2004年
事故車じゃあない!
早くもクリスマスの雰囲気を感じさせる、大型ショッピングセンター。
主婦らでにぎわう、食料品売り場をうろつくと、一人の男性に視線がいく。
顔立ちから見て中年くらいで、左手が思うように動かせないようだ。
寄り添う人がいないらしく、似た者同士と直感する。
愛車が待つ、身障者用駐車スペースで、再び、男性と出会う。
言葉も交わさず、車内に乗り込んだけれど、ナンバープレート番号が新しい、男性のクルマを見てびっくり…。
前側バンパーの破損がひどくて、まるで事故車みたい。
途端、想像できる無言が聞こえてきた。
「修理したくても、暮らしていくのが精一杯…」。
クルマも外見のみで、判断してはいけない。
夕日がまぶしい帰路を、慎重運転に徹した。
(2004年11月30日・火)
義経を見る息子!
平安末期、鎌倉初期のお話。
牛若丸は、鬼若丸と行動をともにし、源頼朝の力となった。
やがて、頼朝とのあいだで不信を招き、二人は衣川の合戦に破れてしまう。
源義経を守ってきた、武蔵坊弁慶の立ち往生シーンが、よみがえる。
夕暮れどき、近くで暮らす、おばさんがやってきた。
「来年、NHK大河ドラマ『義経』に、息子が出演するんです…」。
片手に紹介記事を持ち、穏やかな口調で話す姿は、喜びいっぱい。
オーディションなど、何度もふるいにかけられながら、勝ちとった門出。
息子さんは、牛若丸が過ごした京都・鞍馬寺、僧侶の弟子で登場する。
主人公の歩みは、いまなお、はっきりしない点が多い。
経験豊富な俳優、女優らの好演が、若手を支え、義経像を鮮明にさせていくだろう。
(2004年11月29日・月)
歯がつくる笑顔!
向かい合った人によい印象を与える、真っ白な歯並び。
食べ物を噛み砕いて味わい、消化の助けや分かりやすい発声と関わる、永久歯28本。
保健室入り口の、張り紙を見た。
「全校『虫歯なし』対象者、2名のみ…」。
勉強や機能回復トレーニングに勝る、養護学校時代の健康評価?。
うれしい結果は、遺伝によるものと、あとで知る。
いまも、自分の歯で暮らす両親からもらった、元気維持の宝物だ。
10数年前、虫歯1本を抜いて以来、歯医者さんと出会わない。
けれど、歯科医院の前を通るたびに、頭の引き出しから一言が飛び出る。
「口の管理を、忘れちゃいけないよ」。
苦難があろうとも、きれいな歯がつくり出す笑顔で、人生を送りたい。
(2004年11月28日・日)
魔物同士が戦う!
インターネットと、ウイルスは切り離せない。
濾過性病原体も、私たちの身体に侵入し、病気を引き起こす。
隠されたファイルや、電子顕微鏡でしか見られない細菌などは、どちらも増殖を繰り返していく。
コンピュータ、人体にとって、恐れられている魔物!。
知らないうちに抗体を持ったりする、単純性疱疹ウイルスが注目されてきた。
治療が難しい膵臓ガン療法で、濾過性病原体が使われると言う。
名古屋大学医学部研究グループは、倫理委員会の承認を受け、臨床試験を実施予定。
やっかい者同士が戦うなんて、考えも及ばなかった話だ。
医学を含め、科学分野は、まだ未知の部分が多い。
発想と試みが、これからの21世紀を切り開くであろう。
(2004年11月27日・土)
演歌は不滅?
