Das Pferderennen
競馬愚痴



17.Mai.2006 Mitwoch 『Good Night, and Good Luck.』感想、テレビをどう使うか

 映画のラストで、デヴィッド・ストラザーン扮するエドワード・マローは次のように言います。
「もしテレビが娯楽と逃避のためだけの道具なら、もともと何の価値もないということです……(中略)……テレビは人間を教育し、啓蒙し、情熱を与える可能生を秘めています。しかしそれはあくまで使い手の自覚次第です。そうでなければ、テレビは機械のつまった『ただの箱』にすぎません」と。
 マローはまた、こうも言います。
「思想や情報はもっと重視されるべきです。いつの日か日曜の夜のエド・サリヴァンの時間帯に、教育問題が語られることを夢みましょう。スティーヴ・アレンの番組の代わりに、中東政策の徹底討論が行われることを夢みましょう。そうなったらスポンサーのイメージは損なわれるでしょうか?株主から苦情が来るでしょうか?そんなことにはなりません。この国と放送業界の未来を決める問題について多くの視聴者が学ぶのです。『そんな番組は誰も見ない』、『皆、現状に満足だ』と言われたらこう答えましょう。『私の個人的な意見だが、正しいという確証はあるのだ』と。だが、もし私の意見が間違っていたとしても、失うものは何もありません」と。この台詞の後に、前述したスピーチが続きます。もしテレビが娯楽と逃避のためだけの道具なら、もともと何の価値もないということですから、というスピーチです。
 昨年九月の郵政解散が思い出されます。郵便局を民営化することの是非が争点にされた選挙でした。報道ステーションやニュース23の街頭インタビューでは、多くの人々の口から、「民営化する理由がわかりにくい」「政府はもっとわかりやすく国民に説明してほしい」という答えが繰り返されました。日曜朝の討論番組や選挙特番だけでなく、WEBサイトや新聞、雑誌、書籍で賛否両論が紹介され、解説されていたにもかかわらず、です。情報はあふれていました。その気になれば調べられました。しかしその気にならなかった。そういう人たちが存在しました。
 郵政解散で始まったあの選挙は、断じて郵政選挙などではありませんでした。憲法改正、教育基本法改正、自衛隊のイラク撤退、社会保険制度改変、北朝鮮拉致被害者救済、東アジア外交といった、国の根幹に関わる問題を討議する議会を選ぶ選挙であったはずでした。しかしそうはなりませんでした。
 テレビが繰り返し訴えたからです。これは郵政選挙なのだと。朝5時30分から深夜25時30分まで、テレビは郵政と叫ぶ小泉首相を映し続けました。一種の洗脳が行われたとさえいえるかもしれません。言いすぎでしょうか?同じように小沢一郎が映され続けた4月、千葉補選で民主党候補が自民党候補を破りました。
 現在の日本のテレビは偏りすぎています。普段はバラエティーと意味のない情報の洪水(東京のラーメン情報、芸能人の私生活、占い師やスピリチュアルカウンセラーの恫喝)に視聴者を浸しておき、選挙となると小泉か小沢のどちらかだけを映し続けるのです。
 しかし最も深刻な問題は、テレビが偏ると、あっけなくそれにつられる視聴者の態度です。その不気味な無邪気さをこそ、恐れなければなりません。
 僕たちはテレビ番組をもっと厳しく選ぶべきです。意味のない番組があればスイッチを切りましょう。視聴率を操作しましょう。テレビを逃避と娯楽のためだけの道具ににしてはならないのです。
 マローの台詞にある「そうでなければ、テレビは機械のつまった『ただの箱』にすぎません」という一節は、テレビ番組の作り手の自戒であると同時に、テレビを『ただの箱』にしてしまうか、それとも政治を厳しく監視する『のぞき窓』として活用するかという、視聴者につきつけられた課題でもあります。

