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心のリレー

(橋本定男氏の追試)

実践・作成者:松垣和年(TOSS大分WAVE)

 学級で、靴かくしや落書きなど誰がやったのかわからない事件が続いた時、やってみたい実践。やっていた「本人」も反省し、事件もなくなっていった。


1 基本的なやり方

 「今日、また落書きが発見されました。今回で3回目です。『こんなことはやめて欲しい』、『許せない』とみんな言っていましたね。とても残念なことです。みんなの声は、この落書きをした人に届いているのでしょうか。
 今から『心のリレー』をやります。全員図書室に移動します。図書室から一人ずつ、この教室にきます。
 先生の机の上に、紙と箱を置いておきますので、教室にきたら、この紙に『落書き事件について思うこと』『落書きをした人に言いたいこと』などを書きましょう。書いたら、この箱の中に入れます。もし、この教室の中に落書きをした人がいるのでしたら、『ごめんなさい』と書いて箱の中に入れておきます。正直に書いたらこの件はこれで終わりにしましょう。みんなの気持ちが届くといいね。」

2  留意点

 ・紙に書くのは、もちろん無記名。 ・図書室にいる間は、読書をしておいた。・教室にいる間はどの子も同じぐらいの時間になるようにする。

3  結果
 教室に行って、箱の中をかき混ぜた。「これで誰が書いたのかわからないね。」といった。一枚一枚教師が見た。「ごめんなさい」一枚だけそう書いてあった。「よかったね。みんなの気持ちは届いていたんだ。」そういった。紙はそのまままとめて教師が処分した。 それ以降、落書き事件は起こらなかった。
 サークルのメンバーの教室でも同じようなことがあり、この「心のリレー」をやったところ「ごめんなさい」と書いてあったという。

 なお この実践は、「子どもを育てる学級づくりの法則」(橋本定男著 明治図書 1987年 )の「教室リレー」の追試である。橋本定男氏は「教室リレー」を、教室でお金がなくなった際行った実践として紹介されている。私も教室でお金がなくなった時にもこの「心のリレー」をやったことがある。その時もお金が机の中に戻ってきた。