Das Pferderennen
競馬愚痴



12.September.2005 Montag 自民党圧勝

 ポスターに一人で映る勇気が持てず、必ず中央の「人気者」と一緒に並んでいる政権党の候補者に胸糞が悪くなることしきりの選挙期間でした。しかもそれが勝っちゃうんだから本当にもう。
 もっとも、アナウンサーを出しておけば票を取れるだろうという選挙民を舐め切った野党第一党の姿勢にも、非常に気分が悪くなりました。しかも、これまた比例で受かっちゃうんだからもうもうもう。
 僕が住んでいる小選挙区の話です。しかし宮城全体でも自民の圧勝でした。お隣の選挙区では民主党箪笥屋候補が二敗目。でも彼女は先の市長選で自公候補の応援に回りましたから、今回の負けは自業自得と諦めもつくでしょう。諦めがつかないのは、ふらふらと定まらないそのお尻を追いかけさせられた民主支持者の方ですか。

05.September.2005 Dienstag オサレなキャフェーで原稿を書く汗達磨

 神田のスタバにて突然、面接二時間前にそこでしゃべる原稿を作っているあたりが病巣なのかもしれない、と稲妻が走ったような衝撃をもって悟る。
 前の晩に、神保町で欲しかった本を探していて、中学時代に友達から見せてもらった覚えのあるエロ小説にばったり再会。訛りがどうたらこうたらいう石川啄木の詩心に共感して泣きそうになる。
 面接でこの感動を伝えようと思ったものの、肝心の啄木の歌が思い出せなかったので断念。
 もしかしたら、僕自身が病巣なのではなかろうか。

04.September.2005 Sonntag お年寄りから子どもまでみんな大好き

 社民党はオムライス。
 卵アレルギーの子どもは案外多いわけだが。

02.September.2005 Freitag 現実を認識しているという迷惑な自負

 地位も名誉も収入もある見識豊かな男が言った。「日本は平和ボケだ」と。
 ひたすら石を積んで生活している男が言った。「不満なら出て行け」。

31.Juli.2005 Sonntag 学園祭、もしくは社園祭

 20ウン時間テレビはお祭りだと思います。お祭りですから多少は行き過ぎがあっていい、とも思います。昨年、釣瓶師匠のボロチン事件を観ていた僕は、テレビの前で快哉を叫びました。あの日、モザイクなしで全国に開陳された釣瓶師匠のツルベには、製作者の意図を逸脱して走り出した番組の力、というか、迫力とでも呼ぶべきものがありました。
 それは、毎年八月の末に連呼される「愛」とか「地球」とかいったプロパガンダの対極に位置するものであったように思います。
 細っこい目をした一介のお笑い芸人が、日本中を相手に喧嘩を売って見せたのです。彼はその股間で語りかけました。愛だとか、地球を救えだとか、御託を並べたってお前らは聴かねえだろ。そんな戯言を聞かされるより、お前らが心から観たいと思ってんのを観たほうがいい、そしてその観たいものってのはこれなんじゃねえのか?
 去年のあの日、剥ぎ取られたのはたった一枚の布団でした。しかしその下に隠されていたのは、たった一本の笑福亭などではありませんでした。
 温暖化ガスは削減した方がいいけれど、でかい車には乗りたい。アフリカ人百人の食糧に相当するエサを牛に与えなければならないとしても、ハンバーガーは80円のままがいい。飢餓人口の縮小のために後発地域の経済発展は重要だが、日本にとってより重要なのは、トヨタやニッサンがもっと安い人件費で生産活動できる地域を確保することであり、そのためには地球人口の中で貧困層は常に一定に保たれていなければならない。
 僕は日々パイを食べている、そのパイの大部分は発展途上国ないし未発展国に生きる人々の血で味つけされている。その事実から目をそむけて「愛は地球を救う」と叫んだところで、自分より弱い立場の人々の生き血を啜りながら成立する愛って何だろう、という疑問は消えない。
 どこかのテレビ局みたいにそんな矛盾したキレイゴトを並べ立てたりせず、愛とか地球とか考えないで今この瞬間を楽しもうぜ、観たいものを観て、考えたいことを考え、楽しみたいものを楽しもうぜ、と一芸人の赤裸々な下半身は語りかけたのです。
 その行為は、まさしく「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを地で行くものでした。
 それが昨年の話です。翻って今年はどうだったでしょうか?
 あれなら20時間程度の尺で足りたのではないでしょうか。ドラマが酷い出来でした。演技が酷い。脚本が酷い。キャラクター造型が酷い。あれがもし好評を博するようなことがあるとすれば、僕のような人間にもまだ希望の持ちようがあるというものです。僕は非才の身ではありますが、どんなに才能に乏しいとしても、あれよりはましなものが書ける自信がありますから。
 毎年、フジの20ウン時間テレビは日テレのアンチテーゼとして観てきただけに、今回の盛大な学園祭ぶりにはがっかりしました。民心を惑わす占い師、外資に飼い馴らされた金融資本家をもてはやす様には、もはや何らの批判精神も感じられません。
 学園祭ならぬ社園祭に電波を私用することは法律違反にはならないのかという疑問が生じます。
 ひところ盛んに言い立てられた放送局の公共性とは何でしょうか?もちろん、僕が下半身のご開帳が公共性の範疇に入る、などとは考えていないことはつけ加えておかなければなりませんが。

