DARK HARBOR ネタばれストーリー解説 @



しつこくダクハバ祭り開催中です…(どんどんひゃらら)
勢いに乗って監督コメンタリーも聞いてみました。そしたらなかなか面白かったので、やっぱ加筆してお届けしようかな〜と思った次第です。

とにかく監督すっごい熱弁ふるってます。この作品にかける意気込みが伝わってきますが、ちょっと力入りすぎですよ〜(^^;) 監督さん結構若いんでしょうねぇ。なんだかムダにエネルギーもらってしまいました(笑)。割と撮影の技術的なことをとうとうと語ってらっしゃるんですが、「このシーンは別撮りで…」とか「これはなんちゃらカメラで撮って照明は…」とかいうのはあんまり興味ないので、飛ばしました。

まあ例によって私が面白いと思ったトコしか書き出してません(すいましぇん)。よかったらお付き合い下さい。青字で書いているのが加筆個所です。



この回はノーマンの出番が殆どなく、夫婦の退屈な会話と、物語の伏線となる説明が延々と続くので途中で寝ちまう人続出ですが、これを乗り越えれば、もう後はノーマン出ずっぱりフェロモンむんむんの展開が待っております(^_^)

はーしかしすんごい鼻息荒くてすみません…。今読むとはずかち〜 (*^_^*)





冒頭のオープニング・クレジットはどんな映像にするかなかなか決まらなくて、結局ご覧のような雨の山道シーンを入れることになったんですが、この雨の山道の映像は4秒ほどしかなかったので、スローモーションにした上、同じフィルムを何度も繰り返してるんだそうです。そう言われてみれば、雨の降り方が繰り返しに見えないこともないですが、まあ上手いことやりくりしてますよね。この手の低予算映画の苦労話は『デュース・ワイルド』とかで聞き飽きてらっしゃるかもしれませんが、私こういう貧乏くさい話大好きなもんでつい…(^^;)

豪雨の中、車を走らせているウェインバーグ夫妻。旦那デイビッドと奥さんアレクシスの2人は、奥さんが所有する島の別荘で、週末を過ごす予定です。島行きのフェリーに乗り遅れそうなので、雨で滑りやすくなっている道路をかなり急いで運転しているようです。奥さんは淡白な人らしく、雑誌なぞ読んでいますが、デイビッドが乱暴に取り上げて、「とにかく道路を見ていろ!」と怒鳴りつけます。ハイドロプレーニング現象で危ないから助けが要るんだ、などと理由を説明していますが、奥さんが道路を見ているからといって一体ナンの助けになるのか… 善良なる市民の皆さんは、既に映画を見られていることと思いますので早速ネタばれですが、この辺は奥さんにノーマンを見つけさせるためのデイビッドの策略なんですね。

次にデイビッドはおもむろにスピードを落とし、(神経質に)クラクションを鳴らします(これはノーマンへの合図)。奥さんは自分に対する嫌がらせと思って、「一体なんだっていうの?」と問いただしますが、デイビッドは再び「いいから道路を見てろよ!」と念を押します。

ところでこの車のシーンでは、車は動いておりません。実はとってもいい天気の日に森の中で停まってる車で撮影したそうですが、お日様を隠して雨をだーだー降らせ、あとは撮影監督の Walt Lloyd さんの腕で、どしゃ降りの中を走ってる車の緊張感を出しています。(役者さんもがんばってますよね)

さて、素直に道路を見ていた奥さんは、お遍路さんよろしくタイミングよくバッタリ倒れる若い男(←ノーマンです。うふ)を見つけて「とめて!」と言います。フェリーに乗り遅れる、などと一応デイビッドは抵抗しますが、もちろん車を停めます。夫妻は道端に倒れている青年(なぜか名前がないので以下ノーマンと呼びます)のもとに駆け寄り、警察を呼ぶ、呼ばない、で言い合いますが、いきなりノーマンが目を覚まして、「警察はやめてくれ」と頼みます。ノーマンは雨でびしょぬれ、顔にも傷や血がついており、誰かに相当殴られた上(♪)道路に捨てられた模様。

