Chapter 2: Mexico City
ここからのメキシコ・エピソードは、日本版も米国版もほぼ同じように進みます。1951年のメキシコでは、バロウズとジョーンは結婚していて、男の子を1人もうけています。ジョーンはその前の結婚で、女の子を産んでいますので、現在は2人の子持ちです。バロウズは男の恋人リーとマヤの遺跡を見に行く、とジョーンに告げ、ジョーンは自分だけ残されることにかなり腹を立てています。しかも、ルシアンとアレンがニューヨークから来ることを知っていて、旅に出てしまうのですから、これはやはりルシアン達を避けているとしか思えませんね。
コメンタリーによりますと、このアパートのシーンが、この映画でキーファー・サザーランドを初めて撮ったシーンだそうです。キーファーは何度もテイクをとって、恐縮していたとか。
キーファーが説明したそうなんですが、この最初のシーンのバロウズのしゃべり方が全編の演技に影響するので、きちんとやりたかった、ということです。確かに実在のバロウズのしゃべり方にそっくりですね
(『ビートニク』というビート世代をテーマにした映画に、バロウズ本人が何度か出てきます。参考にご覧になるのはいいですが、ものすっごく退屈な映画で、ジョニデ目当てに観た人はみな大暴れしてますので、覚悟して下さいね)
それから、撮影前に監督たちはバロウズやジョーンゆかりの地を探しにメキシコに下調べに行ったそうですが、2人が実際に住んでいたアパートは、監督たちが見つける1週間前に解体されてしまっていたとか。監督は残っていたタイルなどを失敬してきたそうなので、
ビート世代の記念品が何でもいいから欲しい方がいたら、喜んでオークションに出すそうですよ(ちゃっかりしてますね。まあ、冗談だと思いますけど/笑)
とにかくバロウズとジョーンが住んでいた場所は瓦礫の山になっていたので、このシーンの撮影はその向かいのアパートで行われました。
ところで、ジョーンの子供を演じる子役を見つけるのは、ものすごく大変だったそうで、娘役の女の子はプロデューサーの友達の子でロサンジェルスから連れてきています。男の子はスペイン語しか話せないので、劇中ではセリフは1つもありません。
Chapter 3: What Happened
さて、バロウズに取り残されたジョーンはタイプライターに向かって何やら書いていらっしゃいます。そして、米国版では画面はセピア色に変わり、ニューヨーク・エピソードが挿入されます。
ジョーンがタイプを打っているところに、ルシアンがデイヴを殺して血まみれで戻ってくるシーンです。コメンタリーによるとこの2つのシーンでジョーンがタイプを打っているのは全くのラッキーな偶然ですが、ジョーンが昔の記憶を甦らせる小道具として上手く使うことが出来ました。
Chapter 4: Flock of Vultures
バロウズは恋人リーとウキウキ♪バスの旅ですが、肝心のリーさんはかなり冷ややかな顔で、バロウズのヨタ話をうるさそうに聞き流しています。バロウズが手を添わせようとしても、サッと手を引いたりして、リーさん随分つれないのね…。実在のバロウズはスマートにスーツを着こなしたとてもダンディーな人だったそうですが、このキーファー・バロウズってただのエロおやじという感じですが…(ファンの方、す、すみません)
でも、この頃は華やかな NY生活と違って貧乏に苦しんでましたから、やっぱり萎びたおやじでいいんでしょうかね(^^;)
ニューヨークからはるばる車を運転してきたルシアンとアレンがジョーンの家に到着(♪)。7年ぶりの再会を祝います。しかし、2人が来ると知っているのにバロウズが直前に旅に出てしまったことを知って、かなりガッカリ。ルシアンは
UPI (ユナイテッド・プレス・インターナショナル)の新編集者として仕事に戻らなければならないため、3〜4日しかいられないからです。しかし、UPI
って西側四大通信社の1つで、その編集者なんてすごいポストですけど、ルシアンの犯罪歴とかは問題にならないもんなんでしょうかね(いえ、めでたいことはめでたいんですが、ふと不思議に思っただけデス)。
それについてのジョーンの反応は、字幕では「完全に立ち直ったの?」となっていますが、英語では「じゃあ、あなた完全に(殺人者から)更生したのね?」と聞いていまして、ルシアンにとってはなるべく忘れたいデイヴ事件を持ち出し、(元)犯罪者扱いして、チクリといぢめています。ルシアンも何と応えたらいいか分からなくて固まってますね。
すかさずアレンが助け舟を出すように、「ビルに知らせたのに旅にでるなんて」とジョーンに聞いてくれて(←やっぱりアレンはいい人ですねえ)、話が変わり、そこにジョーンの娘ジュリーと息子ビル・ジュニアが入ってきます。
女たらし(^^;)のルシアンは早速、「キスしてくれる? スィートな女の子からキスを集めてるんだ」とこんな小ジャリ女にもお上手を言って挨拶のキスをしてます(こんガキィ〜ッ#)
気をよくしたジュリーは、「この服どう?」とドレスの自慢をし、ルシアンもそれに応えて、「君も君のドレスも、とぅーとぅーぷりてぃ〜♪」とまたまたお上手を言ってますが、そういうルシアンのほうがよっぽどトゥ〜プリティ〜ですな!
