2005年
理解の原点!
北アルプス山麓で、上高地と乗鞍スカイラインが自然ゾーンなら、安らぎの場は白骨温泉?。
湯へ入浴剤を、混入し続けた温泉旅館組合は、象徴である乳白色にこだわった。
公共野天風呂は、行楽シーズンに合わせ、9ヵ月ぶりの営業再開へとこぎつける。
現在、保健所許可の湯質が守られ、白みがかった透明色だと言う。
さっそく、湯船に浸かった男性が、思いを漏らす。
「騒ぎが起こる前と変わらない、お湯だよ」。
副組合長も「正直に、自然な形でやっていく」と、きっぱり。
由来にかかずらわない、新たな「白骨」が生まれた。
偽りは、いつか暴かれる。
ありのままで生き、分かち合っていく。
入浴剤騒動を、理解の原点と、とらえたい。
(2005年4月30日・土)
褒める社会に!
昨秋、奈良県内で男子高校生が、自動車転落事故を目撃する。
池に飛び込み、乗車男性を助け出した。
とっさの行動だって、彼に勇気がなかったら、尊い命を救えまい。
政府が28日付で、春の褒章受章者を発表。
837人中、仲間に加わった彼は最年少15歳で、紅綬褒章に選ばれた。
緑綬褒章ならば、ボランティア活動などの業績が光る。
地道な色合いが濃い中、ピックアップされた29人の関係者。
「肩書き・キャリア・高齢者」に、偏りがちな印象を打破する、今回の受章メンバーである。
叙勲受章者もきょう、公表となった。
「えーっ、あの人が受章…」。
人間って褒められれば、良心旺盛となりそう。
制度の見直しから、社会が活気づけられるよう願いたい。
(2005年4月29日・金)
海を守る清掃員!
体長約4センチメートル、卵形で布目や斑紋・斑点スタイルの二枚貝なら、アサリだ。
入水管から海水を吸い込み、プランクトンを食べている。
彼らの体から、外へ戻される水は浮遊物なし。
すなわち、海の清掃従業員として、環境に貢献する生き物か。
潮干狩りは、ゴールデンウイーク中、賑わいを見せそう。
とれたてだと、海の香りが漂い、みそ汁で味わいたい。
鉄やミネラル・ビタミン・タンパク質など栄養豊富で、私たちの健康を支えてくれる。
殻についた「身」の部分に、口や足、内臓・肛門もあるとか。
雄、雌の見分け方は、どうなっているんだろう。
体まるごと食べるのだから、妙な感じがしてならない。
(2005年4月28日・木)
遠心力の教え!
線路とマンション…、どちらが先にできたのか。
現場をとらえた写真から、素朴な疑問が湧く。
兵庫県尼崎市で2日前、JR福知山線・快速電車が脱線し、100人近い乗客の命を奪った。
跡形もない1両目、無惨な外形の後続車両は、何を物語っている?。
運転士の過ち、オーバーランがスピードアップにつながったとも聞く。
「定刻厳守で、他社と差を…」。
時速108キロの「本音」が浮かぶ。
自動車学校で教わり、現象の恐ろしさを知った遠心力は、曲がり道につきものだ。
もしも建物がなく、直線走行だったら、大事故は避けられたかな。
いや、違う場所で、ミスが起こっていたと思う。
ゆとりなき環境を突いたカーブは、人工的な「阪神大震災」の再現と言えよう。
(2005年4月27日・水)
寝室テレビ!
テレビジョンは、食事をする居間と、客室に1台ずつあった。
一言、父がつぶやく。
「俺たちの部屋に、テレビを置きたい」。
ブラウン管14インチが、お目あてだから、家電量販店だと1万円前後で買える。
今回は、必須なアンテナ配線工事を考慮し、村の電器屋さんに依頼。
液晶を使った、人気映像機器もよいけれど、小さめで色鮮やな画面だって健在だ。
「あっ、見てるよ」。
宵どき、ベッドに寝そべって、動画を見つめる、満足そうな父。
テレビには団らんと言う、家族のつながりを保つ役割も背負う。
寝室へ入り込み、ニュース・ドラマ・歌番組など、父母と一緒に楽しむのもいいかな。
(2005年4月26日・火)
頭脳明晰渡り鳥!
