牡丹散りて 打ちかさなりぬ 二三片
TOSS大分WAVE 松垣和年

 

1 音読
「自分の読み方で何度も読んでごらんなさい。」
列指名で読ませる。
2 基本的なことを確定する
「季語は何ですか」 (「牡丹」。 *牡丹の画像を見せる)
「季節はいつですか」 (「夏」
3 状況を問う
この俳句の情景を絵に描いてごらんなさい
様々な絵がかかれる。ポイントは、牡丹が散ってしまっているか、まだ残っているかである。
牡丹の花は散ってしまったのですか、まだ散っている途中なのですか。
この問いだけでは思いを発表しあうだけになる。さらに補助の問いを出す。

「牡丹散りて」の「て」はどちらの「て」ですか
A 買って帰る   食べて寝る      B 泣いて帰る   笑って歩く

結論から言えば、これはどちらとも考えられる。
 Aならば 前の動作は完了していることになる。「牡丹の花びらが全部散って、その後に重なったものを発見した」という意味になる。Bならば「〜しながら」という意味だ。「花びらが散っている。散りながら 落ちた花びらが重なる。」という状況である。
4 主題を考える
対比されている言葉は何ですか
「散る」と「重なる」である。「どういう意味で対比されているか」と聞けば、例えば次のような意見がでるだろう。

          散る                     かさなる
       ・バラバラになる                ・1つになる
                      ・漢字                     ・ひらがな
                      ・離れる                                                                ・集まる

「散る」には「戦場に散る」のように「死」という意味もあります。そうすると重なるにはどういう意味があることになりますか。
「生」や「命」が出されるであろう。
「話者は 散ってしまった花びらが再び重なることに『命』『生』を感じたのかもしれませんね」と話して終る