14.Mai.2006 Sonntag コスモバルク、星GIシンガポール航空国際カップ制覇

 朗報が飛び込んできました。
 道営競馬所属のコスモバルクが、シンガポールで開催されたGI、シンガポール航空国際カップで優勝したそうです。
 もう復活はないだろうと思っていました。逃げて持ち味を出す馬なのに、後方で溜め殺し続ける陣営の姿勢を、何度恨んだかわかりません。3歳時はクラシック路線をこの馬に賭け続け、おかげで有馬記念の馬券決戦にも負けましたが、古馬になってからは見放して馬券を買いませんでした。もう終わった馬だな、と考えていました。
 それが今回の快挙。念願のGI制覇、それも海外でのGI勝ちです。
 やったね!

13.Mai.2006 Sonnabend ヴィクトリアマイル考察、中距離実績を主眼に据えて

 今年新設された古馬牝馬限定1600mのGI。これまで、春は散発的なGIIIをあてどもなく使って過ごし、秋のエリザベス女王杯を目標にするしかなかった古馬牝馬にとって、春にも大きな目標が設けられたことは歓迎すべきでしょう。牝馬のマイラーなら安田記念を目標にすればいいじゃないか、といったヴィクトリアマイル不要論もありますが、京都牝馬や中山牝馬、福島牝馬といった存在価値のあまりわからなかった牝馬限定重賞が、これを機にGIの前哨戦として重要な位置づけを与えられたことは、評価してもいいと思います。
 東京1600mのGIですから、中距離実績が参考になります。1800m以上の勝ち数を見ると、3勝がレクレドール、ヤマニンシュクル、ロフティーエイム、ヤマニンアラバスタの4頭。2勝がマイネサマンサ、エアメサイアの2頭。1勝がダンスインザムードをはじめ5頭。ラインクラフトはいずれにも該当しません。
 ラインクラフトの好調ぶりは買いますが、一着まではどうかと思います。三着に落ちることもあると考え、三連複で馬券を組みます。
 6番ラインクラフト、16番ヤマニンアラバスタを軸に、2番マイネサマンサ、10番ヤマニンシュクル、11番ロフティーエイム、18番エアメサイアへ流します。ダンスインザムードは天皇賞・秋を除いて、東京で一度も連対がないのが気になります。

