フィギュアスケート・トリノ五輪選考会とゲーム

 フィギュアスケート・トリノ五輪選考会を兼ねた「全日本選手権」が25日に終わり、トリノ行きの4枚の切符は、村主章枝(24)、荒川静香(23)、ミキティこと安藤美姫(18)、男子の高橋大輔(19)が手にした。特に女子スケートは、今までにない「ハイレベル」な争いだったそうであるが、その中には「駆け引き」や「何のためのフィギュアか」といった問題が渦巻いていて、見ている方としては興味深いものがあった。
 大会後のTV出演で、荒川静香はこのようなことを言っていた。
 「フィギュアスケートを”華”やかにしたい」
 これはどういうことかとキャスターが尋ねると、「最近は審査員のポイントを”手堅く”稼ぐプレーが増え、観客を楽しませるプレーでなくなってきた」と言うのである。
 ブラウン管の向こうで自分は、これは全国放送で思い切ったことを言ったな、と感嘆していたのだが、そういえば確かに思い当たることがある。
 それは、安藤美姫が今大会でするといわれていた「4回転ジャンプ」をやらなかったことである。
 結論からいうと、これは「駆け引き」である。安藤美姫はその結果、今大会では決していいとは呼べない6位になったのだが、それまでの累計ポイントが高かったので、今回において、1位や2位を狙う必要がなかったのである。だから1位狙いで大失敗するリスクを避け、3位から6位あたりでいいので、絶対にその順位に滑り込める「観客そっちのけの手堅いプレー」に終始したのである。
 アーケードゲームの「ハイスコア」の世界でも「駆け引き」は、盛んに行われる。手堅くトップの称号を得るために敢えて危険なプレーを避け、取り易いところを手堅く取って固め、まとめるという方法だ。自分はこれまで、敢えて高得点を狙って虎穴に入った結果、文字通り虎に喰われたプレイヤーの姿や、また、「駆け引き」を駆使した対抗馬がそれに僅差で勝つシーンなどは、数え切れないほど見てきた。
 だからある意味、これは「定石」といえるのだ。
 勝負事ならそれでよい。しかし最近になって、自分の周囲でハイスコアラーが、メーカーを通してプレイDVD(主にシューティング)を発売することが多くなった。
 となると、今までは「自分や他人との勝負という世界観」の中で、ハイスコアのみを目指していて済んだが、ここに至ってプレー環境が「多様化」したことにより、そこに第三者の「観客」が加わることになってしまった。
 なので、これはあくまでも自分個人の考えだが、「スコアが高くても、何機か死んでしまったプレイ」より、「スコアが低くても、それよりは死んでいないプレイ」の方が、観客の視点からは「華」があるプレイに見えるのではないだろうか。

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