミ
   C 刺や嘴を含めて長さ20〜25mm、幅10〜18mm。オオオナモミ
  B イガの面や嘴、カギ上の刺に毛がある。
   C 刺や嘴を含めて長さ20〜30mm、幅12〜22mm。イガオナモミ
A 葉は基部に3個の刺があり、両端がとがる。成熟したイガに嘴はない、または小さいのが1〜2個ある。トゲオナモミ

これを利用して、採取したオナモミを見比べてみる。
分類には葉も必要なようだけど、残念ながらナシ(準備悪い)。大部分イガで分類できるようなので、とにかくトップページにも掲載している、20個のオナモミ(イガ)を見てみる。

まず、クチバシ。クチバシが2つなければ、あっても小さければ、それはトゲオナモミだそうだ...小さいってどのくらいだ?
長さ19mmだと、オナモミなのか?オオオナモミなのか?たった1mmの差でモノが変わってしまうのか?
...取り敢えず素直に、見た目、そしてサイズから、分類にあてはめて行くと、

オナモミ?←どっちか?→オオオナモミ?イガオナモミトゲオナモミ?












こんな具合に分けられる。
一応、「オナモミ」はあった。と言っていいのだろか?
「イガオナモミ」の1コは、大きさ、見た目ともにドンピシャだったので、自信を持ってソレと認定。コイツを見たら、「オナモミ」じゃなく、「イガオナモミ」だ!と言おう。よくも偶然に採取していたものだ。


イガオナモミだ!

「トゲオナモミ?」の1コは何なのでしょう。クチバシがないというか、トゲがないんですけど。実は「オオオナモミ?」の先頭の2コと同じ草本から獲ったものだったりする。かたや丸っこくイガイガ、かたやほっそりツルツル。新種だろか?少なくとも、「オナモミ」ではないはず。「オナモミ属」でもないなんてことはないですよね?分からんけど。

  
なんじゃこりゃ。

問題なのは「オナモミ」と「オオオナモミ」。それらしく分けられたが...イガの大きさでなく、刺の長さだと、別な分け方もできる。
さらに、これって、成長過程の若いイガを比べてもダメなのでは?と、気づく。
1本の草本についているイガは小さいのから大きいのまであるだろうし、全てのサイズを測って平均値を出さないといけないのでは?
そこまでしないと、「オナモミ」と「オオオナモミ」は区別できないのでは?

有り難いことに、「オナモミ」「オオオナモミ」の写真が、いくつかの図鑑に掲載されていて、記述では分からない両者の違いを確認することができる。(初めからそれを見ろって?)
現物写真をここに載せるわけに行かないので、特徴を略図すると、

似たようなのを探せば、

   

んなカンジとなる...。
ふっくら小粒で、嘴を含め全体の刺がオルゴールの針のように短くチクチク出ているイガを持つのが「オナモミ」、という印象。写真左(3つ)は唯一そんなカンジが当てはまる。写真右(3つ)との様子の違いは歴然としているので、別物と認識できそうだ。ただ、分類上の「オナモミ」の縦長からはみ出ているし、刺も多いカンジがする。「オオオナモミ」の許容範囲に入ってしまうかもしれない。
しかしこれらが「オオオナモミ」だとすると...「オナモミ」はひとつもなさそうだ。「オオオナモミ」ばっかし。運良く「イガオナモミ」。在来を減らす外来の襲来。これが現実なのでしょうか。

...ところが実は写真もまた、図鑑によって違っていたりする。こっちの「オナモミ」の写真が、あっちの「オナモミ」の写真と同じか疑わしい。何を信じたらいいねん!「オナモミ」を!本物の「オナモミ」をよこせや!

まとめ!

今回調査した20個だけで言うのはどうか分からないが、今まで見てきたオナモミ、アナタの周りに生えてるオナモミは、「オナモミ」じゃなくて、「限りなくオオオナモミ」かも。
あれも、これも、それも!まず、「オオオナモミ」と疑うべし。本ホームページで「オナモミ」だと思って掲載した写真も「オオオナモミ」に訂正!タイトル「おなもみ道場」も、「おおおなもみ道場」もしくは、「おなもみ属道場」に改名!
...それはナシ。真の「オナモミ」を追い求めるぞということで。
オナモミをキッパリ見分けるためには、葉や茎の様子など、全体をくまなく観察しなければならないし、そうしなければ達成できなそうということ(DNAを調べられるなら別だろうけど)。バッチリ環境を整えて、観察をすることが必要。彼らの真実を求める旅は、まだまだ続きそうだ。

参考文献:
@種子はひろがる/中西弘樹/平凡社
A日本の帰化生物/鷲谷いづみ・森本信生/保育社
Bミニ雑草図鑑/広田伸七/全国農村教育協会
C植物名のよみかた辞典/大高利夫/日外アソシエーツ
D野草大百科/山田卓三/北隆館
E日本の野生植物V草本/平凡社

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