車庫入れが済み、愛車から離れようとした。
超小型飛行機に見える、15センチ大の物体は、頭上でUターンすると、再び空へ戻る。
青黒い背、白い腹部スタイルは、春の使者、ツバメだ。
マイホーム候補地を探すため、飛び回っている?。
わが家の戸口は、農繁期になると、日中、開けっ放しだった。
「安心できそうな人たちが住んでいる。よしっ、巣づくり地にしよう」。
玄関柱に、泥などでつくられた、小さな家のできあがり。
「家」が、崩れ落ちないよう、祖父は支え板を取りつける。
やがて、ヒナは成長し、大空へと飛び立ち「空き家」になってしまった。
小学生時代に目撃した、エピソードの一つ…。
彼らは翌年も、生まれ育った場所で、家庭を築く例があるらしい。
南国へ帰る渡り鳥も、頭脳明晰だ。
(2005年4月25日・月)
助手席に夢中!
話で夢中そうな前方車と、数キロおつき合いをした。
ドライバー、助手席に座った2人は、喫茶店でおしゃべりをしているかのよう。
なのに、ハンドルさばきやブレーキのかけ方で、注文はなし。
相手は、わき道から優先道路へ急な進入をし、出会いの場面となった。
眼前だったので、ヒヤッとして、相手のうしろにつく。
同じ道を走るあいだ、右折・左折とも、ウインカーの点滅が見られない。
「操作を怠っている?」と、疑ってしまいそう。
運転者となれば、人の過ちを、自分もしているケースだってある。
なんだって、思い出したい、ことわざは、これかな!。
「人のふり見て我がふり直せ」。
(2005年4月24日・日)
生命のはじまり!
青空に、布の鯉が泳ぎはじめる。
端午の節句なら、のぼりはシンボルだろう。
自然資材で、使い道が減っている一候補は「竹」。
過去をたどれば、のぼりに「竹」は欠かせなかった。
親竹のそばで、子どもが顔を出し、グングン伸びていく。
「大きくなり過ぎた子は採らない…、硬くておいしくない」。
タケノコ狩りのコツを、経験豊富な父は語っている。
スーパーやお弁当屋さんでも、いまの主役が並び、季節の味覚を提供中。
鯉のぼりイコール「竹」は、消え去った。
ただ、初節句とタケノコって、生命のはじまりで共通している?。
(2005年4月23日・土)
鶏に戻りたい!
総菜コーナーで、車椅子を止めた。
パック入り「味噌チキンカツ丼」が、少し高めの棚に列をつくる。
座った姿勢から、一つ仲間を両手でとった。
再び、隣の同じ品に触れたら、容器のフタが開いてしまう。
店員さんに向かって「申し訳ありません」と告げて、もう一度、チャレンジ。
壊れやすい物を扱うような感じで、買い物かごに入れた。
第2幕は、レジで発生。
かごの置き方が乱暴だったため、また似通る失敗を繰り返す。
新しい品と取り替えてくれた、レジさんは言う。
「テープの留め忘れでした。ごめんなさい」。
調理されたチキンカツは、外へ飛び出し、鶏に戻りたかったのかな?。
(2005年4月22日・金)
病院で晩ご飯!
相対2つずつで並べられた椅子と、テーブルがある。
年長、年少くらいの子ども2人が、男女のまわりで、はしゃぐ。
一家族の、夕食風景だ。
利き手を上げたまま、包帯が指先から肘あたりまで見え、点滴の管は、左手につながれている。
愛妻と語らいながら、子どもたちに視線を向ける、病衣姿の男性。
ファミリーレストランの光景が、病棟デイルームにもあった。
患者さんはまばらで、目立つ親子4人。
なんだか、食卓と言う、プライベートな部分を、のぞき見したかのよう。
一家そろって、病院での晩ご飯。
心が通い、快復を早める、家族しかできない「治療」だと思う。
(2005年4月21日・木)
水鳥離婚!
黒みを帯びた褐色で、地味な雌に対し、雄は銀杏の葉と似て、美しい羽がある。
夏場だけ、スタイルが雌と同じになって、川・湖水で暮らす水鳥の群れ。
「おしどり」ネームの彼らに、仲がよかった雄雌は破局なしかな…?。
噂が流れていたけれど、森進一さんと昌子さん夫妻は、18年の結婚生活にピリオドを打った。
離婚に至った真相なんて、本人たち以外、知る由もない。
別れても、家庭生活の過去や、子どもが残される。
人気歌手カップルだって、特別じゃあないと思う。
つらさや苦悩が、新たな出発点となればよい。
各地巡りのジョイントコンサートで、おしどり夫婦は力尽きた。
(2005年4月20日・水)
愛猫の子守歌!