ビデオ・CDレンタル店内に立つ。
DVDソフトを目玉とし、VHSカセットに記録された映画などが並ぶ。
広くない場所にCD・邦楽コーナーがあり、ミュージック・ジャンルはポピュラー、フォークが大半だ。
やっと見つけた歌謡曲、演歌は、最下段の1列だけと言う、ありさま。
「♪お久しぶりね あなたに逢うなんて…」と歌った小柳ルミ子の、ヒットアルバムをピックアップした。
55回目となる、NHK紅白歌合戦出場一覧は、演歌歌手を置き去りにしていない。
「家族で楽しむ」を重視している点は、例年通りだろう。
年配の出入りが少なそうな、映像・音楽ソフトレンタル専門店が、目当てにする若年層。
プレーヤー、デッキの使い方で戸惑う人たちには、テレビ・ラジオの歌番組がある。
「演歌は不滅です」と言う、声が聞こえそうだ。
(2004年11月26日・金)
下着づくりの犯罪?
「下着ドロ」の犯罪が絶えない。
住宅団地で、ベランダやテラスに視線を向ける者は、無職、会社員、教員、警察官と、バラエティー豊か?。
職業に関係なく、自我をコントロールできない男たち。
大手下着メーカー「トリンプ・インターナショナル・ジャパン」の若手男性社員が、人気商品を世に出す。
「小悪魔ブラ」と命名され、1年間2回の期間・枚数限定販売で、4万枚のブラジャーが底をつく。
消費者評価から「小悪魔大賞」を創設し、女優・上戸彩がグランプリとなった。
「お前のトランクスだって、女性のアイデアが生かされているかもな…」。
仕事で、男女の発案を論評する父。
異性が考え出した下着を、身につける感覚って、人まちまちだろう。
もしかしたら「下着ドロ」の中で、新たなブラを考案していた犯人がいる?。
(2004年11月25日・木)
手帳と逸材!
「♪略…試験もなんにもな〜い」は、アニメ・ゲゲゲの鬼太郎の、テーマ曲で飛び出す。
戦後の混乱期、会社や農協、村役場に人材不足が襲う。
農蚕学校を卒業したばかりの父にも、会社員、団体職員、公務員となれるチャンスがあった。
「俺は、農業をやるんだ!」と決意し、田畑を歩き、草取りに這い回ったと聞く。
父の枕元で、いつも目についた、黄色の手帳「農業メモ」…。
スケジュールを書き込む、小さなノートなら、ビジネスマン必須品だが、活用の仕方でレベルアップすると言う。
まず1年の目標を立て、月、週、日単位で、やるべき計画を組んでいき、外部から入った予定と調整をとる。
手帳とは、単なる日程表ではなく、方向を見極め、近づこうとする道具であろう。
前年、書き記した農作物データを参考に、生育管理を行えば、収穫成績が伸びる。
「農業メモ」の有効利用は、試験なし採用時代で、隠れた逸材だったかな?。
(2004年11月24日・水)
しゃれた歌手!
「8トラック式やカセットテープ、ビデオCD、DVD…」。
オーディオ機器に沿って、家庭用カラオケも進化し続けている。
店先を見渡すと、ソフトもDVDが主流だ。
一般では仲間同士、お店で歌うチャンスが多いだろう。
わが家に、ディスク50枚を収納できる、ビデオCDカラオケがいすわって、もう8年くらいが経つ。
歌好きな父が、オーケストラの演奏に合わせ、声を響かせる得意曲は…?。
「♪しゃれた日焼けに涙が流れる あー秋かしら…」。
最初、高田みづえでヒットした「秋冬」だ。
「おじさん、よく知っているねぇ、こんな歌!」って、驚く来客もいる。
マイクを握ると、高い声になりがちな母は「流恋草」が、レパートリー。
香西かおりと、力比べか。
家の歌手は、しゃれた曲がお好きなみたい。
(2004年11月23日・火)
破局を想像する?
世帯は、3世代家族があれば、母子・父子生活や独り暮らしなど、さまざまだ。
子どもを養い育てる義務は、両親にあるけれど「養育費」が、廃語になっていない。
現在、母子家庭は全国で、95万5,000世帯にあがり、大きな社会問題と受けとめる。
父母の話し合い、公正証書、家庭裁判所で行う調停調書と進んでも、約束を守らない元夫は8割も…。
日本弁護士連合会のメンバーは言う。
「別れの理由が、どうであれ、子どもに与えられる権利は放置できない」。
深刻な母子生活だが、正反対の暮らしに支障はある?。
男性の場合、経済力はあっても母親と比べ、子育てで悩む、家事に迷う面がありそう。
破局を想像して、一緒になるカップルはない。
本日「11月22日」の、ロゴを合わせてできた「いい夫婦の日」。
せっかく結ばれた間柄、いい夫婦でいたいもの。
(2004年11月22日・月)
「はしだ」対「長渕」!
