「教育」とは、「教え、育む」と書き、意味もその通りです。
 近年、家庭教育力が低下してきていると言われます。残念ながら、実際その通りだと私も感じています。
 ある時、道路で汗をいっぱいかいた水道工事の人を見て、お母さんが子供にこう話したそうです。

  「あなたもよく勉強をしないとあのおじさんのようになるわよ。」

 その工事の人は、本当に勉強しなかったからこのような仕事に就いたのでしょうか。
 また、ある病院での事、大きな声を出してはしゃいでいた子供にお母さんが、

  「ほら、あのおじちゃんが見てるわよ。おじちゃんに叱られるから静かにしなさい。」

 他人に叱られるから、静かにしないといけないのでしょうか。叱られなければ静かにしなくていいのでしょうか。子供は、お母さんの教えをそう感じたかもしれません。また、親の責任として叱っていませんね。そこに真の教育は存在せず、子供にそんな事を言ってしまうとどういう大人になるかだいたい想像できますよね。(>_<)

 本当の教育力があるお母さんならば、

「こんなに暑い日に、おじさんが汗を流しながら一生懸命働いてくれるから、ママもあなたも、いつでも冷たくておいしいお水が飲めるのよ。感謝しないとね。」

と教える事で、この子供は将来きっと、労働の大切さや、汗を流して働く喜びを感じる子供になるでしょう。これが真の家庭教育です。

 教育する場所は、学校の机や家の勉強机で行うものだけではなく、学問の知識を詰め込む事だけが教育ではありません。子供が生活する場面や行動すべてが教育を行うチャンスなのです。それは、学校よりも家庭で生活している時にそのチャンスは多く存在します。
 新聞やテレビの記事やニュース、番組を見ながら子供に説明したり、話し合ったり、意見を述べ合ったり、ドラマを見て、「お父さん、お母さんはこう思うよ。」なんて会話も大切な教育です。また、ドライブやキャンプ、旅行に行って見聞きする事や体験する事、遊びや家庭の中でルールをつくり守る事を覚えたりする事も大切な教育です。

 子供が生活するあらゆる場面で、より良い社会生活が送れるように「人生の社会勉強」を親子で行い「教え、育む。」事、これが家庭教育なのだと思います。






家庭教育とは…