深夜、ベッドに横たわったら、人らしき声が聞こえた。
会話とも思え、笑いをこぼす感じは、明瞭でない。
雑魚寝の癖は、福祉施設や養護学校寄宿舎生活から養われる。
わが家に戻ってきて、6畳間でスタートした「ひとり寝」。
よく眠れた数ヶ月が、ある日突然、身についた習慣を呼び起こし、一人じゃあ眠れなくなった。
両親と話し合って、少しのあいだ、親子水入らずで夜を過ごす。
寝つかれなかった18歳は、安心しきって熟眠できた一コマだ。
ミュージシャン・加藤登紀子さんなら、ヒットした「ひとり寝の子守歌」と、学生運動が重なる。
外泊の父母にブラス、家屋が広い住まい。
一人っきりと言う意識が、寂しさを増す。
ひょっとしたら、声の正体は、愛猫の癒し言葉だったかも…。
「私がいるじゃあない、ニャーン」。
(2005年4月19日・火)
稲光走行体験!
真っ黒に変色したアスファルト舗装が、ヘッドライトの光を吸い込んでいく。
まぶしさで目が眩む物体は、瞬時、近寄ってくる。
どちらも前方を、見えにくくしてしまう。
対向車と愛車は、裏腹同士だ。
黄昏どき「パッ」と、あたり一面を照らす稲光が、窓越しに見える。
行かねばならなかった場所を出た帰り道で、雷雨と対面。
ドライバー歴と、荒れた夜空の運転は釣り合わず、多少、不安が潜む中、4キロメートルくらい、ハンドルを握った。
操作感覚がつかみはじめたら、わが家目前となる。
無事、車庫へたどり着く。
助手席に座っていた、頼もしい人物のおかげであろう。
(2005年4月18日・月)
人との接着剤!
ペンを持って暮らす人に、作家がいる。
体験や思考、空想など、文章表現のテクニックが、生み出す小説。
多くの人と、ふれ合いがあり、原稿用紙、キーボードだって離さない。
講師役なら、講演会あるいは講座で、席が待ち構える。
「仲間づくりに、楽しく文章を書いては、どうでしょう」って、呼びかけた作家さん。
出席していた人から、3年後、一報が入った。
「互いに持ち寄った作文から、個々のよさを認め合い、交流しています」。
忘れていた自分の「提案」が、やっとよみがえったと言う。
昔、中高年と一緒で、過程もよく似た行動をし、文に馴染んだ。
拙文評価、意見は、集まった顔ぶれが出していく。
まるで文章は、グループの接着剤みたい。
私たちに、文字は深くかかわり、使い方がいろいろだ。
(2005年4月17日・日)
語る週刊誌!
ジャンルに富む雑誌ならば、メインは週刊誌か。
価格が手ごろだし、男性、女性向けの分別は、欲しい情報を載せやすい。
「どんな話題を集めているんだろう」。
好奇心を抑えきれず、ある場所でたまたま、手にとった女性週刊誌。
発売日は、1週間以上前なので、もう古物だ。
皇室やタレント、料理に関したデータと、スポットを同性住民へ当てた記事もある。
男女関係を描く連載小説は、控え目な女性心理が表されており、ソフトタッチ。
「金銭的援助しますから…」って、性的接触メールを受けとる日が多い。
「男が女言葉で書いた、短い小説メール」は、お遊びととらえよう。
彼女らの愛読誌から、女性的な部分を再確認できた。
(2005年4月16日・土)
集団の家!
春の便りを書き認める、お務め人は少なくない。
あいさつハガキであり、就職・転任を知らせる「新年度状」か。
一つだけ、趣旨の異なる文面なら「終止符状」だろう。
39年間、福祉施設スタッフを務めたAさんが、感慨深いメッセージをくれる。
「集団の家」で過ごした期間は、就学前から足かけ4年。
「うちみたいじゃない」と、子ども心にも生活環境への不満を抱いていた。
だが、Aさんを力づけたのは、私たちである。
「障害に負けず、明るく生きる子どもたちが、私を支えた。感謝の気持ちでいっぱい…」。
肉筆で書き添えられた短文は、敬称を「くん」と表し、語りかけてくる感じだ。
Aさんは「集団の家」に、温かさを吹き込もうとしたのかも。
思い出に浸りながら、職員の心中を垣間見た。
(2005年4月15日・金)
所さん風上司!