剛ファンばかりか、多数の人が聴く、口ずさむ、オリジナル曲は「しあわせになろうよ」。
魚となった彼は、島まで泳ぎ渡る。
鳥に変身して、夢を叶えた彼女。
自然と生き物を、うまく取り入れたファンタジーであり、男女がふれ合ったときの新鮮さを描く。
「♪振り返らずただ一人一歩ずつ…」に対して「♪出会った頃の二人に も一度戻ってみよう」。
「風」の、はしだのりひことシューベルツと長渕剛は、それぞれの時代に合った歌を、世に出した。
恋人同士や夫婦では、励ましになる「剛ソング」。
幸せって、みんなの共通した願い。
歌詞で、共感を覚えた部分があった。
「♪略…手をつなぎ、しあわせになろうよ」。
(2004年11月21日・日)
プラタナスと風!
街路樹の枯れ葉が、舞い落ちる時季となった。
掌状の葉であれば、プラタナスが思い浮かぶ。
「♪略…プラタナスの散る音に振り返る」と歌う2番なら、はしだのりひことシューベルツの「風」。
馴染みやすいメロディに、作曲者・はしだの腕が光る。
人生観に触れた内容から、楽しさは感じとれない。
先日、愛車を運転中、ラジオでイントロが流れ出した途端、なつかしく聴き入った。
曲がヒットしたのは、35年前。
うしろを振り向いたって何もなく、風が吹いているだけ…。
けれども、弾みつくテンポの盛り上がりに未来がある。
「♪振り返らず泣かないで歩くんだ…」。
切ない思いがあろうとも、前を見て進もうとアピールする、季節感ある一曲だと思う。
(2004年11月20日・土)
篤志活動家でいこう!
台風や大きな地震に見舞われた今秋、人々の善意が被災地を支援する。
「もうすぐ着くと言うとき、余震が起こっちゃって、電車から降ろされたの。高速道路は、いつになったら通れるか!」。
医療支援で現地へ駆けつけた、顔見知りの看護師さんは、真剣な表情で災害の様子を語る。
困り果てた住民生活を支える肝っ玉が、ボランティア。
日本語では「社会奉仕」が、一般的だけど、辞書を開いたら説明に「篤志活動家」とあった。
活動をしていると、ほめ言葉が返ってくると言う大学生は、困惑してしまうとか。
「見返りを求める人が…」の声もあり、ボランティアに対する言葉の賛否が出てきた。
障害のある人は「車いすを押しましょうか?」って、事前の声かけを好むことが多い。
まとめて考えると、助け合いの精神であろう。
あついこころざしを意味する「篤志」を、口にしたい社会である。
(2004年11月19日・金)
ねぇ、お父さ〜ん!
個人や団体などの宣言を「マニフェスト」と言う。
意味は、共産党宣言とも表され、各党がしのぎ合った、昨年、初冬の陣を思い出す。
一人ひとりにとって「マニフェスト」は、はっきりした人生目標。
「いつまでに、これを達成する…」との期間があり、明確さを引き立たせている。
目標、目的の面からは、少し薄れるけれど、先を想像する言葉を見つけた。
「10年後、自分は…?」。
こちらは、将来や希望を感じさせる表明だと思う。
「マニフェスト」の一つとして「5年後に、結婚相手を見つける」と、告げている自分。
「縁は異なもの、味なもの」だから、達成は難しそう?。
さて10年後、夢でも聞きたい声がある。
「ねぇ、お父さ〜ん!」。
(2004年11月18日・木)
そのままの自分!
