『デュース・ワイルド』 ネタばれストーリー解説 B






さて、今回はついにマルちゃんが脱獄、じゃない出獄いたします。
見所いっぱいですよ〜♪


Chapter 7: Pain & Memories

血まみれで乱闘から家に戻ったリオンは、ママがソファでうたた寝して、死んだ弟アリーの名を呼ぶのを見て心を痛めます。ママは泣きながら、「あの子を連れてきて」と言ったり… アリーの死が未だに一家に暗い影を落としてるんですね。

リオンは部屋で鏡をのぞきこんで顔の傷を確かめてますが、鏡に貼ってある兄弟の写真を見て、3年前に公園で死にかけ(か、既に死んでる?)アリーを見つけた事を思い出します。今さらではありますが、あの頃のリオンは私がヨワい前髪はらりの憂い顔で、たまらんです〜(うはー)。弟を死に追いやった憎いマルコの顔も思い出し、色んな感情が溢れて泣き出すリオン(またも苦悩する兄…いいですね〜♪)

一方アニーの部屋でボビーは傷の手当てをしてもらってます。「いてーよッ」などと甘えたりして、結構うまくいきつつあるお2人(どーでもいいですけど)。クリスマスの曲が聞こえてきたので、ボビーは、「なんでまた? 115度くらいあるんだぜ?」と訊いてます。115度は華氏ですので、摂氏39度くらいでしょうか。いくらNYの夏が暑いっていっても夜にそんなすごい気温なわけないので、まあ冗談でしょう。

アニーが「うちのママはクリスマスの曲にこだわってるの」と説明してます。ママは後で登場しますが、ちょっと頭がおかしいようですね。ちなみに、監督コメンタリーによると、ここではジョニー・マティス(大歌手です)の「ホワイト・クリスマス」をかけたかったそうなんですが、またも予算の関係で、使うことができなかったようです(映画で曲を入れる時には、かなりお金が要るようですね。著作権協会に払うんでしょうか)

大声を張り上げてクリスマス・ソングを歌うママの声が聞こえてきて、(恥ずかしいのか)アニーは、ボビーを屋上に連れて行きます。ボビーは、「お母さんのこと恥ずかしがらなくていいんだぜ。俺のママなんかサイテーだし」と、(いちおう)なぐさめます。アニーが、自分のお母さんの事をそんな風に言うのはよくないわ、と言うと、「ママは俺のことなんか構ってもくれない」などとグチったりして、ボビーもまだまだ子供ですね。

それから死んだ弟アリーの話になります。夢見がちな子供だったけど、ヤクの味を覚え、常習者になり、リオンがマルコとジミー・ポケッツのところへ行って、「弟にドラッグをやるな」と言ったけど、もちろん彼らはアリーにドラッグを与え続け… そして、ある日 hot shot (致死性の麻薬)を与えてアリーを殺した、ということです。「ごめんなさい。知らなかったわ…」と、しんみり謝るアニーですが、顔がこわいよー o( >_< )o

暗い空気を和らげるようにアニーは、「このテディー・ベア(→お祭りでボビーがとってくれたものですね)大好きよ」と言ったりして、なかなかイイ娘なんですが、しかし、ピンクのテディー・ベアがこれほど似合わない女の子もそういるものではありません(…)

さて、(たぶん翌日)教会で神父さんに、「子分たちに話をして、この騒ぎを治めてくれ」と言われるリオン。「俺には無理だ」と言って、立ち去りますが、やはりもう やられっぱなしではいられない、とさすがの平和主義者のリオンも昨夜の乱闘で思ったんでしょうかね。ちなみにガールフレンドのベッツィーも一緒に来てて、お祈りしてるのかと思ったら、リオンの方は工具みたいなのを持ってますので、壊れた椅子かなんかを修理してただけのようです。


Chapter 8: Homecomings

ところ変わって、デュースのみんなは揃ってプールで水遊びなどしています。昨夜襲われたジャッキー君も土嚢運びに乗せられて(←車椅子ぐらい使いなはれ)、ギブスや包帯だらけながらも元気な姿を見せています。

