LET THE DEVIL WEAR BLACK ネタばれストーリー解説




はっきり言って誰も興味ないと思いますが(^_^;)、書いてしまったストーリー解説です。

前述の通り、これはシェークスピアの「ハムレット」が下敷きになっており、あらすじは殆ど同じですが、エンディングはハリウッド映画お決まりのハッピーエンドになっています。(シェークスピアの悲劇オチはアメリカでは理解されないようですね)



Chapter 1

まずシティー・オブ・エンジェル、ロスの夜の街を、濃いー顔して走る主人公ジャック(こわいよー)。部分部分は整っているのに、全体でみるとくどい。やはり苦悩するハムレットはこういう顔してないといけないのでしょうか。濃いー顔にするために翳メークをしているかもしれません。

車の中で、さっそく我らが王子様ノーマンの登場。濃いー主人公の隣りにいるとよけいホッとしますね。今回はジャックのお友達の役です(注:出番が少ない上に、全然脱いでません→ファンサービス無さすぎ! ダフィー監督を見習いなさい)。
友達その2と 3人でヨタ話してると、隣りのレーンに叔父のカールが止まります。一応挨拶はするけど、仲悪そう。


Chapter 2

ジャックのパパは土地持ちの大金持ちですが、心臓を患っていて、発作で死亡したらしい。豪華なお家でのママとの冷めた会話から、母子の仲はだいぶ亀裂が入っている模様。ママは事業の半分をカール叔父さんに譲ったと話しています。ジャックは19歳の大学生ということですが、ホンマかい。パパとの仲むつまじい回想シーンから、かなりのファザコンのようで、カール叔父さんのことは「すっごいバカ」とボロくそに言ってます。

パパの死に納得できないジャックは、パパの書斎で書類を色々と調べます。恋人ジュリーの父、ソール・ハーシュ(一族の弁護士)のサインが入った契約書が大量にあり、ジャックは一抹の疑問を抱きます。ジュリーに電話して、今夜のジュリーの父の誕生パーティーに行けないとかなんとか恋人同士のどうでもいい話をしてますが、たぶん誰も聞いていないでしょう(^^;)

パパがどんな風に死んだのか想像している時に、床に落ちていた薬のカプセルを見つけます。これが、パパの死の鍵となっています。


Chapter 3

一族所有のバーに行って、トイレで(パパの)亡霊に遭遇します。これは原作に忠実にするために無理に挿入した感じですが、まあ分かりやすくていいでしょう。「お前の叔父が、父親を殺したんだ」と言われ、あわててズボンを上げて立ち上がるジャック(その前に、お尻は拭いたのかい?)。飛び出して、店の人間に誰がトイレに入ってきたんだと問いただし、袋叩きにあいます。

ここでパパの古いお友達(ちなみにサッチという名前)が登場、介抱してくれます。かなりいい人のよう。ジャックは「パパは殺されたと思う?」と切り出します。どうやらパパの土地を狙っている人たち(マフィアや韓国人やメキシコ人)なら誰でもやったかもしれないけれど、カール叔父の頭では(バカすぎて)無理、というのが、サッチおじさんの意見です。


Chapter 4

恋人ジュリーの家で、何やら密談するカール叔父さんとジュリーのパパ。その近くをだらしない格好でふらふらと歩き回るジュリーさん。どうやら気が変になりつつあるようですが、これも原作にあるから入れただけというような割とどうでもいい設定です。

ジャックがパパの書斎で見つけた薬について薬剤師にたずねると、アドレナリンで、心臓病の人が飲んだら致命的な薬だということ。また、このアドレナリンとよく似たカプセルに入った心臓病の薬(デラミン)があり、ジャックのパパは心臓病の薬とすりかえられたアドレナリンを飲んで心臓発作を起こしたものと考えられます。ここで、薬剤師の目を盗んで、ノーマンと友達Aが店のものを失敬しています(ほんとどーしようもないコソ泥ちゃんなのです)。

証拠はないけど、カール叔父が薬をすりかえてパパを殺した、とほぼ確信するジャック。車の中で、ジャックはノーマンの銃を触らせてもらい、「殺したいほど誰かを憎んだ事があるか」と自分の気持ちをまくしたてます。濃いー顔で力入れて語られると、恐いです… 投げやりな顔して聞き流しているノーマンはかわいいですが。ここでノーマンが、「俺の賭け屋なら殺したいほど憎んでる」とつぶやきます。なんでも 6万8000ドルの借金があり、抜き差しならない模様。でもジャックは「大変じゃないか、どうするんだ?」と聞くだけで助けを申し出ようとしません。そこが甘いんですよね、御曹司くん。