29.Juli.2005 Freitag 勝利

 相変わらず競馬禁止が続いておりますが、たとえ競馬場には行かなくとも、新馬・三歳馬・古馬の各路線の傾向くらいは把握しておきたいところです。
 今夏、既にデビューを済ませた二歳馬の内、勝ち名乗りを挙げているのはこれまでで50頭。
 血統面を見ると、サンデーサイレンス系ではスペシャルウィーク産駒が5頭、アグネスタキオン産駒3頭、フジキセキ産駒とメイショウオウドウ産駒が各2頭、マーベラスサンデー産駒、アドマイヤボス産駒ならびにタイキシャトル産駒が各1頭と続き、今年が最終世代のサンデーサイレンスの直仔も1頭が勝ちあがっています。
 ノーザンダンサー系ではフレンチデピュティ産駒が5頭、クロフネ産駒3頭と続き、Forest Camp産駒とオース産駒、メジロライアン産駒、そしてエリシオ産駒およびメイショウドトウ産駒がそれぞれ1頭ずつ勝利しています。
 レイズアネイティヴ系ではフォーティナイナー産駒が2頭で、以下エンドスウィープ産駒、シャンハイ産駒、ヘクタープロテクター産駒が各1頭ずつです。
 その他の系統で目立つところでは、プリンスリーギフト系のサクラバクシンオー産駒が4頭、ボールドルーラー系のボストンハーバー産駒が3頭、それぞれ勝ちあがっています。
 今後、芝の二歳重賞路線で狙うとすると、父フレンチデピュティ、母アルーリングアクト(父エンドスウィープ)の牝馬アルーリングボイスと、父サクラバクシンオーの牡馬ヒシハイグレードは、1200m〜1600mで通用しそうです。サクラバクシンオー産駒ではもう一頭、牡馬でアドマイヤカリブという期待馬がいます。この馬も1600mまでなら世代上位のように思われます。
 秋を迎えて中央で1800mや2000mといった中距離の500万下やオープンの番組がそろえば、当然スペシャルウィークやフレンチデピュティの産駒が中心になるでしょうし、夏を見送った新興勢力の台頭もあるでしょう。しかしそれまでの間、夏の小倉と札幌ではサクラバクシンオーやエンドスウィープの血が入った血統が主役になるのではないか、と期待しています。
 ただし新潟では、サンデーサイレンス系の血を考慮に入れる必要があるでしょうけれども。
 クロフネ産駒は現時点でフラムドパシオンが代表格ではありますが、十月以降の芝砂中距離の条件戦まで様子見と考えております。この馬とスペシャルウィークは、種牡馬としては二歳新馬戦からガンガン、というよりも、秋口の中山・阪神からの未勝利、500万下以降で渋さを見せるタイプではないかと思うからです。

