ろ過について
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ろ過について
■ろ過は非常に大切です<ろ過の仕組み> ろ過には水中にある大きなゴミなどを取り除く物理ろ過と、匂いや色といったものを活性炭などで吸着させる化学ろ過、そしてバクテリアの働きによって有害物質をより毒性の低い物質へと変える生物ろ過の3つの役割があります。
特に重要なのが生物ろ過で、魚の糞や尿などから発生する猛毒のアンモニアを、ニトロソモナス、ニトロバクターというバクテリアによって比較的毒性の低い硝酸塩へと変化させます。
このバクテリアは空気中に当たり前のように存在している為、通常水槽を設置すればろ材、底砂といった場所に自然と繁殖します。環境にもよりますが、およそ数週間で十分に機能してくるようです。
セットしたての水槽でバタバタと魚が死んでしまうのは、バクテリアが十分繁殖しておらず、水中に有害物質が蔓延してしまったことが原因です。
また長期に管理している水槽であっても、餌の与えすぎやろ過のバランスが崩れることで魚が調子を崩すケースが多々あります。
このようにろ過とは観賞魚にとっては無くてはならない重要なもので、ろ過を効かすとはすなわちバクテリアを効率よく繁殖・機能させるものだと理解すれば良いでしょう。■ろ過バクテリアの働き ろ過バクテリアが水槽内の排泄物や、残餌・枯れ草などから発生する猛毒なアンモニアを分解するとういうは上記の通りですが、具体的にアンモニアはニトロソモナスの働きによって亜硝酸へと分解され、亜硝酸はニトロバクターの働きによって比較的毒性の低い硝酸塩へと分解されます。これらを硝化作用と呼んでいます。
硝酸塩はそのまま水槽内に溜まっていくので、これを溜まり過ぎて魚に害を及ぼさないよう水換えで取り除きます。これら2種類のバクテリアは人間と同じように酸素を使って活動します。逆に言えば酸素が無くては活動出来ない為、水槽には酸素を供給する事がろ過効率を上げるコツです。
ろ過の種類 ろ過には底面式、上部式、投げ込み式、密閉型の外部式など多種多様な物が出ています。
どのタイプも基本的にウールマットなどでゴミなどを取り除き、ろ材に繁殖したバクテリアで生物ろ過を行う点は変わりません。
ろ過の規模はそれぞれ水槽の大きさに合わせた物を選びます。
収容する魚が多かったり、大型魚を飼育すれば当然排泄物も多くなり、通常のフィルターでは処理しきれない場合が出てきます。そんな場合はフィルターを通常よりも大きくしたり、複数設置したりします。
投げ込み式フィルター ろ過能力★☆☆☆☆ | |||||
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外掛け式フィルター ろ過能力★★☆☆☆ | |||||
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スポンジフィルター ろ過能力★★★☆☆ | |||||
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底面式フィルター 濾過能力★★★★★(但し底砂の量による) | |||||
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外部式フィルター 濾過能力★★★★☆(但し大きさによる) | |||||
上部式フィルター 濾過能力★★★★★(但し大きさ・規模による) | |||||
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オーバーフロー方式 濾過能力★★★★★ | |||||
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ろ材について
スポンジフィルターなどそれ自体がろ材になるフィルターを除き、その他のフィルターには必ずろ材を入れます。
バクテリアの生活場所となるろ材にも沢山の種類があり値段も様々です。
粒状のろ材は目が細かく多孔質ですが、目詰まりし易いのでメンテナンスを怠らないようにします。
リング状のろ材は目詰まりはしにくい反面、ろ過面積が小さいので大容量の大型フィルター向けです。
その他セラミック製の物や天然石など様々な種類があります。ともかくバクテリアの住処であるろ材を、フィルター内にしっかりと入れましょう。
わが家ではメインに大磯(一般的に底砂に使われる安いもの)とサンゴを使用しています。
大磯は重量の問題さえクリア出来れば非常に安価で、バクテリアの繁殖も良く使い勝手が良いろ材です。サンゴは通常海水魚に用いられますが、飼育水の急激なpH降下を防ぐのと、バクテリアの繁殖が早く水質が安定しやすいという特徴を持っています。難点のアルカリ化は特に水質に対してうるさい種でなければ問題ありません。■活性炭の利用 活性炭は臭う・色をとる・薬の成分を吸収させる場合に使用します。