「子は宝」であろうとも、思うようにならず、不妊に悩む人々…。
子どもがいない夫婦で、特に女性は「赤ちゃん、まだ〜?」の「世間攻撃」におびえる。
同じ境遇を持つ臨床心理士が、声高く叫ぶ。
「不妊治療とは、生殖補助医療だ」。
原因が病気によるケースよりも、まわりの視線が、本人を追いつめてしまっている。
彼女は優しいまなざしで、相談者の苦悩を聞き、分かち合う姿勢から、ひと声出す。
「そのままの自分でいい…」。
流産ぐせがあった母だって、苦しい思いを味わっただろう。
望まない妊娠で中絶したり、障害のある人が感動出産する例など、子宝をめぐる話はさまざまだ。
不妊の壁にぶつかった人が「赤ちゃん、ほしいっ!」って、堂々と話せる社会環境を望む。
(2004年11月17日・水)
あったかな手!
パソコンや携帯電話の使い道で、大半を占めている電子メール。
対して、肉筆と言えば手紙だが、一つひとつの文字は、相手の心境まで伝えようとする。
手書きと同じく、ドット文字にも、気持ちが込められると「メール派」から聞いた。
木枯らしが吹くバスターミナルで、24年前のレターフレンドと、はじめて顔を合わせる。
長い空白を挟み昨年、メールのやりとりから、お互いの情報交換が再開。
メル友に名を改めると、家庭や子どもさんの話題も出され、ときの流れを受け入れた。
愛車で、わが家へ案内する。
「同い年にしては、若く見えるなぁ」。
飾らない言葉で話しかけると、思いも寄らない、お褒めの言葉が返ってくる。
「ホームページ、見ごたえありますよ」。
往復6時間、バスに揺られて帰宅すると、家事が待っていて大変だろう。
出会いの尊さを感じ、向かい合って話した感動で、胸が熱くなる。
握手をしたとき、耳から心に響いた言葉を忘れまい。
「あったかな手ですね」。
書き記し、意思の疎通を図っていく手先は、手紙、メールとも同類だ。
(2004年11月16日・火)
幻の女教師!
「十二支を書きなさい」。
女教師から、用紙と鉛筆が渡される。
答えをすべて、ひらがなで書くと、漢字での解答を求められた。
頭の中は大混乱で、一字すら思い出せずにギブアップ!。
時刻や方角を示すのに使われる十二支は、十干と組み合わせて年や日を表す。
もっとも身近に感じる、干支である。
ねずみが、猫をだます。
「十二支の選考会は、明日ですよ…」。
猫が執念深く、ねずみを追う、きっかけとなった。
テストを出したのは母で、父親は校長先生の経験を持つ。
若きころ、眼鏡をかけた姿に、女教師のイメージがあった。
農家の嫁には、もったいなかったか。?
(2004年11月15日・月)
優越感を認め合う!
動物がテーマの、強烈な言葉に出会う。
「空を飛ぶ。速く走る。海中で暮らす。人間にはない能力だ」。
「殺人や虐待が絶えない社会だけど、野育ちは食物(はみもの)以外で、ほかの生き物を犠牲にしない」。
「群れでの子育ては、仲間の子どもにも乳を与える」。
さらに投稿者は、子どものころ感じた思いを、一言にした。
「動物園などで、柵の外から眺める私たちは、もしや、彼らに笑われているのではないか」。
名前を呼んだり、握手をし、愛猫たちとふれ合う毎日。
ゆったりライフに見える、彼らにだって「ネコ界」の厳しさである、テリトリーが待ち受ける。
先祖をたどると、われわれも動物の一種。
頭脳ナンバー1である生き物に、社会へ警鐘を鳴らした投稿者の、意義深いメッセージが心に響く。
地球上の生物がそれぞれの、優越感を認め合いたい。
(2004年11月14日・日)
わが城は130年!