17.Juli.2005 Sonntag 勝利

 武豊騎手が今日の小倉2Rで勝利し、通算2600勝目を飾りました。JRA所属では岡部幸雄騎手に次いで史上二人目の大記録です。
 武騎手は今夏、ゼンノロブロイでイギリスのインターナショナル・ステークスへの挑戦が予定されています。過去にブライアンズタイムの父Roberto、名牝Dahlia、JCでファビラスラフィンとの叩きあいを制したSingspielなどが優勝している歴史あるレースです。そこでの結果如何では、ゼンノロブロイのロンシャンへの参戦もありうるのではないか、と愚考していますが、さて、藤沢調教師の腹はどうなのか。いずれにせよ楽しみです。
 そうそう、勝利といえば、先日ジーパンを買い求めたところ、裾上げの必要が全くありませんでした。ささやかな勝利感を満喫。すぐに自分のちっぽけさが嫌になったのではありますけれども。

15.Juli.2005 Freitag 偏狭の危険

 図書館職員が蔵書の一部を独断で廃棄していた。最高裁はこの件をめぐって争われた訴訟で、廃棄が「不当」なものであった、と認める判決を下しました。
 この判決について、朝日新聞と産経新聞はともに、本日の社説内で同じ主張を展開しました。即ち、朝日は「公立図書館は住民に対して思想や意見などを含めてさまざまな情報、資料を提供している。最高裁はその役割に加えて、『著者にとっても考えや意見を人々に伝える公的な場だ』と初めて認めた。この考えを支持したい」と述べ、産経もまた「公立図書館は、地域の人たちが知識や教養を深める場である。そのためには、さまざまな考え方や見方に立った多くの分野の本や資料が広く公開されていなければならない。訴訟で問題とされた司書の行為は、著者の利益だけでなく、それを読みたいと思う人たちの機会を奪ったことにもなる」としています。
 今回の判決によって言論の自由が守られたことももちろん重要なことなのですが、僕にはこの一致こそが、今後の社会においてより大切なものであるように思えます。
 多様な考え方を許容する寛容な社会の中で、個々の成員が各様の意見を主張しあっていく。しかしそれらの主張は反論されることはあっても、焚書や弾圧にさらされることはない。
 一見当然のことであるように見えます。しかしこれが実は危うくもろい「当然」にすぎないことを、今回の訴訟は明らかにしました。
 後一月で「戦後」が還暦を迎えます。占領があり、講和会議があり、バカヤロウ!で解散になった国会があり、東京でオリンピックがあり、シンザンが三冠を達成した菊花賞があり、オキナワが再び日本領になった瞬間があり、王貞治がハンク・アーロンを超えた試合があり、タマモクロスをオグリキャップが破った有馬記念があり、多くの地震がありました。
 60歳を迎えた社会の度量が試されています。この試験に合格しようじゃありませんか。

07.Juli.2005 Donnerstag 祈り

 目を閉じよう。
 今日何が起きたかを考えよう。
 今日何が奪われたかを考えよう。
 今日僕たちが誰を失ったかを考えよう。
 彼がどんな顔をしていて、どんな声をしていて、どんな背格好で、どんな服を着て、どんな靴を履いて、どんな腕時計をして、どんなものが好きで、どんなものが嫌いで、どんな人を愛して、どんな悲しみを持って、どんな夢を抱いていたかを考えよう。
 想像しよう。
 想像しよう、みんなの前に広がっている未来について。
 想像しよう、彼らの前にも広がっていたはずの未来について。
 想像し続けよう。
 みんなが未来についての権利を持っているはずだ、と。それが奪われる理由なんてどこにもないはずだ、と。
 お互いに殺しあう理由なんて、初めから存在していないんだ、と。
 想像しよう、し続けよう、それが力になる。
 想像力という名の祈りを、今日のこの日に。

05.Juli.2005 Dienstag Cesario!