プールの向こう側にアニーとその女友達が現れ、ボビーはシャツを脱ぎ海パン姿になって(うげ〜見せるな〜)、プールに飛びこみ、アニーと話しに行きます。プールのこっち側ではデュースの皆が、「あのアマ、誰だ?」「アニーだ。ジミー・ポケッツの妹だよ」「ボビーの奴、あんなところで敵と何やってんだよ?」などという非常に説明的な会話が交わされてます。いちおう禁断の恋なんですけど、なんか緊張感がないんですよねぇ、アニーとボビー(とそのハラ…)

ボビーが水に飛び込む時、またもスローモーションが使われてますね。コメンタリーでの監督と編集さんの会話によると、スローモーションにすることによって、人物の心情を伝えていて、ここではアニーの姿を見ることがボビーにとって特別な瞬間だと表現しているらしいんですが、単に ボビーのハラ が強調されただけのような気がしますね(^_^;)

さて、ついに出て来ましたよー! マルコが! ム所から!
タバコを吸いながら不機嫌そうにお迎えを待ってらっしゃいます。 でもなんで街中に迎えに行ったりするんでしょう? やっぱり50年代のム所のセットが無いからでしょうか?

「ヘーイ、おかえりマルコ!」などとお調子者のジミー・ポケッツを、(しらー)という感じで睨みつけるマルコ(うひーっ)。「どんだけ待ったと思うよ?」とすごんで、1歩踏み出すと、ジミーはちょっとあわあわしながら、「さあ、15分くらい?」と言いますが、マルコは「俺はな、3年と15分待ってたんだよ!」と、これまたウィットの効いたセリフ。ム所での3年も勘定に入ってるんですね。

念願のビールをもらって飲むマルコですが、ちっとも嬉しそうに見えません。「デュースの奴らは片づけたか?」と訊き、ジミーは、「ああ、一戦交えた」と言いますが、(負けたので)後が続けられません。マルコはまた(しらー)とジミーの顔を睨み、「どうなったか俺に教えるのか、それとも俺にお前の心を読めってか?」と言ったりして、本当に皮肉なしでは会話できないお人のようですね(いぢわる…でもそこがいいの♪)

ジミーは慌てて、「俺たちデュースをぶっ潰すとこだったのに突然リオンが現れて、やられちまって…」と説明します。ますますご機嫌が悪くなるマルコ。ところで、ジミーはまるで自分も乱闘で大活躍したような言い方をしてますが、あの場にいなかったことにお気づきでしょうか? 監督いわく、ジミーとフィリーは木の陰に隠れて乱闘を見てるシーンが撮影されていたそうなんですが、結局そのシーンはカットされたそうです。どっちにしても、ジミーはどこまでも腐った奴なんですね。

「ったく、何もかも俺が自分でやらなきゃなんねえのかよ。リオンはどこだ?」とマルコに訊かれて、ジミーは、「神父さんに聞けば? あの人、リオンを聖人にする気だぜ」と答えますが、マルコはケッとばかりに、「キリストは裏切者の言うことなんか聞きやしねえよ」と言います。ヘヘッとまた愛想笑いをするジミーは、マルコの真剣な表情に顔を引き締めます。実はジミー・ポケッツは、後ろ暗いところがあるので、マルコが自分のことを裏切者と言ってるんじゃないかとビビってるんですね。

さて、プールサイドにリオンがガールフレンドと一緒に現れます。サングラスかけてるとベッツィーもきれいですね(どーいう意味よ!?)。リオンはボビーがアニーと話してるのを見て呼びつけます。アニーは「行かないでよ。犬じゃあるまいし」と引き留めますが、しばし口論の後、結局ボビーはリオンの所へ行くため水に入ります(それにしてもヒドイ腹…)。なんかここで編集さんが、「このへんはシーンをだいぶカットした。というのもブラッド(レンフロー)が、鍛え上げてるとは言い難い体型なので(ここで監督がプッとふいてます)、しょうがなかったんだ」と言ってるような感じなんですけど、違いますかね。編集さんの声は大変聞き取り難くって自信ないんですが…(あのハラにこだわるあまりの幻聴かしらん)