旧公民館を挟んだ隣家で、新しい住まいの竣工式が行われた。
昔から隣近所と、つき合いを持つわが家は、母が式に出席し、香り高い新築に触れる。
工事担当業者も、こちらまでやってきた。
あいさつ状に、熱意を感じる一文を見つける。
「お任せじゃあなく、自分たちの住みたい家を造る。100年経って味が出る建築物こそ、私たちの義務…」。
取り壊した家の、建具や梁を再利用する、ユニークな思考も取り入れたとか。
「♪もしも、私が家を建てたなら…」。
愛する家族と住みたい、夢のマイホームを歌った、小坂明子の「あなた」。
第一次オイルショックに流行したこの曲は、やがて誕生する「新婚」の、やるせなさを描いているようだ。
130年の歳月が、住みかの本宅を引き立て、似合った味が染み出ている。
わが城を、これからも大切にしたい。
(2004年11月13日・土)
親子リング対決!
昨夜に続き、第2ラウンドのゴングが鳴った。
今回は食卓の椅子で、父と向き合ったコミュニケーション。
両手を動かしながら、明瞭な声で話しかけてくる。
「俺たちの時代はな、結婚を前提としたお見合いが主流…。『新婚』は相手を知って、打ち解ける時期だった…」。
父から言葉のパンチを受けて、現在と比較してみた。
交際期間が長くなるほど、お互いを観察し合って、ウエディングケーキを切る。
恋愛で結ばれるカップルの多くは、結婚を決意した時点から『新婚』がはじまっているのかも…。
出生動向基本調査によると、2000年の見合い結婚は、8.1%まで落ち込んだ。
もはや、死語になりつつある「密月」。
こちらは、父の攻撃に攻める余地すらなかった。
さて「新婚」をめぐる、第3ラウンドはある?。
(2004年11月12日・金)
「新婚」討論会!
座布団2枚を並べて、伸ばした両足、片手肘をつき、上半身斜めスタイルの父。
母は、テーブルの椅子に腰かけた。
夕食後のくつろぎタイムで、唐突な問いかけを試みる。
「『新婚』って、いつまでの期間を言うのかなぁ」。
とっさ、母が口走る。
「あの投書、読んだよっ。結婚して5ヵ月が経つ、女性会社員さんの質問ね…」。
依然、回答がないので、辞書から知った「密月」の言葉を出す。
「1ヵ月くらいのあいだなんだってさ」。
一般的な説明に「待った」を入れたのは、父だ。
「『新婚気分』って言えば、期間はないんだよ」。
46年間、一緒に暮らす2人は、心の若さと変わらぬ愛をアピール。
新鮮さを感じる、討論会となった。
(2004年11月11日・木)
過ち空箱!
あるお菓子屋さん店主の死去を、新聞が知らせた。
途端、15年くらいさかのぼった話が、頭の引き出しから飛び出す。
千葉で暮らす叔父が、久々に顔を見せた。
大手銀行マンとして、東京勤務を果たす勇姿が際立っている。
懐かしさや近況もつかの間、叔父は地元駅前で買った手みやげを残し、わが家を去って行く。
紙袋に入った包みを開いた父は、目を丸くして言う。
「なんだ、こりゃあ、空箱じゃないか!」。
素直な気持ちで、叔父に連絡をとったら、購入店の人がお詫びに来た。
「仕事の浅いスタッフが見本用と、販売する箱を間違えてしまいました。すみません」。
電話帳を持ち、記憶をたどってみたけれど、同一店かは分からない。
私たちは、過ちが潜む中で仕事をこなしていく。
(2004年11月10日・水)
本日、祥月命日!
「姿が見えなく、肉声も聞かない」。
加えて、まわりから噂が消えたなら、住んでいた地を離れたか、もしくは他界が考えられる。
家族や近しい親戚は、故人をしのぶ儀式から、思い出を引き出す。
集まる回数を重ねながら、亡くなった人は「永遠の人物」となるのだろう。
母の絶叫が蘇る。
「おばあちゃん、よくがんばったね!」。
本日、祖母の祥月命日。
祭壇には、ご先祖様を後方に、最前列で祖母と祖父らが並ぶ。
「大好きな巻き寿司だよ、おばあちゃん」。
語りかけながら、手を合わせたら、電話のベルが鳴り出す。
声は、静岡暮らしの叔母だった。
「身内は、故人を忘れまい…」。
正しくピッタリ合った、できごとである。
(2004年11月9日・火)
みんな、弱さを持つ!