12.Mai.2006 Freitag 映画『ニュー・ワールド』感想と、同『ミュンヘン』についての私見

 映画『ニュー・ワールド』を観ました。物語の舞台は17世紀初頭の北米大陸。ネイティヴ・アメリカンが静かに暮らす森に、イギリスの入植者たちが来航し、砦を築く。やがて入植者の一人と、ネイティヴ・アメリカンの長の娘との間に愛が生まれるのだが……。
 長の娘ポカホンタスがかわいい。最初は、元横浜の駒田みたいな顔(縦長)だなと思っていました。しかしその縦長の縮尺に、だんだんと目を慣らしていくと、それまで気づかなかった味わいが、駒田の裏からじわーっとしみだし、実に魅力的な顔立ちに。あ、縦長なだけじゃないな、と。縦長は縦長だけれど、クラスに一人は必ずいた美人さんみたいな顔だな、と思えてくるわけです。まあ、縦長は変わりませんけれども。最後まで。
 『ニュー・ワールド』はキリスト教徒の映画です。自らの部族を追われるポカホンタスの人生は、失楽園と、失楽園からの救済の過程として描かれます。ポカホンタスの魂を救済するのは、一人の白人農園主であり、その優しさと献身、愛に他なりません。そしてまた、その過程は、キリスト教徒が異教徒の魂を救済していく過程でもあります。そしてこの救済は、娘が国教会の長たる国王の御前に招かれるという栄光とともに、絶頂に達します。救済された魂に、もはや地上にとどまる理由はありません。国王の宮廷を辞した直後、元ポカホンタスにして元野蛮人、元異教徒は、イングランドの婦人として、また英語を話す文明人として、さらには教化されたキリスト教徒として、天国への道につきます。
 『ニュー・ワールド』は新世界という題そのままに、白人の映画であり、キリスト教徒の映画であり、オリエンタリズムの表象でもあります。アメリカ大陸を新世界と呼ばない人々にとっては、嫌悪すべき映画であるかもしれません。しかし、僕はこの映画に、ある点で好感をもちました。それは、ネイティヴ・アメリカンにも意味のある台詞を語らせ、観客にもその意味を訳出して提示している点です。
 入植者は英語を話し、ネイティヴ・アメリカンは彼らの言語を話すので、劇中で両者が意思疎通することはほとんどありません。しかし映画を観る側は、字幕を通じて、双方の台詞を読みとることができます。「白人」側の台詞も、「野蛮人」側の台詞も、理解することができるのです。そして僕は、これこそが重要な点だと思うのです。
 三ヶ月ほど前、『ミュンヘン』という映画を観ました。オリンピック選手村でイスラエル選手団がパレスティナ過激派によって虐殺された事件と、イスラエルによる事件への報復の経緯を描いた映画です。理解できる部分もありました。イスラエルの情報部員は、事件を支援したパレスティナ人を暗殺していく過程で、多くのものを失っていきます。暴力に対抗するために同じ暴力で手を汚し、自分の命を危険にさらし、仲間の命を失い、ついには自分の家族までも失いそうになります。『ミュンヘン』の監督は、映画を通じて、暴力に意味はあるのか、と問いかけているように思えます。さらには、現在のパレスティナ・イスラエル間の暴力の応酬をも否定しているようにさえ、思えます。そう、『ミュンヘン』には理解できる部分があります。実にたくさんの部分が。しかし、たった一点において、僕は『ミュンヘン』に共感することができません。
 『ミュンヘン』にはたくさんの言語が登場します。英語、イディッシュ語、アラビア語。これらの他にもヨーロッパ諸言語が。日本語さえも登場します。そして、英語以外の言語には英語の字幕がつきます。ただし、アラビア語以外には。パレスティナ人がしゃべる言語には、まったく字幕はつかないのです。
 劇中で、パレスティナ人とユダヤ人の間に意思疎通は成立しません。しかしそれだけでなく、パレスティナ人と観客との間にも、意思疎通が成立しないのです。パレスティナ人は映画『ミュンヘン』において、理解不能の言語をしゃべる民族、という意味で「蛮族(バルバロイ)」そのままに描かれており、観客に対しても「パレスティナ人=わけのわからない言葉をしゃべる危険な奴ら」という印象を焼きつけるように演出されているのです。
 イディッシュ語は英語に訳し、アラビア語は訳さない。このことが、『ミュンヘン』を観てからずっと、心に棘のように引っかかっていました。『ニュー・ワールド』が比較の対象として適切かどうかはわかりませんが、少なくとも物語を描く上で、全ての登場人物に発言の機会を与える、ということが、物語の作り手のフェアな姿勢であるとするなら、『ミュンヘン』はその一点で救いようもなくアンフェアな演出がされている、といえます。

06.Mai.2006 Sonnabend NHK MILE CUP 馬券考察

 NHKは日本放送協会の略、と言っても、誰も驚いてくれない。せめて、その名を冠したGIの馬券で、JRAの人間を驚かせたい。
 有力馬がイマイチ勝ち切れないレースを重ね、しかも降雨の予報。どの馬にも勝機がある。展開ひとつで、大穴にもガチガチの本命サイドにも転ぶだろう。
 14番セレスダイナミックに期待する。相手には1番マイネルスケルツィ。この2頭を軸に、6番ロジック、8番ステキシンスケクン、9番ゴウゴウキリシマ、10番ダイアモンドヘッド、11番タガノバスティーユ、13番アドマイヤカリブ、15番キンシャサノキセキまで、三連複・7点に手を広げる。さらにまた、本線は三連複13-14-18番フサイチリシャール。
 正直、買いすぎたという感想が残る。