Chapter 5

メキシコ人街でタコスを買おうとして、怪しげなメキシコ人2人に出会います。彼らは後に登場しますが、ここではメキシコ人が敵対感情を持っていることを、教えてくれてます。とっとと帰れ的扱いを受けて、そそくさと帰ります。

ジャックの家が持っている店の1つ 「プレジャー・ドーム」(ストリップ小屋)のマネージャーに会って、カール叔父に対する疑惑を打ち明けようとしますが、部屋の壁にマネージャーとカール叔父とストリッパーが仲良く肩組んでる写真を見て、こいつもグルだと悟ります。ここのカメラワークが割と気に入ってます。効果音つきで、「ざんっ、ざんっ、ざーんっ!」と三段攻めのどアップ。バカバカしいけど香港映画みたいに楽しくて笑えます。


Chapter 6

ジャックはジュリーに電話し、やっぱりパーティーに行くと連絡して、3人はストリップ小屋から出てきます。ここでノーマンが、「ブ●ー・ジョブは男にしてもらう方がイイに決まってる」という持論を展開しますが、私の純情(うぶ)な耳には耐えがたい会話ですわ(←大嘘)
どうもノーマンの役はゲイという設定のような気がするのですが、この「男のほうがイイ」説が仮定の話なのか、実体験に基づく話なのか今のところ判別できません(しかし、ゲイ説を強く推奨 → ホホ)。もっと掘り下げてくれてたら、この映画の評価も上がっていたことでしょう(違)。

さて、ジュリー宅のトイレでジュリーから衝撃の告白 「妊娠してるの」 。

動揺して、逃げるように立ち去るジャック (←ああもうサイテー)。


Chapter 7

別の部屋で、心を落ち着けようとするジャックの前の鏡に、「あいつがやったと教えただろう。何をぐずぐずしている?」と字が現れます(亡霊の仕業)。ジャックが部屋から出て来る前に、ノーマンと友達Aとカール叔父が話しているのが一瞬うつりますが、これは後の伏線です。カール叔父と弁護士が何やら密談しているのを見て、ジャックの疑惑は確信に変わります。ジャックが(たぶん警察に)電話しようと受話器をとりますが、証拠がないので諦めます。

ノーマンが「ちょっと話せる?」と切羽詰った表情で言ってるのに、追っ払うジャック(きぃ#


Chapter 8

カール叔父とママがデキていることがわかり、キレてパーティーで騒ぎを起こします。また、カール叔父にアドレナリンと心臓病の薬がすり替えられたかもしれないという疑惑をこんな所でバラして、自分で自分の首を締めてます(←大バカ)

ママに呼び出されて、ママとカール叔父が結婚する予定だと聞かされます。パパは火葬されたということですので、やはり証拠はないですが、カールがパパを殺した、とここでママに教えます(ママの反応はよくわからない)。

パーティーから帰る3人ですが、来なくていいのに付いてくるジュリー。ノーマンがイヤに執拗に「ジュリーは置いていけ」と説得しますが、例によって聞く耳持たないジャック。その理由は後にわかります。


Chapter 9

酒屋に寄って買い物してると、いかにもラテン系の人の良さそうな店員さんが赤ん坊の性別を占うおまじないをしてくれます。絶対男の子だそうです。そしてトイレでいけない事をする2人 (どーでもいいですけど)

店から出ると、ジュリーは「タクシーで帰る」と言い出します。ノーマンは速攻「それがいい。彼女は置いてとっとと行こう」と賛成。1人になったジュリーは泣いてるのか、かなり危なげな雰囲気。


Chapter 10

車の中でジャックは、ジュリーを路上に放っておけない、と電話番号案内でタクシー会社の番号をききますが、そこにキャッチホンが入ります。カール叔父からの電話で「とっととやれ、ジュリーも一緒にな。失敗したら、お前ら命はないぞ!」
…要するに、ノーマンと友達Aはカール叔父側についていて、ジャックを殺すつもりなのです。

友達Aいわく、「叔父さんは、プレジャー・ドーム(ストリップのお店)を俺にくれるって。ジェシー(ノーマン)は借金を帳消しにしてもらえる」
ノーマンは銃を構えて「あんたに話そうとしたのに、聞こうとしなかったじゃないか」と愛の告白みたいに可憐な表情。ひょっとしてノーマンの役はジャックのこと好きだったんじゃないかと思えるところがチラホラあります。あんな鬱陶しい顔にノーマンが惹かれるわけなかろう、とは思いますけどね。

今ごろになってジャックは、「なぜ俺のところに来なかった。6万8000ドルくらいやったのに。(そして友達Aに向かって)お前には店を」と言い出しますが、遅いんだよっ#