このノーマンがばったり倒れるシーンの編集には8時間くらい費やしたとか。見せ過ぎもダメだし、全然見えないのもダメですので、人か動物か、怪我してるのか死にかけてるのか、よく見えないけどちゃんと目に入るようなちょうどいい長さのショットをいろいろ検討したそうです。

とにかく警察はイヤだ、と言い張るノーマンを放って置けず、夫妻はフェリー乗り場の街(リンカーンビル)まで乗せていくことにします。やっとノーマンの顔が正面から見られますが、左目の青タンが痛々しい… 他人がいるのに夫婦は、フェリーに乗り遅れるからスピードを上げる上げないで厭味なやりとりをしていますので、なりふり構わぬ倦怠期のご様子。

この映画は3人の演技に全てがかかっていた、とおっしゃる監督さん(そーだそーだ!)
キャスティングは難航したようですが、監督は最初から絶対アラン・リックマンに出て欲しかったそうです。洗練された小さい作品や予算たっぷりの大作の悪役を得意とする有名な英国人俳優に、(本作のような)ボストン在住ユダヤ人弁護士をやらせるのは、普通は考えられないことだけど、彼にはこの役をやるのにちょうど相応しい資質と激しさと知性があり、魂の美と心の脅威
(なんじゃこの訳! すいません、なんかうまく日本語にできなくて…)を併せ持っている、とか。

奥さん役のポリー・ウォーカーは、監督の頭の中ではアレクシスを演じられる世界でたった1人の女性、だそうです。実は私もこの奥さん結構好きなんですよね。ノーマンに絡むし
リックマンさんにヒドイので割と嫌われやすいキャラみたいですが、やっぱ奥さんはこの人でないと…(うむ)

ヤングマン役のノーマンについては、「ちょうどいい具合に影と実体(ghostliness and substance)を役にかもし出してくれた」と褒めて(?)らっしゃいます。今どきの若い役者にはミステリアスな感じがしなくてがっかりさせられるけど、「ノーマンは別に努力しなくてもそう(ミステリアス)なんだ」 ですって♪ (いや〜そうだろそうだろ〜がはは! ←大喜び)


当然フェリーに乗り遅れ、謝るノーマンに、「あなたのせいじゃないわ」と優しい奥さん。「じゃあな、またな、バイバイ」ととっとと追い払おうとするデイビッド(まー無理しちゃって)を尻目に、奥さんは青年にお金を渡し、握手して別れます。おずおずと子犬のような瞳(ぶひーっ)で見上げるノーマンに奥さんもヤラれた模様。(ところで、お札の金額は不明。たぶん20ドルくらいではないかと…→根拠なし)。

「(握手した)手をアンモニアで洗ったほうがいい」などと憎まれ口をきくデイビッドですが、「あら、どうして? 私の手を握りたいの?」とやり返す奥さんも、いい勝負。相当冷え切った夫婦のようですね。

船に乗り遅れたので港で一泊することになり、ホテルの部屋を取る夫妻。酒をごっそり買いこんで、奥さんがテレビを見ているデイビッドに夜のお誘いをかけますが、デイビッドはいきなり、船着場に置いてある食料の事を思い出し、マイクとメアリ(たぶん別荘の管理人夫婦)に電話しなきゃ、などと言ってムードぶち壊し(要するに奥さんとヤリたくないのですよ/苦笑)。申し訳ないですけど、この辺は退屈なので早送り。

翌朝、カーフェリーに乗って島へ向かいます。車の中で奥さんは「あの男の子、一体どうしたのかしらね」とノーマンのことを気にしています。一瞬ヤキモチを焼いているかのようなデイビッドの顔が映りますが、やはり「しめしめ、上手く行ってるぞ」という表情のように見えます。そしてコーヒーを買いに船橋へ。