01.Mai.2006 Monntag 天皇賞結果、感想

 一着 07番ディープインパクト
 二着 11番リンカーン    
 三着 01番ストラタジェム  
 四着 14番アイポッパー   
 五着 06番トウカイカムカム 
 十着 09番デルタブルース  
 ディープインパクトは別次元の勝ち方だった。素人にとって、云々する気もうせるほどの、恐ろしい勝ちっぷりだったので、是非JRAのVideo Interactiveで確認してください。
 痛恨の極みは、リンカーンを軽視したこと。および、ストラタジェムも無視したこと。馬を見る目がない、というのは本当にこのことを言うのだろうと。いくら悔やんでも悔い足りない。
 しかし、馬を見てもいい馬なのか悪い馬なのかいまいちわからない、だから過去のデータを引きずり出して未来の予測のために使っているわけで。こんなことでめげていては、競馬ファンなどとうてい務まらない。

29.April.2006 Sonnabend 天皇賞・春、馬券

 逃げるトウカイの馬券が売れているが、概してこういう馬は垂れる。同じトウカイでもカムカムを買いたい。
 馬連で(ディープインパクトが圧勝すれば生涯の恥になろうが)、7番ディープインパクトを軸に、6番トウカイカムカム、9番デルタブルース、14番アイポッパーの三頭へ流す。
 前走日経賞組の取捨だが、リンカーンは過去二回のGI・二着の実績は買うものの、ここで改めて狙うほどの器ではない。明白な格下であるストラタジェムに、ゴール前、完全に脚色が劣った。年齢だろう。そのストラタジェムにしても、GIでの勝ち負けにはまだまだ……という印象がある。

27.April.2006 Dnnerstag 天皇賞・春、前哨戦についての考察

 前哨戦ごとの成績を整理しておきたい。
 馬券は馬連で考える。従って、取り上げるのは、天皇賞で一・二着にきた馬は、前哨戦でどこを使っていたのか?ならびに、前哨戦での着順はどうだったのか?の二点である。
 過去十年の一・二着馬計20頭のうち、阪神大賞典(GII・3000m)からの馬が9頭。日経賞(GII・2500m)からの馬が4頭。大阪杯(GII・2000m)は2頭。中山記念(GII・1800m)が1頭。さらに、大阪-ハンブルクC(OP・2500m)2頭、ダイオライト記念(交流GII・ダート2500m)1頭、有馬記念(GI・2500m・休養明け)1頭が穴パターンをつくり出している。
 大阪杯の一・二着馬が過去十年で一度も連対していない事実は面白い。やはり大阪杯組は、なぜ同じ阪神競馬場で天皇賞と距離が近い阪神大賞典を使わずに、2000mと距離の短いこのレースを使うのか、という理由が問われる。長距離の天皇賞・春の前哨戦としてこの中距離レースを選ぶ馬は、問答無用で減点して構わない、ということだろう。
 日経賞組の取捨は、そう簡単にはいかない。04年ゼンノロブロイ、01年メイショウドトウ、98年ステイゴールドは、この日経賞でそれぞれ二着・一着・二着。それなら日経賞の一着馬or二着馬を天皇賞でも馬券に、となるのだが、02年マンハッタンカフェ(日経賞・六着―→天皇賞・一着)の存在が、話をややこしくしている。
 今年は軸はディープインパクト(阪神大賞典・一着)で堅いが、二着以下はさっぱりわからない。とんでもない穴馬の台頭(それでも二着までだろうが)があるかもしれない、ということを踏まえて馬券を買いたい。

 

