『バロウズの妻』 ネタばれレビュー A







さて問題のデイヴ事件です。切りが良いので短いですが今回はニューヨーク・エピソードまでと致します。メキシコ・エピソードは次回からのお楽しみ、ということで…



Chapter 1: New York City (続き)


ルシアンはアレンと酒の買出しに行くために小銭を集めています。そこにまたデイヴが怪しげにニジリ寄ってきます(あ〜やらし)。そしてまたも鼻息荒くルシアンの肩に触れて、「君がいなくなると寂しい(ぐふぐふ…)」などと言って嫌がられています(救いようがないですな)。タバコをくわえたデイヴのためにルシアンがマッチをすって火をつけてあげますが、そんなことせんでよろしい! ルシアンの手にそっと手を添えて火をつけてもらっているデイヴはうっとり幸せそうですが、ルシアンはほとんど後ずさりしながらパッと手を離して、「またな」と出ていこうとします(怯えた顔がまた一興じゃのぉ〜 ふはははは… ←エロおやじ)

しかし、バシッとドアを押さえてルシアンに絡むデイヴ。ノーマンの癖の唇ぺろぺろが出てて、激かわいいですね〜♪ さすがに少しはデイヴの執着が恐くなってきたのか、あまりデイヴと目を合わせないで困った顔のルシアンの表情がこれまた絶品。酒を買いに行く、と言うと、「これも持ってけ」とお金をホイホイ差し出すデイヴがほんと情けないです。「友情の証に受け取ってくれ」なぞと言ってますが、怪しいオヂサンからお金をもらっちゃいけませんよ〜! ルシアンもまた躊躇しながらもお金を受け取っちゃうからデイヴがつけあがるんですよねぇ… そして、ルシアンがお金を取るときに触れた自分の指を愛しそうに眺めてキスするデイヴ…(へ、ヘンタイ…)。

アレンに電話がかかってきたので、デイヴが一緒に行こう、と言い出します。まさしくこれが運命の別れ道ですね。「やだなぁ」という顔でしばし考えるルシアンですが(→この時の上目使いがまたキョーアク…)、「近所の酒屋までじゃないか、ルー」と言われ、しぶしぶ一緒に行くことにします。ところで、ここでデイヴはルシアンのことを『ルー』と呼んでますね
(ルー大柴かい)。ぐふぐふ言いながらなれなれしく肩もつかんで、うぅぅ〜見てるだけでキモイぞデイヴ。

さて、酒を買った帰り道、ルシアンとデイヴは寄り道して公園で話をしています。なぜルシアンがデイヴと2人っきりになるようなマネをしたのかよくわかりませんが、後でジョーンやバロウズにも説明しているように、覚悟を決めてデイヴとはっきり話をつけようとしたようです。

ここで少し気になるのがデイヴの左手に巻かれた白いハンカチのような布。手の平にケガでもして止血しているのかと思いましたが、ジョーンのアパートを出る時、ルシアンがジョーンに「酒を買いに行ってくる」と言っている後ろで、この布で手を拭くような仕草をするデイヴが映っています。お出かけ前にトイレに行ったのでしょうか? 米国版DVDでこの謎が解明されるかと思いましたら、このシーンは大幅カットされていまして、結局なにもわかりませんでした(ざんねん)。でも、ルシアンと話し合うデイヴが愚痴りながら、このハンカチをうぐうぐくわえたり捻りまわしたりしていますので、単にデイヴの感情を表現するための小道具として用いられたのかもしれません(別にデイヴの気持ちなんてどうでもええんだがのぅ)。

とにかく、「君のことしか考えられない。君のせいで破滅だ」とグチグチ言うデイヴ。「僕はあんたの望むような人間(ゲイ)には決してなれない」、とはっきりデイヴの気持ちを拒絶しようとするルシアンですが、デイヴは、「そんなことない。君は僕の理想だ(ぐふぐふ)」と食い下がり、ルシアンの顔に触れようとして、またビシッと振り払われてます(あはれ)。

「僕はクィア(queer:ホモ)じゃない。他の男を見つけろ」と、これまたはっきりお断わりしてますが、デイヴには馬の耳に念仏状態。ちなみに 『クィア』という言葉はあまりよい表現ではありませんので、ゲイの方には言わないようにしましょう。

気持ちが高ぶって、またもぐふぐふ嗚咽するような声を出しながら(うへぇ〜)、ルシアンに乗りかかるデイヴ(ぶひーっ)。ルシアンが「やめろ!」と言っても「愛してる!」と叫びながらルシアンの手を押さえつけてキスしようとするデイヴを、応援したいのか、やめろエロおやじ〜!と野次りたいのか管理人もわからなくなってきました…(^^;)

