旧暦の3月の吉日を選んで行われる祖先祭で、中国の暦法にある二十四節季の一つ「清明」の季節に行われ一門そろって墓前で先祖の霊を祭る行事で、中国から伝来し、沖縄独自の雰囲気をもつものとなったようです。
親族の皆が集まりやすい新暦の4月の中旬、週末に多く、その間にできなかったところはナガリシーミー(流れ清明)といって、旧暦5月に入ってから行います。宮古・八重山など離島では、あの世の正月を祝う十六日祭(旧暦1月16日)が盛んに行われます。
まず門中墓の周辺の草刈り、清掃を行い、墓の前にござを敷き、その上にごちそうを詰めた重箱やお菓子、果物が並べられ、ウチカビ(紙銭)を焼き祖先を供養し、三線(サンシン)を弾き歌を唄い、この世の人も家族みんなでご馳走をいただきます。
特に沖縄本島南部は、「門中墓」といって一族全員が同じ墓に入る伝統があるため、清明祭の規模も必然的に大きくなります。また、清明祭は、祖先祭祀というだけでなく、親族間の親睦を深めて集団を確認し、結束を固める役割の大きい行事として捉えられ、最近ではピクニック的雰囲気もあります。
重箱の内容は主に、昆布巻き、揚げ豆腐、カマボコ、ゴボウ、豚肉角煮、魚の天ぷらなどです。清明祭で大変なのは女性たちで、前日から重箱の準備に奔走し、当日も早朝から大忙しになります。
お重箱 お菓子 お餅