19.April.2006 Mittwoch 皐月賞感想、藤田騎手・石橋騎手が上手かった

 前半3ハロンが35秒6。それぞれ12秒3、11秒3、12秒0だから、速くない。ステキシンスケクンが逃げた割には、穏やかなペースだった。
 勝ち時計1分59秒9は、01年のアグネスタキオンの2分00秒3に近い。この時は、シュアハピネスが逃げて、前半3ハロンは12秒5、11秒5、11秒8の35秒8。今年より緩いペースにも見えるが、11秒台が2回続いているように、息を入れる間がなかった。結局、シュアハピネスは18着に沈んでいる。
 翻って今回、スタート後の400mから600mが12秒0。200mから400mが11秒3だから、0秒7の落差がある。その後も12秒台のラップが続き、再びペースが上がったのは、ようやく残り600mを切ってから。
 このペースの鈍化には、ニシノアンサーが強引にいかなかった影響が大きい。大外枠を引いたので、やむをえない面はあった。しかし、ニシノアンサーは先手を奪わないと勝てない馬。なぜ、逃げ馬の直後につけるのではなく、3番手に控えたのか。この消極的な姿勢のおかげで、2番手のフサイチリシャールはだいぶ楽ができたし、その他の先行勢もそうだった。終わってみれば、ニシノアンサーは14着。もっと持ち味をいかすレースをしてほしかった。
 メイショウサムソンはうまく乗られた。ラップタイムが落ち着いたと見るや、向こう上面でじわっと順位を上げていった。後方待機の有力各馬は、牽制しあって動くに動けず。直線ではさすがと思える脚で伸びてきたものの、残り400mの時点で、前との差がありすぎた。
 フサイチリシャールは、あの道中の手ごたえなら、1着もあるのでは、と思わせたが、直線で失速。距離が長かったせいだろう。成長力の問題ではない。

15.April.2006 Sonnabend 皐月賞は、良・梢重とハイペースを前提に

 重賞馬や無敗馬、連対率10割馬が集まった。どの馬も強そうに見える。18頭中18頭とはいかないが、10頭くらいは皐月賞馬になってもおかしくない戦績・血統背景を持っている。取捨選択は難しい。
 前走1馬身以上の差をつけて完勝した馬は少ない。ステキシンスケクン、ジャリスコライトの2頭のみ。ただし、ステキシンスケクンは父ダンツィヒ、母父ミスタープロスペクター。1200mでもガツンと飛ばしていくレースぶりを考えれば、2000mは持たない。
 持ち時計の面からは、前走中山2000mで2分01秒5があるアドマイヤムーン。昨年暮れの阪神2000mが、2分01秒9だった。着実に成長している。
 決め手でいけば、サクラメガワンダーが浮上する。1600mの未勝利戦で、上がり32秒9の切れ味を発揮。この時は届かず2着だったが、ちょっと距離が短かった。ラジオたんぱ杯では、アドマイヤムーンを直線で競り落としている。
 日曜は雨の予報だが、1oそこそこの降水量なら、気にする必要はない。ただ、重・不良にまで悪化するようなら、展開は全く違ったものになる。決め手に欠く先行馬にも台頭の余地が出てくるからだ。フサイチリシャール、ナイアガラ、キャプテンベガ、メイショウサムソン、フサイチジャンクがこれに該当する。上がり3ハロンが35秒以上かかるような展開が理想だろう。ただ、その場合でも、問題はステキシンスケクンの逃げがどれくらいのペースになるか。ニシノアンサーとハナを奪い合うようだと、先行馬には苦しいハイペースになる。
 2分01秒以下のタイムでの決着を前提に、アドマイヤムーンから、サクラメガワンダーとジャリスコライトへの馬連を買う。