さて、どうしてる?というアレンの問いに、ジョーンは疲れた顔で「メキシコのスラム街に住んで、旦那は他の男と旅行中、私は子供の世話に追われて…」と愚痴をこぼします。そんなジョーンの気を引き立てるように、アレンは懐かしのお友達ベニー(頭痛薬のベンゼドリン)を出してあげて、さっそくお酒と一緒に飲んでます(いいのかな〜)。
Chapter 5: Improper Side
アレンは子守で残って、ルシアンとジョーンはお友達ハードさんのバーで飲んでます。2人のどアップが映ってまさに『激闘・お色気合戦!』という感じです。ノーマンもコートニー・ラブも本当にキレイですねぇ(しかし、女優さんと美しさで張り合うノーマンもすごいなあ…)。この映画でもノーマンは煙突みたいにタバコを吸ってますけど、本物のルシアンもこんなヘビー・スモーカーだったんでしょうかね。数少ない写真ではかならずタバコを手にしていらっしゃるような気も…。とにかく(ノーマンの)タバコをくわえる仕草がイチイチ決まっててシビレますね。
さて、やけにデイヴ事件にこだわっているジョーンは何かにつけてはこの話を持ち出し、ルシアンの反応を見ますが、ここでもまた「死んだ彼のこと考えることある?」などと聞いてます。
「罪の意識を感じるかってこと? あいつに犯されそうになって、(人生)台無しにされた。エルマイラ少年院で
2年服役するハメになって…。罪は償った」と応えるルシアンに、「たった2年で?
もっと重くてもおかしくないのに」と、相変わらずご無体なジョーンさん…。普通の人の反応ってこんなもんなんでしょうかねえ。私はやっぱり正当防衛だったと思いますけど…
ところでこのバーですが、小さな通りに面して中々いいロケ現場と思っていたら、バカでっかいディーゼル車がガンガン通って、撮影が大変だったとか。そう思って見たら、バーの割には車の騒音がすごいような気もしますね。メキシコ・シティーは騒音に関しては、大変よろしくないロケ地のようです。音響スタッフの人が素晴らしい仕事をしてくれたそうで、観客にはそんなこと全然感じさせませんね。ちなみに、その音響スタッフの人は『タイタニック』もやった人だそうです。監督は「彼にとって大出世だよね、僕の映画をやるなんて」と自虐的ジョークを言ってます(涙)。
Chapter 6: Use Me, Abuse Me
場所を変えて、ハードさんのアパート(バーの上階にあって、後にバロウズとジョーンがウィリアム・テルごっこをする場所)で飲み直し。
ルシアンがギターを弾いて手製のちょっとヘンテコな歌を披露してます。くわえタバコがまたカッコいいですね〜♪
それにしてもノーマンの歌って聴くとナンか照れちゃいます(笑)。上手いんだかヘタなんだかよくわかりません…。でも声がかわいいから何でもいいか。
ちなみにこの歌は監督さんの作詞作曲のようです。ルシアンは実際にこういうちょっと変わった歌をよく作ったそうですが、もちろん譜面などあるわけがないので、ここでは監督バージョンの歌が入りました。初めて作ったそうですけど、なかなか楽しい曲ですね。
しかし、この劇中ではしょっちゅう、"F**k"という言葉が使われてますが、1940年代や50年代に女性まで、そんなホイホイ言ってたんでしょうかね。私たちが思う以上にオゲレツな言葉みたいで、今でもちゃんとした家庭の女の子は絶対に言わないみたいですけど…。あ、でもニューヨーカーは割と連発する人が多いのかな。(良い子の皆さんはあんまり使わないように〜)
さて、活動中のパリクティン火山の新聞記事を見てルシアン達は、「すごい、見に行こうか」という話になります(『Do
we dare?』のところの眉の動きがまたたまりまへん…)。お友達が、「やめといたほうがいい。たぶん避難命令が出てるぞ」と止めても、「僕はバッド・アイディアが大好きなんだ」というルシアンがこれまたカワイ〜〜!
思わず、どひーっと走り回りたくなります o(>_<)o
さて、寝支度をしたルシアンとジョーンが廊下で話してますが、ルシアンのシャツの前が開いてて、ぽんぽこのお腹が…(はぅ!
おへそが埋まってるぅぅ〜っ)。でも、そこがミョーにセクスィ〜です。前髪もハラリと目にかかっていてキョーアクな美しさ…
(ふぅーっ)
もしかしたら、ちょっと露出してジョーンを誘ってたのかもしれませんね。お得意のかすれ声で語りかけられて、ジョーンさんもちょっぴりドキドキしてるみたい。でも明日早く火山に出発するので今晩は早く寝ます。おやすみなさい…
(ここで一旦中断。続きは未定…)
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