障害のある子どもと一心同体で生きる、親御さんは少なくない。
介助や悩み、将来への不安が尽きなくても、同じ境涯の仲間で輪を広げていく。
むしろ、意欲的な考えを持ち、わが子とともに社会参加の道を探っている。
5年前に東京で起きた、16歳少女の餓死は、保護責任者遺棄致死の疑いから、母親が逮捕された。
「障害がある」と言う、心身の現象をバネに「社会で育てたい」と願望し、健康な子どもと一緒に通う、統合教育を選択。
グループ支援を受けながらも、家へ「隔離」させてしまったのは、なぜか。
やせ衰えた二女を、病院に連れて行かなかった理由を逮捕後、母親は口にした。
「施設に入れられる」、「障害の基準をつくったのは、おかしい」。
母親が恐れていたのは、世間体だったのか。
人はみな、心のどこかに弱さを持つ。
短所をカバーする姿勢が、精神の成長と言えそうだ。
(2004年11月8日・月)
ペットも被災者!
余震におびえる、新潟・中越地方の人たちから、切ない話が漏れる。
「家族の一員を犬小屋につないで、数日分の餌を置いてきた…」。
避難所から夜中、通行可能な山道をクルマで4時間走り、自宅に戻った初老男性。
近寄ると愛犬は、何も食べずに伏せていたと言う。
35年前、わが家に子犬がやってきた。
柴犬の雑種で、お互い、あどけない顔を向き合わせると、兄弟そのもの。
ちょうど、風呂場・台所・居間のリフォームさなかだったから、大工さんが立派な犬小屋をつくってくれる。
祖父と一緒に自転車通学をした学校帰り、愛犬は威勢よく吠え、私たちを迎えた。
犬だと長寿、15歳を生き抜いたけど、散歩の機会が少なく、退屈な時間も多かっただろう。
初老男性の親戚が、幸い愛犬を預かった。
だが、愛犬・愛猫らを心配する避難者は耐え難い。
ペットたちも被災者!。
(2004年11月7日・日)
人とニコチン!
「『ハイライト』の箱が、家庭医学書風になる?」。
日本たばこ産業は、健康被害への注意周知で、新包装デザインを11銘柄に導入していく。
こんな文言を、用意中とか。
「あなたにとって喫煙は、肺ガンを発病させる原因の一つとなります…」。
いままで、1本も口にくわえた経験がない一人だけど、まわりからの煙は何度も吸った。
「においの、何がいいんだろう」。
喫煙者の行動から、ちょっぴり疑問が薄れる。
「心を落ち着かせるには、ニコチンの力を借りなくてはならない」。
習慣ぐせと言うか、少なからず、煙の有毒と仲よくなっているみたい。
一方で、人々の健康を重視した試みは、たばこ産業の尊い決断とみる。
果たして新包装の効果は、どう出るか。
人とニコチンの戦いは続く。
(2004年11月6日・土)
バリアフリーなし!
「まわりは紅葉。いい湯だ。夕食のごちそうも、うまい…」。
客の大半が、中京・関西方面で占める郡内の温泉郷に昨日、一家で宿泊した。
注目は魅力な料金で、夕・朝食つき1人、5,100円。
歴史のある建物だけに、内装をしながら経営を続けている。
「風呂場に手すりがない。エレベーターなし。和式が主体のトイレ…」。
食事を階下で摂ったから、階段の上り下りを余儀なくさせられたり、洋式トイレにトラブルが起こるなど、不便さも味わう。
「バリアフリー」は「障壁からの自由」を表す言葉で、1997年、現在の厚生労働省がアピールし、社会に浸透しつつある。
もとは、建築関係で使われており「建物内の物理的な障壁除去」が、本来の意味だとか。
宿泊料の安さで利用する、わが家だが「バリアフリー」の文字が、頭をよぎった。
けれども、また行きたい。
親しみある、スタッフさんたちに会えるから…。
(2004年11月5日・金)
ゆとりルール!