11.April.2006 Dienstag 皐月賞の展開メモ

 逃げ馬:ステキシンスケクン単騎先頭。ニシノアンサー、フサイチリシャール、ゴウゴウキリシマ、メイショウサムソンは二番手以下に控える。ただ、ニシノアンサーは強引にいくかもしれない。いずれにしても、時計は平均からややハイペース。
 好位差し:ナイアガラ、グロリアスウィーク、ジャリスコライト、キャプテンベガ、インテレット。
 差し・追い込み:フサイチジャンク、アドマイヤムーン、サクラメガワンダー、ディープエアー、スーパーホーネット、トウショウシロッコ、ドリームパスポート、ショウナンタキオン。
 道中の位置取りはおおよそこんなところかな、と予想。ただ、雨が降って馬場が悪化するようだと、アドマイヤムーンやサクラメガワンダーあたりは、がらっと戦法を変えてくるかもしれない。
 前に行く馬は苦しい。良馬場なら確実にジャンク、アドマイヤ、サクラは脚を伸ばしてくるはずで、これにフサイチリシャール、グロリアスウィーク、ジャリスコライトあたりがどこまで抵抗できるか、の争いになる。
 低人気の逃げ・先行馬が穴パターンではあるが、今年はそう楽なタイムには落ち着かない。各馬の実力がきちんと結果に表れるだろう。

09.April.2006 Sonntag 桜花賞回顧、フサイチパンドラは苦しい

 キストゥヘヴンが、直線で食い下がるアドマイヤキッスをねじ伏せ、派手な差し切り勝ち。3着には馬場の内目からよく伸びてきたコイウタ。
 瞬発力で勝る(上がり3ハロンで35秒台前半を記録したことがある)馬が上位を占めた。
 差し・追い込み馬の台頭かと見えて、4着に逃げたアサヒライジングが残っている。この馬も、2歳時だったが、東京で上がり34秒台を記録したことがある。逃げ馬ながら、スタートからゴールまで、ペースを緩めることなく、一定のスピードを保ったまま走れるタイプだ。
 反面、人気を背負ったテイエムプリキュアやフサイチパンドラは、上がりが切れるわけでもなく、逃げて自分のペースでレースを作れるわけでもない。ベストと思われるマイル戦で、両頭とも見せ場がなかった。テイエムは、ごちゃつく内に入ってしまい、また、フサイチは道中引っかかってしまったなど、展開面での言い訳はつかないでもないが、時計面から見れば、はっきりと実力負けだろう。
 出遅れたアルーリングボイスは、直線でよく差を詰めた。1600mは長すぎる感があったが、これでスタートがまともだったら……と思わせた。今後、レースと距離を選んで使えば、単なる早熟馬では終わらないだろう。

02.April.2006 Sonntag 福島中央テレビ杯はストーンブリッジに

 春の福島競馬が開幕。開催一日目の土曜日は鮫島3勝、小野3勝。渋い騎手にも勝てる馬が回ってくるのが福島。楽しい季節が始まりました。
 二日目の今日、日曜メインは11Rは福島中央テレビ杯。先行して持ち味の生きる7番ストーンブリッジを軸に、関西馬とチーム藤沢へ流します。
 馬連で、7から8、9、10、11、15への5点勝負。

19.März.2006 Sonntag 今年は2005年じゃなくて2006年だった。

 FF12が4000円を切るまで、というつもりでちょっとAOMTTを再インストールしてしまった。先日、教○員課の先生に怖い目で「勉強して一次は通ってください。勉強してください」と言われたのは忘れた。僕のアタマは武部勤級の記憶量なのだ。わはは。
 まずい。一日二回ゲームを干すくらいにはまった。自動生産とか、神話ユニットとか、ティタンとか、おお結構バランスいいなと。無駄に3Dで重いのがアレだが。トクソテスで守りつつ、四体のキュクロプスで中心を陥とすこの喜び。右往左往する敵のトゥルマ。炸裂するエジプトの裏中心。
 いいんだろか。同年代の男が平均的に陥としてるものって、鉄壁の営業相手だったり、ちょいムリ目の姉ちゃんだったり、ボブ・デービッドソンだったりすると思うのだが。
 そういえば、阪神大賞典が終わりました。この結果からすると、勝ったディープインパクトは春の天皇賞でも磐石。これを本番で覆すとすれば、良馬場でマイナス体重で出てきた時のアイポッパーか、最終追い切りで終い12秒を切ってきた時のデルタブルース。ステップレースで2000mの大阪杯や、中山の日経賞を選ぶような馬にはちょっと勝ち目はないでしょう。正直、ドバイ・シーマクラシックを勝つ(だろう)ハーツクライとの対決を春天では観たいと思うのですが、それが実現しなければ、ディープインパクトを頭にしての馬単で、デルタ・アイポッパー・シルクフェイマスあたりを相手に買うことになるでしょう。超がつくほどのステイヤーの台頭がない限り、ディープインパクトのGI4勝目はほとんど確約されています。