 アメリカン・オークスでシーザリオが勝ち、日本のオークスである優駿牝馬優勝とあわせ、日米二冠を達成しました。
 ハリウッド・パークのサイトに掲載された記事では「Cesario, under Yuichi Fukunaga, cruises to victory」と見出しをつけ、「シーザリオは残り500メートルで楽に進出してリードを奪い、レイクサイド・ターフ・コースの2000メートルを1分59秒03の重賞レコードで楽勝した」と日本産馬初の快挙を成し遂げた牝馬を讃えています。
 福永祐一騎手は談話の中で「今回のシーザリオのレースは、日本のオークスよりもよかったと思う」と語っています。優駿牝馬では、出遅れから後方待機策をとらざるをえませんでした。それでもナタの切れ味を発揮して見事に差し切ったわけですが、シーザリオ本来の姿としては、今回のような先行押し切り型が理想型なのでしょう。
 対照的だったのが、通算成績4戦4勝で一番人気に支持されたMelhor Aindaです。ヴェラスケス騎手が言うように、スタートで後手を踏んで道中は後方から。この遅れが全てだったようで、徐々に10番手から7番手へ進出し、直線勝負で切れ味を発揮するも、シーザリオから4馬身離れた二着に入るのが精一杯でした。
 今回の敗戦を、ヴェラスケス騎手は力負けだとは思っていないようです。あるいは、それを証明する機会が与えられるかもしれません。角居勝彦調教師はシーザリオの今後について「(ブリーダーズ・カップを視野に入れて)オーナーと話すことになる」と述べています。また、アメリカン・オークスでの米GI初制覇は最初のステップだ、とも語っていることから、ブリーダーズ・カップのメア・ターフで日米牝馬の再戦が実現する可能性は充分にありそうです。そして、もしそうなれば、日本の競馬ファンは再び快挙の報に接することができるかもしれません。
 今回のシーザリオの姿に改めて思うのは、日本に一大父系を確立したサンデーサイレンスの偉大さと、その裏で積み上げられてきた日本の馬産家、育成者の膨大な努力です。サンデーサイレンスの子で、ではなく、サンデーサイレンスの孫で、アメリカのGIを勝つ。この事実の素晴らしさは、サンデーサイレンスが北海道に導入されて以来、十数年にわたって続けられてきた日本の生産界の活動の意義、それ自体の素晴らしさでもあります。そしてまた、シーザリオが個人馬主の所有ではなく、一口会員が出資したクラブ馬であるということも、忘れてはなりません。岐路に立つ日本の馬産と競馬人気。シーザリオはこの二つの問題に、4馬身差という衝撃で、喝を入れてくれました。
 今回の1:59.03の中には、過去の十数年と、これからの十数年が凝縮されていたといえると思います。福永騎手の談話は次のように締めくくられていました。「She is the very first Japanese horse to win an American Grade I race, and hopefully she won't be the last. I hope she sets the trend, and others follow her.」(ハリウッド・パークのサイトはこちら

02.Juli.2005 Sonnabend 切り替え

 相変わらず、図書館通いが続いてます。自宅と図書館を往復する毎日です。変化といえば、個人的に勉強している語学が一つ増えたことぐらい。ラテン語はようやく文法が頭に入って、面白くなってきたかなあという感じですが、もう一つ増やして大丈夫なんだろうか。教育関係法規も覚えなきゃいかんというのに。でも頑張るしかないね。
 どんなに忙しくても、読書の時間は欠かせません。この間サローヤンの本を見つけて、ちらちらと読んでいます。『人間喜劇』はユリシーズ坊やの可愛いさ、電報配達をして家計を助けようとするホーマー少年の健気さに、胸を打たれます。『我が名はアラム』では砂漠に果樹園を作ろうとするおじさんや、夏の間出稼ぎに出されたのに、結局ぶらぶら暮らしてひと夏潰してしまうおじさんのダメ人間ぶりが、僕の心に突き刺さります。嗚呼早く就職したい(泣)。頑張るよ。今でも結構頑張ってんだけどねえ(号泣)。
 就活中の笑い話だけはかなり溜まりました(泣疲)。

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