さて船の片隅で丸くなってるノーマンが目を覚まします。ニャンコっぽくて実に可愛らしい♪ 昨夜びしょぬれだったのに、港(の船の上)で野宿なんてして、大丈夫なんでしょうかね?
(それとも どこか誰かとしけこんでたのでしょうか?←こら#)

船橋に上って行くノーマンとデイビッドがすれ違ったと思わせる意味深なショット。どんな会話が交わされたんでしょうね。少なくともデイビッドのコーヒーを1口飲ませてもらったことでしょう。それか、コーヒーを買うシーンは映っていませんので、デイビッドはノーマンの分もコーヒーを買って、「寒かったろ〜ハニ〜♪(でれー)」などと言って渡したのかもしれませんね(と妄想)。

監督もやっぱりここで、「ちょっとわかりにくいだろうけど、壁の向こう側でノーマンとデイビッドが短い会話を交わしてたんだぜ〜」ととっても熱入れて説明してらっしゃいます(笑)
そして、デイビッドがコーヒー持って車に戻るシーンは、船橋から見下ろす角度で映ってますが、ノーマンの目線で撮られてるんだそうです。(なるほど)

ところで奥さんの島のロケに使われたのは、実際は島ではなくてメイン州のノースポートにある海岸だそうです。背景に海を入れて小さい島っぽく見せていますが、実は本土と陸続きなんですね。ちなみに、メル・ギブソンの 『顔のない天使』 が撮影されたのと同じ場所だとか。


フェリーを降りて、今度はモーター・ボートに乗り換え。いよいよ奥さん所有の島へ向かいます。別荘の前でキノコを見つけしゃがみこんで観察(?)する奥さん。デイビッドが「たかがキノコじゃないか」とうんざりした口調ですので、奥さんはキノコを見ると理性を失うキノコフェチ(は?)のようです。島の別荘でブランチ?(たぶん)をとりながら、夫婦は話をしてますが、ノーマンは登場しないし、どうでもいい内容なので(失礼!)、管理人特権で割愛。

ロブスターを取りにボートを用意する奥さんを、半ば強引に連れ出す旦那さん。花やランチ・バスケット(?)らしきものを置いたり、フランス語で Mon Amour (My love) とか言ったりして、わざとらしいラブラブ演出。対岸に行くにはモーター・ボートを使い、ちょっと遠出するときは手漕ぎボートで大きめのヨットまで行って、豪勢なセーリングを楽しむようです。

前方が霧で覆われ視界が悪くなってきているのに強引に突き進むデイビッド(→当然理由があります)。突然船は何かにぶつかって、2人は甲板に叩きつけられ、ランチ・バスケットは海に落ちてしまいます。奥さんは(救助要請用の)照明弾を使って、と言いますが、デイビッドは7月4日の独立記念日に使ってしまって補充していない、と言い訳してます。まーしらじらしい。(ところで独立記念日に花火と一緒に船の照明弾も打ち上げたりするんでしょうか?)

とりあえず船は沈まず、どこかの島に乗り上げただけのようです。奥さんを残して、焚き火の見える方向にデイビッドは様子を見に行きます。霧の中から戻ってきた人影は明らかに旦那とは違う男だったので、思わず大声で「デイビッド!!」と叫ぶ奥さん。デイビッドは焚き火から木切れを拾って、見知らぬ男(というかカメラ)に殴りかかります。そして男は気絶(たぶん)。

男はノーマンだったのですが、(気絶から覚めた)ノーマンの目線から夫婦を見上げます。ノーマンの額には血が付いてますけど、絵の具かしら? (まさかほんとに殴ってはいないと思いますが…だから気絶もお芝居かと…)

やっぱここで監督が、「青年は殴られたふりから目が覚めたふりして痛そうなふりしてる」と言ってます。がんばれヤングマン!(笑)

ところでここで、役者さんたちの衣装について言及されてますが、デイビッドやノーマンは素朴で穏やかな色の服を着ているのに対して、奥さんは徐々に赤い色を身につけるようになります。ここではバーガンディー(赤紫色)のベストみたいなのを、翌朝には鮮やかなスカーレットのドレスを着ますね。ヤングマンが去ってしまう前の最後のあがきで彼のホルモン分泌を促がすためだとか(ふが !?)


