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設計あれこれ
n.LDK
よく住宅の間取りで〝nLDK〟と言う事を聞きます。「広いリビングと個室が○部屋あって・・・」、新聞の折り込み広告「○LDK、カーポート付」等。〝nLDK〟という概念は、戦後住宅不足を解消する為に公団住宅の量を確保するという考え方から生まれたものだと思います。
 しかし、現在、価値観の多様化、社会構造の変革するなかで〝nLDK〟の概念は薄れつつあります。最近、個室を重視することが相対的に小さくなっていると思います。(趣味的な部屋は別ですが)  個室を多く作るよりも、大空間の所望。個々のプライバシーよりも、家族とのつながりを大事にする・・・など。

≪量から質へ≫
住宅は間取りが全てではありません。様々な考え、ものが組み合いながら成り立っています。

空気を
デザインする
 住宅のうたい文句に〝高気密高断熱〟があります。熱的負荷を減らし、省エネルギーに努める事は意義のある事だと思います。しかし、エアコンなどの冷暖房に頼る生活はどこか外と内を隔離し、外部(自然)との関係を希薄にしている様な気がしてなりません。 可能な限り自然のの風を取り入れる事の考えます。建物の熱的環境を自然の力を借りて少しでもよくする為に、空気が建物にどのように入って、出ていくか
『空気の道』
を考えます。

 近年、住環境の悪化などから窓を開け放す事が困難になっています。また、室内の空気質の問題(シックハウス:建材からのホルムアルデヒド、VOC等の発散もさる事ながら、住宅の高気密化による換気不足)等が発生しています。しかし、工夫次第で、窓を開け放ち、自然の風を取り入れることが出来ると思います。

時の流れ   建物が生まれて、その役割を果し終わるまで一体どの位の時間が経過するのでしょう? 20年?50年?、いや100年はもってほしい・・・。その長い時間の中で建物は風雨に耐え、幾度かの地震に遭遇します。そして、その建物を使用する人も変わっていくでしょう。(住宅なら家族構成の変化など)  また、外部環境のの変化(社会システム、都市構造)も変化し、その建物自身の用途も変って行くかも知れません。
  建物は自然の力に耐え、環境の変化を受け入れていきます。その変化に対応できてこそ、その建物は歴史になり、人(建主や周囲の人々も含めて)の記憶になり、街のの風景になるのです。


  日本は幸いにして四季があります。建物にも春には春の、夏には夏の表情があると思います。季節の移ろいを感じとれる建築が良いと考えます。

光の空間  刻々変化する影、1日の流れのなかで変化する光の角度。太陽の光は、単に明るさを得る為、熱を取得する為だけでは有りません。光と空間は密接な関係を持っています。 ものの見え方を左右し、時の流れを視覚化するなど・・・。いかにどのような光を取り入れるかが考えどころです。

美意識  人にはそれぞれの意識の底に美意識というものを持っています。それは、その人の経験、学習、またはその地域の伝統から培われてきかものだ思います。人は美しさに憧れ、それを求めますが、美の基準は人それぞれです。建築は純粋芸術では有りません。しかし建物を設計(デザイン)するということは、人の想い(美も含まれます)を形づくることであり、社会・生活のしくみを考える事だと心得ます。常にものの判断として美意識(全てではありませんが)を持つ事を心がけています。

雨を大地に
  かえす
 雨と聞いてどの様な事を連想しますか?「うっとしいもの」 「じめじめする梅雨」 「集中豪雨」等々、負のイメージが付きまといます。しかし雨の情景など見方によっては、なかなかよいものです。雨は生き物に不可欠な水を与えてくれる自然の恵みです。雨を楽しみながら生活に取り入れ、大地にかえす事が必要です。
〔現在は建物に降った雨はそのまま下水(あるいは道路側溝)に流れ、最終的に海に放流されています。〕

安全から安心へ  建物の安全とはどの様なものでしょう?〝地震〟〝火災〟〝防犯〟これらは建物(住宅)い対して最低限の機能の要求です。いわばシェルターです。それらの要求の度合いが高いか低いかは、その建物の性能です。しかしそれだけで心は安らぐでしょうか?それを超えた『安心である』ということが、これからは求められます。「その場に居れば癒される」 「くつろいだ気分になれる」・・・
  〝安全な建物〟から〝安心な建物です。〟

まちなみ  人は大勢の関わりの中で生きています。建物も同じです。確かに敷地のなかで隣と関係を持たずに自由に建てる事が出来ます。(法の範囲のなかで) しかし、個々の建物が集まれば群となり、まちとなります。敷地単位で周囲と無関係に建てた結果、〝まちなみ(若しくは雰囲気)〟はどうでしょうか。≪環境意識≫ ≪協調意識≫が大事です。「美しい街」 「安全な街」 「緑溢れる街」 「高齢者にやさしい街」等々。これは個人よりもコミュニティとしての意識の問題ですが『建物1つ1つが、コミュニケーションとしての環境をかたちづくる』ことを意識しています。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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