活性炭に脱硝酸塩効果はありません。
ヤシ殻を使用した活性炭の場合、製品の説明書きにもありますが、効果は1週間程しかなく、活性炭の吸着限界を超える吸収はしてくれません。また長期使用により活性炭そのものが崩壊し、ろ材の目詰まりの原因ともなりますので、必ず使用期限や目的を守って使用しましょう。
当然吸着限界までは効果があり、上記のトラブル時用に用意しておくと便利です。
活性炭はろ材を入れた上で使用するものということを覚えておいて下さい。
ろ過の清掃 水換えと同じく大切なのがろ過の清掃です。
酸素が行き渡らなくなった場所(デッドゾーン)にはエロモナス菌などの病原菌が繁殖するこがあり、これが原因でたちまち魚が調子を崩したりします。
またろ材自体が目詰まりを起こすとろ過能力も激減するため、ろ過ならびにろ材の清掃はとても重要となってきます。
しかしながら大切なろ過バクテリアを、清掃によって死滅させてしまったのでは元も子もありません。物理ろ過を行うウールマットは毎日洗浄しても問題ありませんが、生物ろ過を行うろ材の洗浄はろ過バクテリアを死滅させないよう飼育水などで洗浄するようにしましょう。
また一度に全部を洗浄するのではなく、2週に分けて行うなどの配慮が必要です。ろ過槽に溜まっていた病原菌や嫌気性バクテリアが水槽内に舞ってしまい、水質悪化を引き起こしてしまうこともあるので、日常のメンテナンスはしっかりと行うようにしましょう。
サブフィルターについて | |||||||
水槽に大きさに応じてろ過を選ぶのが基本ですが、当然ながらろ過を強化したり増強すると水質がより安定するのも事実です。特に投げ込み式や外掛け式、また外部式フィルターなどは複数設置する(並列に駆動させる)ことで、より高いろ過を可能にします。 わが家でも上部式、外部式フィルターにスポンジフィルターをサブとして投入していますが、その効果は明らかに実感できます。 またエーハイムのようにサブフィルターを直接接続するタイプも存在します。(下図参照) ただしろ過は水を流すことにより効果を発揮するため、流水抵抗物は多くの場合、ろ過能力を妨げてしまうため、別モーターを使用しているタイプ選ぶなどの工夫が必要です。 |
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ろ過のまとめ
■熱帯魚飼育のコツはろ過バクテリアを十分繁殖させるです。 バクテリアが十分でないと水は瞬く間にアンモニアなどで悪化していき、病気、または死亡してしまうこともあります。
水換えを頻繁に行うディスカス水槽や、小型魚などでは投げ込み式やスポンジフィルターでも十分でしょうが、数種類を泳がす混泳水槽や大型魚の水槽などでは、それ相応のろ過が無いと瞬く間に水質悪化が始まります。
またろ過不足になると本来存在しない筈のアンモニアや亜硝酸が検出され、魚にとって非常に危険な状態になります。
水質悪化の最大の原因は餌の与えすぎやろ過不足があげられます。なのでろ過は飼育環境を良く考えた上で設置するようにしましょう。
またろ過を維持していく上で重要なのが定期的なろ材の汚れチェックです。
ろ材が目詰まり(※1)を起こすとろ過自体の機能が低下し、結果水質悪化へと移行してしまいます。
どんなに高性能なろ過でも日常のメンテナンス(水換え及びろ材のチェック)無しでは管理出来ません。※1ろ材の目詰まりは何故危険?? 最初にも書きましたがろ過バクテリアは酸素を得て有害物質を処理してくれます。
これらニトロソモナスやニトロバクターなどのバクテリアは好気性バクテリアと呼ばれ、一連の分解で比較的毒性の弱い硝酸塩へと分解してくれます。これを硝化作用と呼んでいます。
反対に酸素の嫌いな嫌気性バクテリアも存在し、これらは硝化作用により発生した硝酸塩を魚にとって有害な亜硝酸へと戻してしまうバクテリアです。これを反硝化作用と呼んでいます。
通常ろ材に繁殖するはずの好気生バクテリアが、ろ材の目詰まりにより十分な酸素が供給されなくなり、結果死滅し、逆に酸素が嫌いな嫌気性バクテリアが代わって繁殖し始め、飼育水が瞬く間に汚染されてしまいます。
ろ過の規模が小さい家庭用の水槽ではそれが致命的となり、飼育魚が全滅していまうケースもよく見られます。
最近ではこの反硝化作用を逆に利用し、硝酸塩を亜硝酸から窒素ガスに変化させて大気中に戻す「還元バクテリア」の技術も出始めました。
各メーカーや研究者の間では硝酸塩を分解する有効な方法として、水にあえて淀む場所を作りバクテリアが両立できるように工夫をしているケースもあるようです。
この技術が一般にも応用されれば、自然に近い水換え無し飼育法なんてのが出るんでしょうか。
我が家120cm水槽の濾過内
大磯とエーハイムサブストラットをネットに入れ使用している。一ヶ月に一度は洗浄する。
図説・ろ過のまとめ
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