新社会人男女500人が、名古屋市で頭髪化粧品を扱う「ホーユー株式会社」のウェブサイト・アンケートに答えた。
「髪型がよい理想の上司は…」と問いかけ、身だしなみについて意識を探る。
ふさわしい人物は、所ジョージさん、黒木瞳さん。
襟首までの黒髪に「仕事ができそう」と、彼女を評せば、所さんはラフな髪型でスーツ姿。
彼は、回答者から「堅さがなく、気分も楽になる」の理由で、好感を持たれた。
車椅子の高さで、少し上を向いたら、懐かしい顔に出会う。
17年前、一つの仕事に加わって、教えを受けた先輩である。
学び、反省する機会があり、狭かった視野は、ちょっぴり広がった。
病院の外来待合ロビーだから、勝手に口が動く。
「どうしたんですか」。
こちらの一言に、浮かべた笑みは元気がなかった。
容姿に違いがあっても、若者が好む所さん風「上司」の先輩。
尊敬している一人だ。
(2005年4月14日・木)
若返りたい!
「お肌の曲がり角は、2?歳から…」。
コマーシャルのセリフを聞いた、女性の反応はいかがか。
男性の耳にも、同じ注意メッセージが飛び込み、素朴な想像をする。
「あっ、そう。こまめに、お化粧をしている人って、おばさまなんだ」。
顔のシワが増え続ける母と、大型店で必要な食料品に、手を触れた。
居合わせた買い物客や、レジ担当者へ視線が向く。
「みんな、おめかししているなぁ」。
40歳代の女性投稿者は、最近、写真に収まった自身から、ショックを受け、話し言葉で締めくくった。
「『若返りの泉』で、わき出る水を一口、飲みたい」。
年を重ねれば、男女とも老化現象が進む。
だけど「若さ」って、生きがいと結びつきそう。
精神面プラス身体が若返る、新薬はできないかな。
(2005年4月13日・水)
見よう、個人差!
教育関係者が、実態をあらわにする。
「いまの高校生は、中学程度だから、大学のレベルが下がった」。
話を聞いてから相当、時間が経つ。
現在、大学生らも学力低下問題について、いろんな角度で意見を出していた。
親、文部科学省や学歴社会を指摘する一方、子どもに「本を読まなきゃダメ」と、注文づける。
「勉強好き児童・生徒は、授業だけじゃあ物足りなくて塾へ行く。正反対の子どもが不公平だ」。
「学ぶ楽しさが足らないせい?。ゲーム感覚で遊びながら、覚えられたらいい」。
今春、長野県下高校入試で、938人の不合格者を出す。
彼らは、学問の谷間に置かれながらも、精一杯やったと思う。
合否よりも、子どもたち、一人ひとりの努力を認めたい。
能力の個人差を尊重する環境が整えば、学力低下は消えゆく。
(2005年4月12日・火)
なまずコメント!
海で暮らすタコがヒントになって、火星人は描かれたのか。
便利になり過ぎた生活は、使わぬ部分を退化させていく。
食事変わりで思いつく、機能衰退なら虫垂だ。
存在しない異星人が、人間の将来スタイルだったら、頭でっかちとなる。
海外ばかりか、日本列島で暴れまくる、なまずたち。
今年だと、春まだ浅かった福岡を揺るがし、関東地方ではけさ、二番手になってしまった。
居場所と推定される千葉県北東部で、マグニチュード6・1の威勢を振る舞う。
鉄道や空の便も乱れ、特に新入生や父兄は嘆く。
口ひげが4本あって、小魚・カエルを食べる、なまずは一言漏らす。
「最近、欲求不満でね。地上のみなさんに、迷惑をかけています」。
頭でっかちとなるほど、ストレスはたまるのかな?。
(2005年4月11日・月)
旭鷲山の忘れ物!