ボビーはリオンのところに行って、「今度はなんだよ?」と、またナンか叱られると思って訊きますが、リオンは、「昨夜お前がやったことは正しかった」と、誉めてあげます。ホッとしてボビーはすぐアニーのところへ戻ろうとしますが、アニーは止めたのにボビーがリオンのところへ戻ったことに腹を立て、帰っていきます。すっかりへこむボビー君(なんとなくしょげて耳の垂れた犬みたい ←わかりやすい男よの)

さてバイパーズのたまり場(?)に帰ってきたマルコは、泳ぐように挨拶しながら皆から歓迎を受け、さっそく、「どうやったらリオンに近づける?」と訊いてます。部下の1人が、「スクーチってガキ覚えてます?」と持ちかけると、マルコは「誰だそりゃ?」と訊き返しますが、この時のノーマンの仕草がまたカワイイですね〜♪ 「知らんなー」って感じで肩とアゴをくいっと引くんですけど、何となくマーフィーっぽいです。ギャングのボスがそんなにカワイくってどーするの!?

ところで、このシーンの「どうやったらリオンに近づける?(You know how can I get to him?)」というマルコのセリフですが、よっく見ると口と声があっていません。編集さんのコメンタリーですが、もともとのセリフは「Do you know how I can find Leon?(どうやったらリオンを見つけられる?)」だったんですが、別にリオンは引っ越した訳でもないし前と同じ場所で見つけられるのでセリフがおかしく聞こえる、ということで、後でこの部分を吹き替えたそうです。

リオンがスクーチを父親代わりのように可愛がっていると聞いて、マルコはジミー・ポケッツに自転車を用意するよう命令します。はてさて、何を企んでるのやら。

ウィリーズの店では、ベッツィーがリオンの顔の傷に文句言ってます。2人ともおめかししてベッツィーの従姉妹の結婚式に出る予定なんですが、こんな傷だらけの顔、親戚たちに言い訳できないじゃない、って感じです。とにかくスーツ姿のドーフもなかなかサマになってますね♪

さて、店から出たリオンは、自転車に乗ってるスクーチに、「よう、いい自転車だな」と声をかけます。嬉しそうに手を振りながら自転車こいでるスクーチの行く先には、マルコとジミー・ポケッツが…

「自転車気に入ったか?」などと優しく話しかけるマルコ(ぶひーっ!かわいい悪魔♪)。どうやらスクーチと仲良くなるために、自転車をプレゼントしたみたいです。知らないおぢさん(→あ、おにーちゃんかな?)から物をもらっちゃいかんよ、スクーチ君。

3年ぶりにマルコを見て血相変えるリオン。マルコの方は、思った通りの反応を得て満足そうに立ち上がり、スクーチの肩に手を回して、さらにリオンを挑発します(おぬしも悪よの)。

「こっちへ来い、スクーチ!」と怒鳴るリオンにマルコは、「お前の方がこっちへ来たらどうだ」とけしかけ、リオンは完全に頭に血が昇って足を踏み出しますが、ベッツィーや禿げのオッサン(店主のウィリーさんかな?)が止めます。マルコは(いつのまにやら)ナイフをぴしぴし振り回し、「お前を1000回切り刻んでやるぜ。1回が、お前のせいでぶち込まれたム所の1日分だ」ということで、365日×3年でだいたい1000日分、という勘定なんでしょうね ←頭いいじゃん、マルコ(だからそういう問題じゃなくって…)

リオンが皆に押さえられてる間に、マルコは車に乗って走り去ります。煙草をピッと投げ捨てたりして、ぐはーッ、カッコつけすぎですよ〜ッ


Chapter 9: Bobby's Girl/Marco

ピザ屋でボビーは、「なんでプールで、さよならも言わずに行っちまったんだよ?」とアニーに恨みがましく言ってます。外で話そう、と店の外に出ますが、アニーは、「一生リオンの影でいる気なの?」と、リオンの顔色をうかがってばかりのボビーに腹を立ててる様子です。「私と一緒にいたいなら、こそこそしないでよ。特にリオンの前で」と、ガールフレンドとして扱って欲しいと主張します。まあ、当然ですね。

ボビーも、よっしゃ、とばかりに堂々とアニーを抱き寄せキスし、車に飛び乗って(ぐへぇ〜つぶれる〜〜!←車の声)、「アニーは俺の恋人だー!」と叫びます(青春だのぅ)。