目先の金に釣られて、決心が揺らぐノーマン(ほんとに情けない子…)と、ジャックの言う事なんか口先だけ、と信用しない友達Aが口論になり、「早く撃て!」と叫ぶ友達A。そうこうするうちに、警察の車が近づいてきたので、「6万8000ドルとお店」で取引成立という運びになりますが、警察をやり過ごすための空約束かどうかは分かりません。

やってきた刑事2人は、メキシコ人街で出会ったあの怪しげな人達。「お前達の電話は盗聴されてたんだよ」と言うやいなや、ノーマンと友達Aを撃ち殺してしまいます。刑事はジャックに「俺達はあんたの守護天使だよ。ここで起きた事は他言無用だ。また会おう」と言いつつ、ノーマン達にさらにトドメの数発。血まみれのノーマン達が一瞬映って、あわれノーマン、ここで退場。


Chapter 11

ジャックは病院に行き、眼を診てもらいます。なんと友達Aの頭蓋骨のかけらが銃撃のショックで飛んで、ジャックの眼に入ったとのこと。ハムレットの原作の細かいところまで覚えていませんが、これのもとになるグロいエピソードでもあるんでしょうか。

ここで隣りの患者がジュリーで、死んでいることが分かります。1人になった後、ふらふらして車にはねられたようですね。ジュリーにしがみつくジャックと、それを引き剥がそうとするジュリーのパパ。それを止めようとみんながもみ合いになり、殴られたのは運の悪いドクターでした…(絵に描いたような吹っ飛ばされかたで、悪いけど笑ってしまいました (^^;))

ジャックなりにジュリーを愛していたと思わせる、湿っぽい回想シーンが挿入(だから今ごろ遅いってば) 。ジャックはママに「パパに生きていて欲しかった?」と聞き、ママは「ええ」と答える。それから「僕のこと愛してる?」「もちろん愛してるわ」などと言って抱き合い、母子関係は、いちおう少し修復されたようです。


Chapter 12

例のストリップ小屋で、カール叔父は「(ジャックを殺すため)プロを雇った」と語り、ついでにシャンパンに注射器で毒を入れます。カール叔父が自分でジャックを殺したりしたら、ジャックのママは結婚してくれなくなりますので、強盗に見せかけて殺すという事です。
そしてシャンパンの毒は「(万一のための)保険」だそう。


Chapter 13

さて、ストリップ小屋にジャックとサッチおじさんが現れます。ストリッパーの1人と話をして、ジャックの友達Aがこのストリッパーともう1年も付き合っていて、カール叔父さんの下で働いていた事を聞かされます。

そこにカール叔父さん登場。この時になるまで気がつかなかったのですが、ジャックはパパの喪に服していつも黒い服を着ていたけど、この日に限って、パパのグレーのスーツを着用。カール叔父と店のマネージャーは「電話しようか」「もう遅い」という会話を交わしますが、その理由は後にわかります。さて、叔父さんとジャックはもう殺意を隠そうともせず、ひどい言葉の応酬。

叔父さんが(毒入り)シャンペンを開けたところで、ママが喪服で登場。彼女が通りすぎる傍で、カウンターに座っている男が、「いつも黒い服を着ている」と書かれたマッチを眺めています。どうやらこいつが殺し屋で、ターゲットは黒い服を着ている、としか指示がない模様。

叔父さんが、ママの喪服姿を見てヤバイと思い、店内を見まわしている間に、ママは毒入りシャンペンを飲み干してしまいます。これも原作にあるから、入れたエピソードでしょうけど、短い間にそんなに無理して詰め込まなくても、という気が若干いたします。さらに、ターゲットをママと誤解した殺し屋(まぬけ)がママに発砲。ジャックはどさくさに紛れて殺し屋ではなく、カール叔父さんを射殺。ジャックも腕を撃たれますが、サッチおじさんが援護してくれて、殺し屋も死亡。

そこで、例のメキシコ人刑事2人登場。なんでも彼らはメキシコ系アメリカ人コミュニティーの不動産業界と繋がっていて、ジャック一族の土地が欲しいらしい。そして、カール叔父より、ジャックと手を組んだ方が得策と考えて、色々と助けてくれたようです。で、今回も事件を丸く収める代わりに、ジャックの土地を売ってくれるよう交渉。そして交渉成立。

そして、どうやら未練もなくなり、成仏して天国に昇るパパを眺めながらの大団円でした(あ、恋人とママは死んだんだっけ?)

ところで、ここ↑でパパが天に昇る映像がかなり安くて笑えます。





【コメント】

ノーマンの出番が少ないし役も情けないので、最初は怒りましたが、個人的には、こういうバカバカしいサスペンスは好きです。取ってつけたようなハッピー・エンドも私好みでよろしい(→ハリウッド商業主義に踊らされてる人)。主人公の濃いー顔には慣れませんが●曜サスペンス劇場だと思えば、けっこう馴染む顔ではないでしょうか(笑)







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