忘れ物は、誰もが経験済み。
海を渡り、国技に打ち込む旭鷲山関だが、土俵外で「注意力」に欠けた。
妹さんが通いはじめる、高等学校内のトイレに、置き忘れたバック。
気づいたら、もう手遅れだ。
何者かに財布だけ盗まれ、現金約85万円とキャッシュカード7枚が消えてしまう。
警察へ被害届を出し、関係者には渋いジョークで対応。
「これで今年一年、悪いもの、すべてが『落ちて』くれればいい」。
彼の、妹さん思いが知れわたる、ニュースでもあった。
「土俵の上から見た不思議なニッポン人」で注目された著者は、続編に今回ハプニングを綴るかも。
コンピュータやロボットは、忘れ物がない。
逆に、プログラムデータを消せば、ただの物体か。
脳みそって、生きているパソコン…?。
(2005年4月10日・日)
記者も読者!
1・2年前、耳に入った言葉を思い出す。
「いずれ、新聞は消える」。
衝撃的発言だが、家庭で普及する、インターネットを想定したものか。
全国紙の一社、幹部スタッフ一同は、田舎町にやってきて、読者とふれ合った。
「地元記事から読む」。
「投稿欄が充実していて、読者とのかかわりを感じる」。
「ネットをめぐる、子どもの問題を読み、独自性が分かった」。
評価に加え、要望も聞かれる。
切り抜きやすい記事レイアウト、日本に伝わる昔話の掲載が提案され、編集関係者は真剣な趣。
読者メンバーとして居合わせ、笑いもこぼれる和やかな雰囲気を体感する。
「記者も読者であり、まず生活者であらねば…」と、幹部の一人が言い残す。
みんなが協力し合って、毎日、手元に届く紙面。
共生が崩れない限り、新聞は不滅だ。
(2005年4月9日・土)
桜の誘惑!
職員に、木の名前を尋ねた。
「『サトバラサクラ』だそうです」と、教えてくれる。
アスファルト舗装のど真ん中で、どっしり腰を据えた早咲き桜は、聞き慣れないネーム。
高さ7メートルほどある老樹に、毎年、白系の花びらがつく。
役場敷地内で住まいを構えたため、駐車場に囲まれて独りぼっちだ。
季節の風景を、デジタルカメラがとらえる。
愛車へ戻った瞬間「やっちゃった〜」と、大声が出そうになった。
全ドアロックで、メインキー、予備鍵も車内に残す。
クルマの購入店が近くにあり、幸い手動式ロックで処置も早く、命拾いをする。
自動車整備士さんは、優しく言う。
「気をつけて行きなよ」。
春の陽気から、注意を怠った罰。
言い直せば、桜の誘惑に負けたかな?。
(2005年4月8日・金)
笑う真犯人!
「ぶどう酒」「王冠」「農薬」…。
何度となく飛び交った言葉は、法廷の壁にも染みついたであろう。
第一審で無罪、のち死刑確定となった「名張毒ぶどう酒事件」は、33年を経て再審が決定。
1961年、地区公民館に集まった女性グループが狙われ、5人の命を奪う凶悪犯罪だ。
奥西勝死刑囚は、自白から一転、犯行を否定し続ける。
「新たに、生命力をいただいた。父母は、無実を疑わず他界した…」。
獄中コメントが、彼の胸中だと思う。
「財田川」「免田」「松山」「島田」の各事件死刑囚は、全員、無罪を勝ちとった。
今回も、冤罪となる可能性は高い。
ならば、無関係の人に、罪を被せた人間がいる。
治安社会に対し、心で笑い、一般住民を装った真犯人。
司法の落ち度ではないか。
(2005年4月7日・木)
絶えた雑魚!
直線県道沿いで、わが家のたんぼは広がる。
春風が吹く中、現地の様子を見たくなり、愛車に飛び乗った。
歩道で目についた、濁った水の流れが心を引く。
農業構造改善事業が行われる以前へ、さかのぼってみよう。
雑草で隠れるような小川が、あぜ道に沿っていた。
「たんぼへ行くか」の声で、水流を眺める。
川に入った父が、雑魚捕り網を巧みな手さばきで持ち上げれば、小さな魚たちと対面だ。
なまずやどじょうも仲間入りだったし、おたまじゃくしの泳ぎが、かわいい。
小魚だけ選んで、家路に着く。
夕刻、甘い香りがしてくると、食卓に並べられた、祖母特製「甘辛風雑魚煮」。
父は「うなぎだっていたぞ」と言う。
雑魚が住めない、水田に変えた私たちは、自然の叡智を知らない?。
(2005年4月6日・水)
止まった時間!