26.Februar.2006 Sonntag 弥生賞ではナイトレセプションを

 固く収まるイメージのある弥生賞。しかしここ5年の間に馬連2000円を超える小・中穴決着が二度あり、3着に限れば6番人気以下が2度突っ込んできていることから、あんまり鉄板の線で考えるとかえって損をするかもしれない。
 前走中山組から人気の盲点になる馬を拾いたい。穴っぽい馬は全て前走に中山を使っている。メテオバースト(04年6番人気3着)、コスモインペリアル(03年7番人気3着)がこれに該当。今回の登録馬を見渡すと、スーパーホーネット、トウショウシロッコ(回避予定)、ナイトレセプションの3頭がいる。スーパーホーネットは前走が朝日杯2着で人気になりそうだが、距離に不安が残る。面白いのは弥生賞と同じ舞台の葉牡丹賞でフラムドパシオンを破ったナイトレセプション。その勝ち時計1:59.9は秀逸の一言で、今回も仕上がっていればアドマイヤムーンをあっさり千切る場面も考えられる。
 二番手候補だが、サクラメガワンダーは阪神のラジオたんぱ杯から直行のローテーションが減点材料。しっかり使われているアドマイヤムーンに軍配があがる。


19.Februar.2006 Sonntag カネヒキリの世界制覇

 カネヒキリはドバイワールドカップを勝てるだろうか?
 Roses In Mayが勝った昨年こそ2:02:17での決着だったけれども、04年は2:00:24、03年は2:00:48、02年2:01:18、01年は2:00.47、00年にいたっては1:59.5の勝ち時計。
 ダート2000mでのカネヒキリの最速記録は2:03:8。この数字では勝てない。もともと、芝のレースではまったく勝負にならなかった馬で、固い馬場でも速い時計は出せない。三歳時に芝で勝ちあがれず、路線を変えて未勝利―→五百万下条件をダートの1800mで連勝した。しかし、未勝利が良馬場で五百万下が重馬場だったにもかかわらず、勝ち時計は1:53:3で変わらなかった。2000mで2:01:0を切るようだと勝てないだろう。
 しかし以下のように考えることもできる。
 1.カネヒキリが成長しているかもしれない。前走のフェブラリーステークスでは1600mを1:34:9で勝った。もう400mを26秒で走れば、2:01:0を切るタイムが出る。これなら本番でも充分勝負になるだろう。
 2.他の馬と競りあう展開になれば、速い時計が出るかもしれない。これまでのカネヒキリのレースはほとんどが楽勝。突き放して勝てるから、騎手が本気で追う場面も少なかった。しかしジャパンカップダートのように、他の馬と並んで叩きあう展開になれば、本来の能力を超えるタイムでも乗り切ってしまう可能性がある。
 3.芝で結果が出なかったのは能力の問題ではなく、単に体調が悪かったからかもしれない。芝でのカネヒキリは、新馬戦こそ4着に粘ったものの、続く未勝利を11着、ダートの連勝後に臨んだ毎日杯を7着に敗退している。しかし未勝利は輸送もあってマイナス12キロ、毎日杯でもマイナス8キロと体重が減っていた。したがって、芝での敗北は、速い時計が出る固い馬場への適性うんぬん以前に調子が悪かったからだ、とも考えられる。
 僕はカネヒキリは勝てないと思っている。しかし、上のように考えてきて、この先入観がちょっとずつ揺らいできた。ひょっとしたら本当にドバイワールドカップを勝ってしまうんじゃないか。なんだかワクワクしてきたな。



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