「ゆとり」の文字には、落ち着きを覚える。
安心感ある言葉なら「ゆっくり」。
五十音の一つ「ゆ」って、心を休めさせるかのようだ。
片手ハンドルに携帯電話を持つ、ドライバーが減らない。
交通の危険性と安全運転確保に向け、改正された道路交通法が今月1日から施行。
運転中、ケイタイ全面禁止を謳い、警察庁はハンズフリーにも目を光らせる。
こうなると、無線機を設置しているタクシーや、アマチュア無線家にも関連が出てきそう。
「クルマを走らせてるときくらい、せかせかしなくても…」。
ケイタイが「ゆとり」をなくすとの、考えもあるだろう。
反面、通話によりコミュニケーションが増え、リラックスしている人も多い。
人それぞれの「ゆとり」があっても、交通ルールは守るべきだ。
(2004年11月4日・木)
日本人になれた!
昭和初期、中国東北地区を日本関東軍が占領し「満州国」が誕生した。
希望と夢を持って、新たな日本国へ向け、船に乗り込んだ大衆。
母の姉たちも新地を踏み、結婚し帰国に至った下の姉、病死で帰られなかった一人は、明暗を分けた。
敗戦により、傀儡国家は崩壊する。
帰国できず、異国の暮らしに耐え抜いた人は少なくない。
いまなお、帰ることを望む子孫らのため、中国帰国者自立研修センターが10年近く前、わが村にできた。
まず、言葉の壁を破る、特訓が行われる。
1ヵ月間、日本語を習い、小学校へ編入した体験を地元女子中学生は、長野県中国帰国者弁論大会で語った。
「授業が分からないし、友だちもできなくて、よく一人で泣いた。みんなと話せるようになったら、中学生活が楽しい」。
将来、日本語通訳を目指す理由に、同じ境遇の人を助ける意志を持つ。
「学生の部」において、優勝を決めた女子中学生は、さわやかな笑顔でコミュニケーション紙の表紙を飾った。
弁論大会の成績が、日本人になれた証だろう。
(2004年11月3日・水)
昔の名前!
9人兄弟姉妹の母だから、大勢、甥や姪がいる。
たった一人だけ、海を渡った姪がいて、メキシコで家庭を築く。
「そちらの『福祉』って、日本に比べて充実していますよね」。
里帰りした彼女に、確認するような質問を投げかけてから、長いときが経つ。
小林旭が歌った「昔の名前で出ています」は、作詞が星野哲郎。
酒場で気づいたヒントを、割り箸袋の裏が用紙、ペンにマッチ棒の燃えさしを使ってメモをとる。
「♪京都にいるときゃ『しのぶ』と呼ばれたの…」。
メキシコ暮らしの彼女も、日本名は『しのぶ』だった。
母親の入院を知った昨年、ふるさとの地を踏んだと聞く。
歌がホステス嬢なら、彼女は外国人になった。
「昔の名前」とは、個々の過去が詰まっているんだろう。
(2004年11月2日・火)
頼むぞ、湯たんぽ!
四季の変動が激しい場所なら、誰でも経験を持つだろう。
「こたつで、うたた寝」…。
足が暖まると、上半身までポカポカになり、身体の仕組みに気づく。
1週間前から、ベッドに「湯たんぽ」を入れて休む。
長いあいだ、金属製や陶器の「たんぽ」が使われてきた。
いま、足下にあるのは、ポリエチレン製のもの。
フィルム・シート・容器に使われているポリエチレンだから、熱を逃がしにくい。
夕食のあと、母にお湯を入れてもらうと、翌日昼過ぎまで「湯たんぽ」はあったかだ。
愛猫を「湯たんぽ」の代わりとして、布団にもぐらせる例もありそう。
夫婦なら、お互いの温もりに勝る、暖はない。
「『湯たんぽくん』、相棒が見つかるまで、役目を頼むよ」。
(2004年11月1日・月)