教室から父は、カメラのシャッターを切る。
手をつないで入室する、母子が被写体だ。
光に照らされてまぶしい、新品ランドセルを背負っている。
唯一の白黒スナップが、福祉施設と併設する、養護学校分校で行われた入学シーン。
「ランドセル、お蔵で眠っているよ」と、母がささやく。
校内を這いずり回る生活だから、ほとんど使う機会なし。
贈り主だった母方の祖母に、申し訳が立たない。
けれども、一場面をとらえた写真は、時間を止まらせたまま…。
テレビが報ずる小学校入学式から、思い出の1枚は脳裏を駆け巡る。
レンズとフィルムって、時を刻む一級品であろう。
(2005年4月5日・火)
自由レストラン!
買った食券は「丼セット」。
ほぼ中央のテーブルに着き、あたりを見回す。
看護師や検査師らの姿があれば、外来患者と家族も入り交じる。
お昼どき院内レストランは、人々が色とりどりだ。
セルフサービスの方法で、割安提供を可能にし「日替わり定食」だって注目される。
お茶だけもらい、持参のお弁当を味わう、事務スタッフ。
「健康は食生活から…」と謳う医師たちも、ちらほら椅子に座っていた。
まちまちな、事情はあろうが「独身」や「愛妻」の、各種弁当はいかがか。
休憩時間だから、プライベートな領域?。
フリー空間と言えそうな、病院の一室だろう。
自由レストランは、憩いの場を感じさせた。
(2005年4月4日・月)
売り場見物人!
目的もないまま、家電量販店の売り場をさまよう。
休日だけど、客はまばらだ。
携帯電話をはじめ、ほとんどの製品で使われているパーツに、改めて目を光らせた。
「液晶画面がついてなければ、家庭電化じゃあない」。
掛け時計だって、数字で時刻を刻む、大型パネルがズラリと並ぶ。
処分特価の張り紙が、3本針を用いた従来品につけていて、なぜか寂しい。
映像機器コーナーへ足が向くと、花形一番、デジタルハイビジョンテレビを見つける。
動きの少ない場面だと、鮮明さは抜群。
だが、メーカーによって残像現象が、激しい動画で気になった。
まだ液晶画像は、完成度100%に達しない。
これからも、ますます技術進化が期待できよう。
見物人は、澄ました顔で店を出た。
(2005年4月3日・日)
2ちゃんねる考!
「匿名・実名は、利用者に決めてもらえばいい」。
「偽情報に警戒心を持つ、楽観的な見方で使う。どちらか選ぶだけ…」。
インターネット巨大掲示板の主宰者・西村博之氏は、あっさり色をにじませる。
ピックアップしたデータから「電車男」が、ベストセラーとなり、一方で「書き込み名誉棄損訴訟」も起こされた。
メル友さんに誘われ、掲示板開設1年後、にぎわいを見せる「ネット街」へ飛び込む。
「ありのままが、書き表されていく『会話板』」。
他人同士による、本音を垣間見たような思いであった。
「面と向かってだと、話せない」と言う、デリケートな部分が、私たちを掲示板へ走らせたのだろう。
「利益は、あまり考えません。情報を多くの人に見てもらい、役立ててもらえれば」と口にする、さきがけ人。
西村氏の思考によって生まれた「2ちゃんねる」は、利用者間で盛り上げ続ける。
(2005年4月2日・土)
五感新年度!
わが家に通じる坂道を下り、車庫まで向かおうとしたら、はしゃぎ声が聞こえる。
身長の同じ子どもを両側に、手をつないだ男性。
双子連れ親子は、通学路を進んで行く。
入学が頭によぎる、朝の一シーンだった。
「就学前の幼児が、急な病気やけがをしたら、年5日休める。諸般事情なら、満1歳6ヵ月まで休暇延長」。
期間変更や看護休暇が、新設された育児休業法。
対象者の歓迎と、まごつく経営側は、背中合わせだろうか。
介護休業だって利用しやすくなったり、排気量125cc以上のオートバイなら、高速道路で2人乗りができる。
「暮らしメリットありかな?」の印象を、税金・保険料の引き上げが消してしまいそう。
加えて、遅れ気味の桜も開花まで、もう一歩…。
新年度を、五感で受け入れたい。
(2005年4月1日・金)