沖縄では、旧暦の12月8日に鬼餅「ムーチー」を食べる習慣があります。

 糯米粉(もちごめこ)に黒糖や三温糖を加え、長方形に整形して、サンニン(月桃)の葉に包んで蒸して作ります。

 鬼餅「ムーチー」には厄払いの意味があり、仏壇、かまど等に供え、家族一同、特に子供の健康祈願、無病息災を願い食べられます。
 子供のいる家ではその子の年の数だけムーチーを軒下に紐でしばって吊るします。特に赤ちゃんが誕生して最初に迎えるムーチーの日を「初ムーチー」と言い、親戚や近所に配るという事もあります。 しかし、最近ではこのような良い慣習も少なくなってきました。
 こうした慣習は無くしたくないものですね〜。

 ムーチーには『鬼餅の由来』という民話があります。

 その昔、首里の金城(かなぐしく)に兄と妹が住んでいましたが、兄が大里に移ってから人を喰う鬼になってしまいました。妹は兄を退治するため「鉄餅」と「普通の餅」を作って自分は普通の餅を食べ、兄には鉄の餅を渡しました。鉄餅を食べられず困っている兄の前にわざと着物の裾を開いた妹が座ると、下の口が目に入りました。兄がそれは何かと問うと、『上の口は餅、下の口は鬼を食べるのよ』と答えると、兄は驚いて崖から転げ落ち死んでしまいました。
                        
 ムーチーの頃は、「ムーチービーサ」と言い、暖かい沖縄でも毎年その日だけは、結構「寒く」なります。

サンニン(月桃)の葉
「ムーチー」