すっかり日が暮れ、焚き火のそばでノーマンの(ぶん殴られたあたりの)頭の様子を見るデイビッド(なにげに仲良さげ…笑)。お腹を空かせてるらしい奥さんに、ノーマンはパン(フレンチ・バゲット?)をあげます。この焚き火をよけながらのパンの渡し方が、すっごく心を惹かれてしょうがないのですが私だけ…?

さて、昨日別れてからノーマンがどうしていたかの説明ですが、取りあえずフェリーで野宿し、目が覚めた時には既に船は動いており、到着先の町(ホルスベリー)に降ります。そこでふらふらとしているうちに、誰かのボートを拝借してまた海に出て、この無人島(?)に漂流した模様。さて、ここで地名がたくさん出てきてそれぞれの位置が分かりにくいので整理しますと、

  • ボストン
      ↓  冒頭車を走らせ、ノーマンを拾う
  • リンカーンビル(フェリーが出た港)
      ↓  カーフェリーで移動
  • ホルスベリー(フェリーが着いた港)→ノーマンはここでふらふら
      ↓  モーターボートで移動     ↓
  • 奥さんの個人所有の島       ボートを拝借
           ↓ (遭難)         ↓
           そして、無人島(?)で再会

となると思います。ところでここで、ノーマンがデイビッドのことを「彼、ホント弁護士なんだね」と聞いていますが、夫婦は肯定もせずに、なんと答えたものかわからないように顔を見合わせ、奥さんが(なんとなく厭味っぽく)「私たち毎月ハーバードの法律評論を読んでるから」と答え、デイビッドは「何言い出すんだこのアマ〜」というような顔で睨み返しているので、冗談なのか本気なのか当てこすりなのか、よくわかりません。後半でデイビッドは一族の鼻つまみ者というような言い方を(自分で)しているので、なんとなく彼は定職に就かず奥さんの財産にすがって生きている哀れなヒモ亭主という印象を受けましたが、もし弁護士だとしても名ばかりの売れない弁護士なのかなあ、という気が致します。

ここで監督が、「この2人(デイビッドと青年)は恋人で、ふか〜く愛し合ってるんだけど」というのを聞いてなんだか軽い衝撃を受けてしまいました。いやもちろん2人がデキてるのはよっくわかっておりますが、若い男に骨抜きのデイビッドはともかく、ノーマンのほうはゲーム感覚で年上の男を手玉にとって楽しんでるんだろうな〜くらいの印象しかなかったので、改めて監督の口から ふか〜く愛し合っている(deeply in love with each other とか聞かされると、やっぱりふたりは愛し合ってますかッ!(大声)…みたいな。

次にデイビッドがノーマンに何をしているのか、と聞き、ノーマンは「別に何も」と答えてます。要するにプータローですね。ところで、この直前デイビッドの質問の意味がわからず「は?」と聞き返すノーマンが猛烈にかわいい! お互い答えを知りつつ、相手について質問するこのシーンは白々しいですが、1度目に見た時は、デイビッドがノーマンのことを「うさん臭いやつだな」と警戒してるのね、とすっかり騙されましたので、計画は順調に進行していると言えます。


はーなんかヘンテコな訳になってしまってすいません。エーゴばっか聞いてるとうまく日本語に変換できなくなっちゃうんですが、ちょっと訳を寝かせて後でもっと良い訳が浮かんだらこっそり訂正しときます…(姑息) どうしてもノーマン関係のトコばっかりになってしまいましたが、「ここは何て言ってるの?」というリクエストがあれば大歓迎でございます(*^_^*)
…ってすぐ答えられるとは限りませんが(をい #)



Aに続く…)



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