場面が変わって、マルコとフリッツィー親分の会合です。マルコは、ヘロインがいくらでも手に入るルートを持っているので、親分の許可が欲しいのですが、フリッツィー親分は、「わかってるだろ、俺はそんなモン扱わねえって」と一応断ります。

マルコは、「汚い仕事は全部自分がやるから、前金をくれたら3倍にして返しますよ」と悪魔の誘い。親分はニヤリと嬉しそうですが、「考えとくよ」と、即答を避けます。しかし、もう殆ど乗り気なのは見て明らかですね。

気を良くしたマルコは、リオンをバラす許可が欲しい、と頼みますが、これは親分も止めます。ちぇっ、と残念そうに立ち去るマルコ(ここでも煙草の吸い方がいちいちキマってますね)

さて、家でリオンがテレビを見ているところにボビーが帰ります。「プールでアニーに一言あってもいいだろ?」と、兄貴のアニーの扱いに文句をつけます。リオンは、「彼女はジミー・ポケッツの妹だ。弟を殺した一家だぞ」と取り付く島もありませんが、「俺が彼女と会うのを止めさせることは出来ないぞ! アニーは俺の恋人だ」と根性見せるボビー。むぅ〜と怒ったリオンは、ビール瓶を投げたりしてますが、ま、どうしようもないですね(それより、その割れたビール瓶、誰が片づけるの?)

バイパーズのアジトでは、マルコが演説ぶちます。もうしみったれた商売はやめて、ドラッグでデカく稼ぐ、誰にも邪魔させない、と強気の計画です。ほんとアッシュ・リンクスのように統率力はあるんですけど、汚い商売に手を出さなきゃねぇ…

ウィリーズの店でウィリーおやじと酒飲みながら、リオンは「俺、間違ってるかなぁ? 言ってくれよ」と、ボビーとの軋轢についてこぼしています。苦労性のリオンは、心はオッサンみたいですな(若いのに…体は♪)

2人が乾杯して酒を飲むところに、でかいゴミ缶が投げ込まれます。もちろん予算の関係で、ガラスを割れるのは1回だけですから、このシーンも一発勝負です。
さて、バットや棒で武装したバイパーズの大群がぞろぞろとやってきて、デュースの縄張りの街を襲撃します。商売物の果物を倒したり、おばあさんの買い物袋を取り上げて叩きつけたり、オーマイガッ!なんて極悪非道な連中でしょう!(と、いう反応でよろしいでしょうか監督?…苦笑)

それから片っ端から車をぶっ壊したり、お店から出てきた人たちを殴りつけたり、もうバイパーズ達のやりたい放題。リオンも1人ではどうにも出来ず、ウィリーさんにも止められて店の中に隠れています。ところで、ピザ屋の前で、画面の右の方でシェフに殴られた人は、この映画のプロデューサーのようです。どの映画でもプロデューサーは、殴られたり殺されたりする役なんですね(^^;)。

さて、ここがマルコ最大の見せ場! ジミー・ポケッツが車に火炎ビンを投げ込み、みんな逃げますが、マルコだけ すぃーっと少し離れたところに動いただけで、後ろで車が爆発しても瞬き1つせずにタバコをくゆらせています(ぎゃ〜ッ!カッコよすぎ〜〜ッ!)

このシーン、特撮なんか使わずに、すぐ近くに立ってるノーマンの後ろで、本当に車を爆発させたそうです。もちろん予算の関係で1テイクしかとれませんから、撮りなおしはきかないのですが、監督は、「10フィート(って3メートル !?)しか離れてないところに立って、車が爆発してもノーマンはたじろぎもしないのが、すごいよね。ほんとガッツあるよ」ですって。
どひゃ〜ッ ノーマンすごい〜ッ!→じゃなくて、 監督ッ、そんなあぶねーことノーマンにさせるんじゃねーよッ! ノーマンに傷でもついたらどないする気!? ったくもう(ぶりぶり#)

とにかくマルコは、店から出てきて呆然としてるリオンと、全く無表情に見詰め合います。この時ばかりはリオンものまれてますねぇ… そして暗転。



(Cに続く…)





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