腕で頭をおおってキス攻撃を防ごうとするルシアンですが、あろうことかデイヴは、上がダメなら下に行ってみよー!とばかりに、「僕を愛してくれ!」と言いながら ルシアンの禁断のベルト に手を伸ばします(あわわ…)。さすがにルシアンはデイヴを思いっきり突き飛ばし、右ポケットに入っていたボーイスカウト・ナイフを取り出し、デイヴに振りかざします。

ここではデイヴのほうが胆が据わってますね。手のハンカチをびしっと振り落として、『君に殺されるなら本望だ』と言わんばかりに両手を広げて、ルシアンに近づきます。そして、ルシアンにぼかっと一発お見舞い(きぃっ#)。ところで、このぼかっという音が、映像と合っていないのがかなり気になりますね。

ジョーンが部屋でタイプを打っているところに、血まみれのルシアンが入ってきます。びっくりしているジョーンとバロウズに、「デイヴを殺した」と語るルシアン。「話をしに公園へ行って、僕に執着するのを止めさせようとした。僕にキスして、やめようとしなかった。そして、僕を犯そうとして… 刺してもそれでもやめようとしなかった…」と、淡々と語るルシアンが気の毒ですね。

文献や監督コメンタリーによると、ルシアンはまずバロウズのアパートに行って事件のことを告げ、自首するようアドバイスを受けた後、ジョーンのアパートに行って、ジャック・ケロアックとジョーンにも相談したということです。しかし、映画ではジョーンのアパートに真っ直ぐ行って、その場にいたバロウズとジョーンに話した、ということになっています。まあ、ドラマの構成を考えた監督の都合でしょう。

しかし、よくわからないのがバロウズとジョーンの反応。過剰防衛とはいえ、頭のおかしい男に襲われそうになって殺してしまったんですから、友達だったらもう少し慰めるようなことを言ってくれてもいいと思うんですけどね。「デイヴのあなたへの執着の仕方は異常だった。私たちがちゃんと証言してあげるから」とかナンとか、私だったら言ってあげると思うんですけど、ルシアンをひいきにする私だけの感想でしょうか。


Photo: S Press Beatland
本当に災難としか言いようがないのですが、とにかくこうしてルシアンは、1944年8月13日、デイヴィッド・カマラーの心臓をボーイスカウト・ナイフで2度刺して殺し、死体をハドソン川に捨てます。バロウズのアドバイスを受けてルシアンは翌日自首しました。これはかなり大きく扱われたニュースで、新聞の1面を飾ったそうです。

左の記事は、この『デイヴ事件』の続報で、『友人殺害の学生は黙秘』といったことが書かれています(が、小さくてよく読めません)。不鮮明な写真ですけど、やっぱりルシアンって美しいですね(うっとり)。陪審にも受けが良かったんじゃないでしょうか。

ルシアンは、第二級故殺罪で有罪判決を受け、10月9日、ニューヨーク州立 エルマイラ少年院に送られます。仮釈放されるのはその2年後ですが、ルシアンみたいな子を少年院に送るなんて、オオカミの群れに羊を入れるようなものではありませんか。いっそのこと
デイヴにヤラせといたほうが被害は少なかった かと思いますが…(←こらこらっ#)

気になるルシアンの年齢ですが、残念ながら正確な誕生日を見つけられません…。ご存知の方、ぜひ教えてくださいませ。ちなみにバロウズは1914年生まれですので、ルシアンが10歳年下ということで、1924年生まれとすると、1944年のデイヴ事件の時は、19歳か20歳ということになりますね。州によって違いますがアメリカでは通例 21歳未満は未成年とみなされるはずですので、刑も軽く少年院送り、ということになったのでしょうか(しかし、州法について全く知りませんので、あまり信用しないでください… ←をい)

映画のほうに戻りますが、ルシアンはデイヴのタバコの最後の1本をバロウズに渡します。オープニング・クレジットに出てきたラッキー・ストライクですね。デイヴの血で染まっているのが実に生々しいです。そして、ルシアンは部屋から出て行き、バロウズは呆然とするジョーンに、「最悪の結末になるとわかってた」などと言いますが、そんなこと今さら言われてもねぇ…。それから、デイヴの最後のタバコを吸って、血まみれのパッケージを破いてトイレに流します…。(さらばデイヴ。ほんとに疫病神みたいな男でしたねぇ)




(Bに続く…)




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